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遺伝的に糖尿病になりやすい人の特徴

2025-07-07 10:34:58 | 健康・医療
日本は糖尿病大国と呼ばれていますが、予備軍も含めた国内の患者数は約2000万人と推定されています。

1型糖尿病は遺伝病としてよく知られていますが、生活習慣病だと思われている2型糖尿病も、実は遺伝の影響を大きく受けているそうです。

数百万年間に地球上に人類の祖先たちが誕生したのち、長い年月を経て約6万年前、現在の祖先がアフリカの地から地球全体に広がっていきました。

寒冷や高温多湿、あるいは食料の不足などの様々な環境条件に適応するということは、身体の形質や機能を生存に適するように改変することに等しいです。生活する環境に適応するために、祖先は遺伝子配列を少しずつ変えながら、今日に至っているのです。

現在祖先から受け継いだ典型的な機能のひとつが、食糧が不足している条件でも、できるだけエネルギーを体に蓄えておく能力です。それは農耕・牧畜などによる食糧生産の増加が可能になってからも、それほど変わってきませんでした。

このような状況の中で、祖先が生き延びるには身体へのエネルギー貯蔵を可能にし、中等度の身体活動を推奨するような遺伝子、いわば倹約遺伝子の獲得が必要不可欠であったと考えられています。

そのような食糧不足が慢性化し、ハードな身体活動が不可欠であった時代は、つい最近まで続いていました。そのため直近の1万年ほどの間、遺伝子配列には、ほとんど変化がなかったと考えられています。

しかし現在では、食糧の増加、身体活動の減少などにより、倹約遺伝子が肥満やそれと関連する糖尿病などの生活習慣病の激増をもたらす要因になってしまったと考えられています。

2型糖尿病や脂質異常症などが生活習慣病として包括的に呼称されているのは、運動や食事、さらには喫煙などさまざまな生活習慣がそれらの発症に影響するためです。しかし生活習慣病の発症には遺伝的要因も大きくかかわっています。

体格や筋力、持久力などの運動能力と同様に、さまざまな生活習慣病の発症は、遺伝要因と環境要因がほぼ半々に影響を及ぼしていることを示しています。個人間のゲノムを比較すると、300万~400万カ所もの異なる塩基配列が存在すると考えられています。

それらの多様性の中で、ある集団において違いが1%以下であれば突然変異といい、1%以上の場合は遺伝子多型と呼んでいます。ほとんどの場合変異はそれぞれのタンパク質の機能には影響を及ぼしませんが、中には個人の疾患感受性に影響を及ぼすものが存在します。

以上のように2型糖尿病は生活習慣病と呼ばれていますが、複数の遺伝子と環境因子の組み合わせで発症する多因子性疾患であると言えるようです。


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