ごっとさんのブログ

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ガンの3分の2は遺伝子の複製ミスによる

2017-04-02 10:57:05 | 健康・医療
アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学のグループが、ガン全体の3分の2はDNAの複製ミスによって起きていると発表しました。

研究グループは、アメリカのガン患者の遺伝子のデータベースなどを使って、32種類のガンについてガンにつながる遺伝子の変異が起きる原因について解析しました。その結果遺伝子変異が起きるのは、遺伝的な要因が5%、環境要因が29%だったのに対し、誰にでも起きる細胞分裂の際のDNAの複製ミスが66%を占めていたということです。

この数値は私にとってはそんなものだろうという感じで受け止めています。このブログでも何回か書いていますように、ガンは遺伝子変異による細胞の病気と定義しています。人間の体は60兆ぐらいの細胞でできていますが、そのうちどのくらいが新陳代謝で新しくなっているのかは私も知りません。

一説によると人間の体では、毎日4千億の細胞が死んでいるようです。これは150分の1ですので、この程度が新しくなっている、つまり新たな細胞が作り出されているのかもしれません。

このためには遺伝子の複製が必ず起きているわけですが、どの程度のミスが起きるかはよく分かっていないようです。これは生命の維持に必須なことですので、ミスが起きる確率は非常に少ないようですが、例えば1億分の1としても4千のエラーがある細胞ができるわけです。

これは修復機能で直されたり、どうしても修復不可能な場合はアポトーシスといわれる細胞死で排除されるシステムを持っています。それでも生き残ってしまう、遺伝子にミスのある細胞のあくまで一部がガン細胞となるわけです。

このような遺伝子変異は、もちろんある種の発がん物質のようなものや紫外線などでも生じますが、この複製ミスによるものの方がはるかに多いと思っていました。

研究グループによると、この割合はガンの種類によって異なり、複製ミスによる変異が前立腺ガンや脳腫瘍などでは95%以上と高かった一方で、肺ガンの場合はタバコなどの環境要因が60%だったということです。研究グループは、ガンは複数の変異が重なった場合起きるため、およそ40%は環境や生活スタイルの改善で予防が可能だとする一方、防げないものもあるとして、早期発見などの必要性を指摘しています。

これはNHKのウエブニュースですが、他のメディアはほとんど取り上げていません。私にとっては興味ある発見ですが、ガンが自然発生するもので予防は難しいということはあまり読まれる記事にはならないのかもしれません。