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ガン治療で圧倒的に手術が多い日本

2021-08-28 10:30:26 | 健康・医療
日本では死亡原因の1位となっているのがガンですが、その治療法は圧倒的に手術が多いことが特徴となっています。

私の知人でもガンに罹り、治療後元気にしている人や亡くなった人もいますが、肺ガンの小細胞ガンのように手術ができない場合を除いて、全員が手術をしています。ですから私もガンが見つかれば、手術して取るのが当然の治療法と思っていました。

ところが海外はこれほど手術が多くないというデータが出ていました。先進国における肺ガン(ステージ1)の患者が受けた治療法を調査したものです。

アメリカでは手術が60%に対し放射線治療が25%、イギリスでは手術が53%、放射線が12%、オランダでは手術が47%、放射線が41%となっているのに比べ、日本では手術が95%、放射線治療は5%と手術の割合が非常に大きくなっています。

現在は手術以外に放射線、抗ガン剤、免疫療法と標準治療もいろいろ開発されていますが、いずれも手術後の補完療法のような捉え方をしていましたので、第1選択肢が手術となるのは当然のような気がします。

この治療法の違いは、各国の健康保険制度の有無や国策なども関係しているのかもしれません。また日本は被爆国として放射線に対する抵抗感が関係している可能性もあるようです。

またそれぞれの医師の強さも関係しており、外科医のイメージは体育会系で元気が良いというタイプが多い気もします。またガンが発見されさまざまな検査を経て治療法を決定するまでは、患者の対応は主に内科医の仕事となります。

そこで手術が最善の治療であると判断されれば、患者は放射線治療医に話を聞く機会すら与えられないことが多いようです。患者自身が「手術が根治治療、放射線は緩和治療」と考えているケース(私もそう考えていました)もありそうです。

海外では手術と放射線治療が同等レベルの選択肢として存在しているのに、日本では必ずしもそうなっていないのかもしれません。

しかし現在では放射線治療のメリットは大きいようで、メスを入れて体の組織を切除するわけではないので、身体への負担は少なく入院も不要なことが多いとされています。早期肺ガンの放射線治療であれば通院で5回、1回30分程度なので5回ほど会社を半休する程度です。

手術の場合は入院期間は短くて1週間ほどで、自宅静養も含めると1か月ほど仕事を休むことになります。まあガンが見つかったらしばらく休みたい気もしますが、私の歳になると手術の負担に身体が耐えられるかという問題も出てきます。

以上のような「手術優先」を変えるには医師側の変化が必要ですが、今までの歴史を考えると日本のとにかく切除という治療法は当分変わらないような気がします。


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