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大腸内視鏡検査で見つかる「カルチノイド」

2019-06-11 10:25:46 | 健康・医療
大腸の内視鏡検査をすると、ポリープが見つかることはよくあるようです。

私はこの検査を一度も受けたことはありませんが、かみさんや友人の中では定期的に受診しており、ポリープを取ったというような話をよく聞きます。

この取ったポリープは病理検査を行い、良性かどうかの診断をしますが、大部分は良性で問題がないようです。この診断で「カルチノイド」という名前が出てくることがあるようです。この名前は全く知りませんでしたが、どちらかといえば悪性腫瘍で、大腸には見つかることが多いようです。

カルチノイドは、通常の大腸ガンよりも予後のいいおとなしい腫瘍だと考えられていました。ところが肝臓や肺などへの遠隔転移がおこることもあり、放っておけば命の危険すらある病気だということがわかってきました。

とりわけ消化管にできるカルチノイドは、2005年から2010年の間に約1.8倍と大幅に増えています。現在ではカルチノイドは悪性の腫瘍、つまりガンの一種であり、肺や気管支、胃、膵臓など様々な臓器で見られ、消化管の中では直腸に多いのが日本人の特徴とされています。

通常の大腸ガンは、腸管粘膜の表面にある上皮細胞から発生します。一方カルチノイドはもっと深い位置にある粘膜筋板、あるいは粘膜下層にある神経内分泌細胞という細胞が腫瘍化したものです。

カルチノイドは、通常の大腸ガンと同様に、初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、内視鏡検査で偶然発見されることが少なくありません。初期の段階で切除すれば完治できる可能性が高いのも、大腸ガンと同じです。

このカルチノイドの重要なチェックポイントは、まず腫瘍の増殖スピードとなります。腫瘍細胞がどれだけ増えるのか、増殖スピードが速いかどうかを調べるために、「Ki-67指数」を使います。

腫瘍組織を免疫染色という特別な染色を使って、増殖している腫瘍細胞の割合を調べるもので、これで増殖スピードが判断できます。世界保健機構(WHO)基準によりこの指数が2%以下ならばグレード1、3~20%はグレード2、20%より大きければグレード3に分けられます。

次のポイントが断端陽性の問題で、内視鏡で切除した組織の切断面に、腫瘍の取り残しがないかを調べます。最後が腫瘍細胞が直腸の壁にあるリンパ管、または静脈に入り込んでいるかどうかを調べます。

こういった検査後の本来悪性度により手術をするかどうか決めるのですが、医師は悪性度が低くても手術を進めるようです。こういった新しい腫瘍の名前が出ていますが、基本的には大腸ガンと差がないような気がします。

どうも「念のため」という手術で患者のQOLが低下するような傾向は、残念なことのような気がしています。

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