ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

糖尿病は生活習慣病から遺伝子病へと変遷

2023-05-04 10:32:11 | 健康・医療
私の友人知人にも糖尿病の治療をしている人は多く、どの程度重篤かが分からないというのも怖いような気がしています。

友人の中には、しっかりと糖尿病治療をしているにもかかわらず、突然腎症を発症し透析となってしまったケースもありました。

日本人を苦しめている5大疾患(糖尿病、急性心筋梗塞、脳卒中、ガン、精神疾患)といわれていますが、歳をとってくるとこのいずれかの病気を発症する確率は上がってくるようです。

糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる病気で、この状態が長く続くと全身の血管に障害が起こり、失明、腎不全、足の切断、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な合併症を引き起こします。

膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンの分泌量が不足して発症する1型と生活習慣が関係する2型があり、現在1000万人が罹患していると推定されています。患者数は2型が圧倒的に多いため、糖尿病といえば生活習慣に関係する病気と思われがちですが、病気のなりやすさや発症には遺伝子が強く関係していることが明らかになりつつあります。

2035年までには発症に関係する遺伝子がすべて特定され、それに関連した診断、治療が行われる可能性があるようです。すでに1型については15以上の遺伝子領域が、2型についても10種類以上の遺伝子領域が糖尿病発症に関与していることが解明されつつあります。

しかし遺伝子が同じ双子でも糖尿病になる人とならない人がいることから、遺伝子の塩基配列の変異以外のメカニズムで遺伝子の変異を制御して生体に変化をもたらす「エピジェネティクス」の研究が注目されています。

食事や運動など、どういうときにその現象が起きて糖尿病を発症させるのかの研究も進んでいます。糖尿病の人はいきなり糖尿病になるわけではなく、なりやすい遺伝子を持った人がエピジェネティクスのスイッチを押す不摂生な生活を続けた結果発症します。

その間血糖値の悪化を知れば、不摂生を改める努力をするでしょう。従来は血糖値は病院に行かなければ計測できませんでしたが、今後はウエアラブル計測機器で手軽に長期間計測できるようになります。

すでに2週間連続計測できるパッチ式の血糖測定器が市場に出ています。ほかにも端末内蔵の発光ダイオードやレーザーで、手首や指の皮膚に光を当て、反射したり散乱した光の強さや反応を測定することで血糖値を測る腕時計型の血糖測定器も使われ始めています。

こうしたことで遺伝子的に糖尿病になりやすい人が予防し、糖尿病の患者数は減少すると予測しています。しかしこんなことが可能でしょうか。

まず自分が糖尿病になりやすいかの遺伝子検査が多くの人に実施されるとは考えられません。糖尿病が遺伝子に関連するというのは新しい知見ですが、それによって何かが変わることはないような気がします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿