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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

データが示す健康と住む場所の残酷な相関関係

2025-08-25 10:35:29 | 健康・医療
私が住んでいる神奈川県は、都道府県別平均寿命の順位では5位になっているようです。あくまでも平均ですので、この順位がよければ長生きできるわけではないのですが、なんとなくうれしい気もします。

長寿県と下位の県を比較するとかなりの差がありますが、なぜこのような差が出るのかは興味がもたれるところです。肥満大国のイメージの強いアメリカですが、実はここ十数年のコレステロール値は意外と低く、日本より低いそうです。

日本人の食生活も欧米化が進み、1980年代からコレステロール値が高くなってきています。もちろん治療を受ける人が多くなった影響もありますが、アメリカでは早くからコレステロール値が高すぎることへの警鐘が鳴らされていたからかもしれません。

実は気が付けばついあるいは知らぬうちにというのは、生活習慣を変える上で非常に大事なポイントなのです。日本の喫煙率の低下にも似たようなことが起きています。女性はもともと喫煙率が低いので大きな変化は見られませんが、男性は一目瞭然かなり喫煙率が下がっています。

国の要望によって、映画やテレビから喫煙シーンがほぼなくなりました。恋愛映画でも刑事ドラマでも、男性の登場人物のほとんどがタバコを吸っていました。サザエさんでも以前は、波平さんやマスオさんがタバコを吸っていました。

そのため大人になったらタバコを吸うのが当たり前と自然に思わされていたわけです。今の若者たちは、タバコを吸うことのほうが不自然に感じられるかもしれません。また税金が上がってたばこの値段が高くなると、そのたびに喫煙率は下がっています。

喫いにくい環境があればあるほど、喫煙率は下がっていきます。こういったことから、ある健康の原則が導き出されます。健康になるためには、仕組み作りが重要であるということです。

最初から一人ひとりが自分のために、しっかりした意志力で望ましい行動をとれたらいいのですが、なかなかそうはいきません。やはりもっと大きな仕組みの力が必要です。仕組み化というのは、自分の意志や行動に関係なく、生きているだけで健康になっていける、状態のことを指します。

健康寿命が長い人に共通しているのは、特に意識していなかったのに気づいたら健康になっていたということです。つまり重要なのは、個人の意思の力に頼らず、仕組みの力を使うようにすることです。

仕組みづくりの柱は、次の3つです。1.食事習慣を変える、2.自然と運動できる強制力をつける、3.ストレスを減らすように人とかかわる。このあたりは疫学データによるエビデンスがあるようですが、結局食事と運動に落ち着きそうです。

成人男女の3分の2が熱あたり

2025-08-24 10:33:26 | 健康・医療
今年は本当に猛暑となっていますが、私はあまり苦にしていません。元々寒いより暑いほうがが好きですし、適度に冷房が効いている屋内にいることが多いためです。

最近の研究によると、この暑さが寿命を縮め老化にも関係しているということです。また暑さが原因で食欲不振・睡眠不足など不調をきたすことを「熱あたり」といい、20歳以上の3分の2もかかっているというデータもあります。

アメリカ・南カリフォルニア大学で、暑さと老化の関係を調べた研究が発表されました。この研究で、(1)32℃以上の日が年間10日未満の地域に住む人と、(2)32℃以上の日が年間140日以上の地域に住む人を比べたところ、暑い地域に住む(2)の人のほうが最大14か月老化が進んでいた、ということです。

筋肉量減少、皮膚などへの影響、記憶力・判断力低下、動脈硬化など多岐にわたる老化現象は、分かりやすく例えるなら、生卵がゆで卵になるようなもの、としています。暑さがDNAに影響を与え、老化を早めるということです。

厚生労働省によると、熱中症とは高温多湿な環境下で体温調節などがうまく働かず体内に熱がこもった状態を指しますが、軽度の場合頭痛・不眠・食欲不振などの不調が長引きます。

また重症化した場合、認知機能低下・手足の麻痺・腎臓障害・脳障害などを引き起こし、後遺症が残るリスクもあります。熱中症と頭痛・だるさ・不眠・食欲不振などの体調不良をあわせて熱あたりといい、20歳以上の男女の3人に2人が、この熱あたりに該当するということです。

熱あたりは体温調節がうまくいかなくなることで起こりますが、体温調節の方法には大きく分けて、(1)汗=25%、(2)皮膚近くの血管拡張=75%、の2種類があります。

(2)は皮膚近くの血管を太くして血液を外気と触れさせて冷やすというのがそのメカニズムですが、気温が37℃=体温以上になってしまうと、体温調節機能が効かなくなります。そうなると体温調節を朝だけに頼ることになり、危険な状態になるそうです。

体温調節に大事なものが2つあります。その1つが、意思とは無関係に身体の機能を調節する自律神経です。この自律神経のバランスが崩れると、体温調節がうまくいかなくなり、水分補給をしても熱あたり・熱中症になるリスクが高まります。

もう1つが水分です。汗も血液も主要な成分は水で、水分不足になると血液量減少・吐き気・頭痛・足のつりなどに繋がります。

加齢により筋肉量が減ると体内の水分量も減少(成人:約60%、高齢者:約50%)するため、トイレが近く水分補給を控えがちな高齢者は特に注意が必要です。

熱あたりという言葉はあまり聞いたことがありませんでしたが、私も水分補給をするよう努めます。

大腸ガンリスクが高い人の共通点

2025-08-22 10:33:46 | 健康・医療
あまり聞いたことがなかったのですが、最近日本人の大腸ガンが増加しているようです。この原因として食生活の欧米化といわれますが、これも具体的に何を指しているのかわかりません。

なんとなく納得してしまいますが、ハッキリしていないので何か変えようという気にならない言葉です。この辺は日本人特有のあいまいな表現といえるのかもしれません。人体では毎日約3000カ所でガンが発生しており、その多くが大腸といわれています。

しかし身体に備わる強力な免疫機能がガンを攻撃し、消滅させることで健康は保たれています。その免疫機能の力が失われたとき、生き残ったガンが増殖を始めます。

この3000のガン化というのはやや多すぎる気がしますが、細胞の数からいうとこの程度のコピーミスが出そうな気がしています。ガンができる場所は、便が貯留する直腸が33.35%、S状結腸が30.15%、その他が36.5%となっています。

上行結腸、横行結腸、下行結腸にガンが増える傾向にありますが、大腸ガンがもっともできやすいのは直腸とS状結腸であることに変わりはありません。大腸ガンのほとんどは、粘膜にある上皮細胞から発生する腺ガンです。

大腸内視鏡検査では、この粘膜を短時間に念入りに観察します。陥凹型早期大腸ガンは、発ガン刺激を受けた正常粘膜からポリープを経由せずに発生します。小さくても転移のスピードが非常に速く、危険なガンといえます。

粘膜の表面から発生したガンは、大腸の壁に侵入して粘膜下層から筋層へと広がり、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺など他の臓器に早期に転移していきます。陥凹型ガンは圧倒的に直腸、S状結腸に発生します。

大腸進行ガンは直腸やS状結腸に発生しますが、これは陥凹型の発生部位とほぼ同じです。これは陥凹型ガンが進行大腸ガンの前駆病変であることを証明しています。不思議なのは、胃で消化された食物を吸収する役割を持つ小腸にガンが発生するのは、非常に稀だということです。

大腸の長さが1.5~2メートルなのに対し、小腸は約6~7メートルもあります。広げるとテニスコート1面と同じぐらいの面積になる大きな臓器なのに、なぜここにガンが発生しないのでしょうか。

理由はまだよく解明されていませんが、小腸は大腸細胞と比べて細胞のターンオーバーが速く、細胞が生まれてから死ぬまでの期間が3~7日と短いため、ガン細胞が発生する前に細胞が死に、ガンになる時間がないからなどと推測されています。

その他日本人に大腸ガンが増加した理由はいろいろ考えられていますが、特に問題となるようなことはなく気にする必要はないような気がします。

世界の肝臓ガン、2050年までに倍増

2025-08-18 10:32:45 | 健康・医療
肝臓ガンは肝硬変などから起きることも多いようですが、これもあまり自覚症状が出ないガンのようです。

肥満、飲酒、肝炎といった予防可能な原因への対策を強化しなければ、2050年までに世界の肝臓ガン患者数はほぼ倍増するとの研究が発表されました。

グローバル・キャンサー・オブザバトリーのデータによると、肝臓ガンは部位別新規罹患数で6番目に多く、現在の傾向が続けば、新規罹患数は年間87万人から152万人に増加すると予測されています。

肝臓ガンは部位別ガン死亡数で3番目に多く、この研究では今世紀半ばまでに137万人の命を奪うと予測されています。しかし国際専門家チームによると、肝臓ガンの5例中3例は予防可能だとしています。

危険因子は、飲酒、ウイルス性肝炎、そして以前は非アルコール性脂肪肝疾患と呼ばれていた代謝異常関連脂肪肝(MASLD)です。世界肝炎デーの7月28日に発表された同研究によると、B型肝炎とC型肝炎を引き起こすウイルスは、2050年も肝臓ガンの主な原因であり続けると予測されています。

B型肝炎を予防する最善の方法は出生時のワクチン接種ですが、サハラ以南のアフリカなどの貧困国ではワクチン接種率が依然として低いようです。ワクチン接種率が向上しなければ、2015~2030年にB型肝炎で1700万人が死亡するとされています。

アルコール消費は、2050年までに肝臓ガン全体の21%以上を引き起こすと推定されており、2022年から2ポイント以上増加しています。肥満に関連する脂肪肝を原因とするガンは全体の11%に増加し、こちらも2022年から2ポイント以上増加すると試算されています。

この大規模研究では、この問題に関する既存のエビデンスが検証され、肝臓ガンに対する世界的な対策の緊急性が強調されました。研究者らは、米国、欧州、アジアの肥満や糖尿病の患者に脂肪肝について警告することで、肝臓ガンの予防可能な危険性について国民の意識を高めるよう呼びかけています。

私の周りではあまり肝臓ガンを発症したという話は聞きませんし、明らかに肥満という体形もいません。ただ昨年亡くなったF君は肝臓ガンでしたが、胃ガンからの転移ということで原発性ではありませんでした。

私の歳(78歳)になると友人もなくなるのが出てきており、この3年ほどで3人が亡くなってしまいました。皆ガンが原因でしたが、このくらいの年齢では進行は遅いと思っていましたが、皆発見から半年ほどでした。

高校時代からの仲間が7人でグループを作っていたのですが、昨年の忘年会では2人が亡くなり1人が認知症で参加できず、ついに4人になってしまいました。

この歳になるとやむを得ないのかもしれないですが、やはり寂しい気がしています。

何を選ぶかで老後の健康が変わる

2025-08-17 10:35:28 | 健康・医療
停年後市内の研究所に勤務したり、大学非常勤講師をしたりしていましたが、68歳になりこういった仕事もすべて終わりにしました。

その後自宅での内職として、英文特許の翻訳などしていましたが、これも70歳で終わりにして現在の悠々自適の生活となりました。現在はこのブログの入力を日課としていますが、これはできる限り続けたいと思っています。

その他は月に1回程度の麻雀と、週に1回程度の碁会所通い、パチンコなどで暮らしています。私はそれほど長生きがしたいとは思っていませんが、人生100年時代は老後が長くなっています。

定年後の選択を間違えると、その後何十年にわたって苦しい生活が続く一方、正しい選択をすれば充実の後半生が待っています。人生の後半戦を左右するのが体の健康です。健康のために受けている検査が逆効果になっているケースは多く、その一つがバリウム検査です。

実は私はこの歳になるまで、バリウム検査を受けたことがありません。ここで使用する硫酸バリウムは、実験の中でよく使う試薬でその性質をだれよりも詳しく知っています。これを飲むことに抵抗があり、結局検査を受けることはありませんでした。

バリウムは検査としては手軽ですが、胃ガンの早期発見には向いていません。胃カメラに精度として劣るうえ、バリウムが詰まって手術となるケースもあります。胃ガンを心配するならばまずはピロリ菌の検査と、感染がなければ必ずしも毎年の胃カメラは必要はありません。

また腫瘍マーカーもメリットが少ないようです。あくまでガンが見つかった人の経過観察に使うもので、初期のガンを発見するためには役に立ちません。また高価なPET-CT検査や遺伝子検査もガンの早期発見に寄与するというエビデンスはないようです。

脳ドックも慎重になるべきで、心配しなくてもいいレベルの小さな異変を見つけて、不安になってしまうケースは多いとしています。血管系の病気を持つ家系の場合は念のため受けてもいいですが、検査のメリットは明確ではないようです。

日本人で患者が増加中の大腸ガンは便潜血検査と内視鏡検査を組み合わせれば高い効果が得られます。毎年必ず大腸内視鏡検査を受ける必要はなく、一度受けてみてきれいな腸ならば数年受けなくていいケースもあります。

次に治療としての手術ですが、個人差もありますが前立腺ガン、腎ガンなどの一部で進行が遅いタイプは急いでオペに踏み切ると術後のQOLを下げるリスクがあります。悪性度の低いタイプのガンは経過観察し、進行したら速やかに対処するのがベターです。

また体の弱った人ではリスクの高い手術より、緩和ケアを選択したほうが患者や家族の幸せにつながるケースもあります。つまり老後なりの選択肢を選ぶことが重要なようです。