ごっとさんのブログ

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腫瘍(ガン)マーカー検査は是か非か

2016-03-06 10:41:18 | 健康・医療
私の家では大体年に1回ぐらい腫瘍マーカーの簡易検査をやっていますので、その時はこのブログでも書いています。たぶん昨年は6月ぐらいにやったのですが、どうもこの検査の是非が問われているようです。

腫瘍マーカーだけではなく、血液検査や尿検査などの薬理検査全般の問題が、偽陽性と偽陰性が出ることです。こういう検査結果の時に疑陽性ということがありますが、これは完全な陽性ではないがやや疑わしいという意味で、ここでいう偽陽性とは、本来その病気ではないのに数値が正常から大きくずれてしまう、いわばミスで出る陽性のことです。

この偽陽性と偽陰性は、臨床検査では常に問題となっています。こういった現象が出る理由として、検査の測定誤差がありますが、現在の免疫測定法いわゆるイムノアッセイは非常に感度も高く、技術や装置の進歩により数値の正確性は非常に信頼度が高くなっています。ですから偽陽性や偽陰性は、人間の個人差によるところが多いようです。

例えば私は若いころから白血球数が多く、正常値の2倍ぐらいになっていました。何回か再検査などしたのですが、結論としてはこの数値が私の正常値ということで、その後は再検査もしていません。

この偽陽性と偽陰性はいわば裏表のようなもので、異常のある人を見逃さないように、つまり偽陰性を少なくするような方法にすると、どうしても正常なのに異常値がでてしまう偽陽性が増えてしまうようです。現在の方向としては、病気の人を見逃してしまわないような、つまり偽陰性をなくす検査になっているようです。

血液検査などではこれでもあまり問題はないようですが、腫瘍マーカーでは事情が違うようです。腫瘍マーカーの使い方として、1)健康な人が早期発見のために調べる。2)手術などの治療後の再発を見る。3)化学療法や放射線の効果を見る。といったことがあるようですが、いずれの場合も偽陽性が出たときが問題です。

腫瘍マーカー値が異常値を示すわけですから、当然ガンになったか再発したと考え、色々な検査をすることになります。この場合ガンがあることは簡単に証明できますが、ないことの証明は非常に難しくなってしまうわけです。多くの検査をしても異常なしとなっても、何か見落としがあるのではと疑うとキリがなくなってしまうようです。こうやって精神的に参ってしまう人がかなり多く、偽陽性ということを受け入れられないという話でした。

そうすると前の1)のような目的での検査は不適切のようです。もともとガンになったからといって、腫瘍マーカーが異常値なるかも確立していません。この問題は、検査を受ける人の受け止め方で済ますわけにはいかないような気がします。