ごっとさんのブログ

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健康診断不要論はなぜ出て来るのか

2022-03-19 10:25:49 | 健康・医療
少し前にこのブログで日本の健康診断は時代遅れという記事を出しましたが、どうも健康診断自体が不要であるという説もかなり出ているようです。

私は高齢者は受ける必要がないという意見ですが、40代50代でも意味が無いという意見も多いようです。この辺りをまとめますと、まず健康診断を受けると健康で長生きできるという科学的根拠がないようです。

例えば現在の平均寿命は女性の方が長くなっていますが、今の高齢者の時代は女性は専業主婦が多い世代です。男性は企業の健診を受けていましたが、女性はほとんどその機会がありませんでした。

つまり検診を受けていない女性の方が長生きということは、健康診断で寿命が伸びることはないという逆説的な証明と言えるのかもしれません。また現在の医療技術では、遺伝に勝つことができないという説もあります。

若いころから酒やタバコを嗜んでいても大病もせず長寿を全うする人もいます。逆に身体への意識が高く健康管理や食事制限に積極的であっても、若くしてガンや心筋梗塞に侵される人もいます。

こういった個人差はその人の体質、つまり遺伝によって決まってしまうという説です。ガン家系と言われている人のガンを予防する方法はないといえます。

さて健康診断では数十項目に関する検査を行うのが一般的ですが、これらのうち健康に影響するというエビデンスがあるものは血圧や血糖値などの5項目ぐらいです。

血糖値や血圧が非常に高い場合などは、その時点や将来に身体によくないことが起こる(これも確率論ですが)と言えますが、それ以外の項目に関しては数値が良くても悪くてもほぼあてにならないようです。

さらにコレステロールや血圧、血糖値が高いとすれば、それらは動脈硬化の危険因子ということになりますが、それが原因で脳梗塞や心筋梗塞になるのは20年後などかなり先のことです。こうした考え方は「20年理論」と呼ばれますが、早い段階から対処しようという説です。

しかし20年といえば医学の研究が大幅に進歩を遂げるには十分な時間です。検査値に異常が出た場合、多くの医師が○○を減らしましょうというマイナスの指示が多いようです。

特に肥満気味だと減らすべきことが多くなりますが、高齢者の場合はビタミンなど必須要素が不足する事態になります。健康を維持するためには、若干取りすぎであっても必要な栄養素などを接種する方がはるかに有効と言えます。

ほぼ健康で症状などなく過ごしているのであれば、健康診断の結果など気にする必要はないという理論から、健康診断不要論につながるようです。

ただし高齢者は「心臓ドッグ」は受けた方が良いという意見は根強いようで、これにより冠動脈の狭窄などを早期に発見することは意味があるとしています。