ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
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薬剤師が飲まない薬が存在するのか

2022-03-12 10:28:09 | 
日本人は薬が好きなようで、病院にいって何か薬を処方されると安心するという傾向があるようです。

そのため日本では年間約10兆円の薬剤費が支払われている薬大国となっていますが、近年では患者が飲み残している「残薬」代が1000億円にも上っているとされ、問題となっています。

医薬分業が進み、薬学部が6年制に変わり薬は薬剤師が主導するような環境となるはずですが、実際は医師の処方が絶対であり薬剤師が口を挟むことはほとんどないのが実態のような気がします。

これは薬剤師資格が一生もの、つまり薬学部を出て薬剤師試験に合格すれば、その後何の検定を受けることなく薬剤師となるという制度にも問題がありそうです。

本来薬剤師は薬のプロであるはずですが、現在では年間十数種の新薬が上市されており、薬剤師はすべてを把握しているとは考えにくいような気がします。結局治療薬は医師が処方し、薬剤師はそれに従うといった構造から変わらないような気がします。

それでも薬剤師は薬のプロであり、医薬品についていろいろな事情をよく知っていると言えます。ここでは一流の薬剤師の薬に対するコメントを紹介します。

まず糖尿病の薬では、低血糖を起こすリスクが高い種類があるようです。古くから使われている安全性の高いクスリとしてBG薬(メトグルコなど)がありますが、同じように長らく使用されているSU薬(アマリールなど)は低血糖となる可能性を危惧されているようです。

面白いところではaGI薬というタイプは有効で安全なのですが、腸にガスを発生させおならをしやすくなるとしています。

次が抗凝固薬のワーファリンですが、ビタミンKを含む納豆や青汁は効果を妨げるため食べてはいけないようです。こういった食べ合わせについては私はほとんど影響がないと考えていますが、薬剤師の経験上は避ける方が良いと感じているようです。

また高血圧の薬としては、副作用が少なく薬価も手ごろなカルシウム拮抗薬(アムロシンなど)が現在多く処方されていますが、薬価は高いが効果が顕著なARB薬(アバプロなど)がお勧めのようです。

ただこの辺りは医師の好みが処方に出るため、薬剤師側では調整は難しいとしています。気を付けるべきものとして湿布薬を上げています。

高齢者は湿布が大好きですが、今の湿布薬は鎮痛剤の成分が含まれているため、あまり使いすぎると胃腸を壊すことがあるようです。その他解熱鎮痛薬の使い方なども気にすべき薬剤としていますが、薬のプロから見ると気になる薬の使い方は多いのかもしれません。

医薬分業が進んだとはいえ、単に調剤薬局から薬をもらうだけではほとんど意味がありません。薬剤師は薬のプロとしてもう少し病院と薬局の連携を進める手段を考えるべき時期に来ていると感じています。