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医師からの「多剤処方」の意外なリスク

2024-04-11 10:37:04 | 
私が軽い肺炎となり市内の大型病院に行った際、肺炎はほぼ治っており肺に炎症があるということで6種類もの薬を処方されました。

またかみさんは色々と痛いところがあるという事で、大量の湿布薬を出してもらっています。湿布薬は飲み薬よりも安全性が高いというイメージがあるためか、多用している人も少なくないようです。

医療機関で処方できる1処方当たりの枚数は、2020年度診療報酬改定で上限63枚に制限されましたが、それでも少ない量とは言えません。手軽なクスリだからこそ、しっかりリスクを把握したうえで、適切な用法と用量を守る必要があります。

それでも大きな問題は薬の「多剤処方」と「長期処方」です。高齢化が進んで慢性疾患を抱える患者が増加したことで、複数の薬を大量に処方される患者が増えています。

厚生労働省の調査でも、65〜74歳の15%、75歳以上では26%が7つ以上の薬を処方されていることがわかっています。こうした多剤処方と長期処方が増えれば、それだけ薬の副作用による健康被害が生じるリスクがアップします。

6種類以上の薬を飲んでいる人は副作用の発現率が10%を超え、有害事象が起こりやすくなるという報告もあります。それが長期処方となれば、さらにリスクはアップすると考えられます。現在長期処方が許されている薬は、長期の使用でも安全性が認められている薬に限られます。

しかしその中でも比較的新しい薬や、患者がそれまであまりつかった経験がない薬が2〜3か月分処方された場合、その患者固有の副作用が生じる危険があります。

そうした副作用が出た時、患者が自分でクスリを中止する判断ができればよいのですが、多剤処方でたくさんの薬を使っていると、どれが原因になっているのかはなかなかわかりません。

本来新規の病態に対する薬の処方は、まず2週間分を出しそれが終了した時点で一度検査を行って問題が無ければ1か月分を処方します。それを3か月ほど続けて効果が出ているかどうか、問題がないかどうかを確認してから、2か月分、3か月分の長期処方に伸ばしていくのが正しい手順です。

薬の副作用はさまざまな事象から判断できますが、一番シンプルによくわかるのが血液検査です。高濃度だと有害な副作用を示す抗不整脈剤や抗ガン剤の一部などは、血中濃度の測定が保険適用になっていて必須の項目となっています。

今の薬は昔と比べると良く効くようになっていますが、その分副作用も強い傾向があるので、なおさら適切な管理が必要と言えるでしょう。

正しい手順を守らない医師がいることも確かですので、患者も十分な注意が必要な時期と言えるのかもしれません。


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