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機能性表示食品の臨床試験

2024-04-12 10:32:18 | 時事
小林製薬の紅麹問題はまだいろいろ取り上げられていますが、生きた麹を使用しているのですから、色々な有害物が出てきてもやむを得ないと思っています。

こういった機能性表示食品の多くの臨床試験で有利な結果が協調され、不利なものが消費者に伝わっていないことが分かったと、医師や研究者らのグループが発表しました。

「特定保健用食品」は、健康を保つ機能を持つ食品を国が審査し許可する制度です。これとは別に2015年、申請のみで機能性を表示できる「機能性表示食品」制度が始まりました。機能性を確認する臨床試験は食品会社が「開発業務受託機関(CRO)」に委託することも多いようです。

ただCROの試験の質や結果の消費者への伝わり方は、詳しく調べられてこなかったとしています。研究グループは検証を試みました。試験計画を事前に登録する仕組み「UMIN臨床試験登録システム」に、CROの国内大手5社が登録した試験726件中、100件を無作為に抽出しました。

その中から食品に関連した76件を選び、このうち32件が論文として出版されていました。これらの中で試験結果を広報する3件のプレスリリースと、結果を基に販売された食品の広告8件、計11件を特定しこれらにおける試験結果の説明のされ方を調べました。

その結果32件の論文では、主要評価項目の数が計画段階の約2倍になっていました。うち26件の抄録に都合の良いデータだけを強調し、都合が悪かったり矛盾するデータを無視して結論を出す「スピン」を確認しました。

プレスリリースと広告では8件でスピンが認められました。具体的には例えば食品を摂取して4週間で腹囲は減ったが、体重や内臓脂肪、体脂肪率が減っていない食品がありました。結果の矛盾について理にかなった説明が必要としています。

記憶力の維持などを謳った食品では、あらかじめ抽象的な検査項目を登録しておき、臨床試験後に具体的な項目名を挙げたことで、項目数が大幅に増加していました。多数の検査項目では有意差が出ず、アンケートを基に効果を評価していました。

さらに論文では記憶力の「効果が示唆された」としながら、広告では効果がある旨の断定表現に変わっていたとしています。

研究グループは、たとえ一部でも結果と結論に不一致があり、消費者に伝えられているのは大問題で、機能性表示食品の規制を強化する見直しが必要としています。

また一般消費者に対しては、単一の食品を摂取して健康を維持できるというのは幻想に近い。バランスの良い食生活を心掛ける必要があるとしています。


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