ごっとさんのブログ

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ポピュリズムと民主主義

2017-04-28 10:45:37 | 時事
先日フランスの大統領選挙があり、国民戦線のルペン氏が決選投票に残りました。

ここでよく出てくる言葉がポピュリズムですが、私は何となく右翼的なことだと勘違いしており、実際には意味がよく分かっていませんでした。この言葉はトランプ大統領にもよく使われていましたが、いわば聞き流しているだけでした。

どうもよい日本語訳がないようですが、「大衆迎合主義」というような意味のようです。大体あまり良くないような意味合いで使われる感じがしていました。国民の意見に従うというのは、民主主義の一つと思っていましたが、必ずしもそうではないようです。

ポピュリズムの特徴は「本音主義」と言われています。本来思っていてもあまり口に出さないようなことを、国民を代弁して発言するということはトランプ氏の選挙手法でもありました。また別な特徴として国民を味方として認め、それに対峙する敵を作ることにあるようです。

ポイントは民衆とエリートに分け、民衆は純粋で普通の人、エリートは得をしていて腐敗している人という具合です。この図式にはいろいろな社会の問題が当てはめられ、例えばEUや金融権力、ワシントンといったものがエリートで敵とみなされるわけです。

またエリートが導入したことで民衆を脅かす存在として、移民や自由貿易が敵とみなされるとされています。こういったポピュリズムはやはり真の民主主義とはやや違っているようです。選挙は民主主義のシステムの一部にすぎないのに、それを絶対視し民意を聞けば何でもできるというのはあまり正しくない、いわば古いタイプの政治家といえるようです。

これに対立するものとして「リベラリズム」があります。これは基本的に異なるものを平等に扱うというもので、生まれ育ってきた環境や人種などが違っていても平等に扱うというものです。

つまりポピュリズムではだれを民衆に入れるかを決めてしまうと、その民衆は守り団結するように動くのですが、それ以外は排除してしまうわけです。こういった観点からすると、ポピュリズムは右派であり、リベラリズムが左派ということも間違っていたようです。たまたまフランスの国民戦線が右派であり、ポピュリズムであったにすぎないと考えるのが正しいようです。

世界的にもこのポピュリズムが台頭しているような気がしますが、今までの政治に国民の不満がたまってきている時期なのかもしれません。