旅つづり日々つづり2

旅のような日常と、日常のような旅の記録と記憶。

種を蒔く人

2018年04月26日 14時53分52秒 | 淡路島のこと
昔教え子に「蒔人くん」というかわいらしい男の子がいた。
いい名前だなーと思ってずっと記憶に残っている。
私の子どもにもつけたいな、と考えたが「こじま まきと」は舌がもつれそうなので断念。

苗植え無事に終了。大きくなってくれることを願うばかり。台所から眺めてひとまず満足。
昨日の夜読んでいた本に難民の方のインタビューがのっていた。
(「国境なき医師団をみにいく」 いとうせいこう/著)

「今一番欲しいものはなんですか?」と尋ねられた女性が「種です」と答えていた。
種があれば作物を育てて子どもに食べさせることができるから、と。

なんて力強い答えなんだろう、と思った。難民の子どもが「学校の先生になりたい」
「医者になりたい」と答えるのと同じくらい力強い答えだな、と。

力強い人たちにどうか力を。光を。

フェアトレードのものを購入するとか、買い物の前に少し立ち止まることや、新聞を
読み飛ばさないことくらいしかできないけれど、今この瞬間も世界中のいたるところで
同時進行で進んでいる誰かの人生に思いをはせることは忘れてはいけないと思うし
その手触りや温度や空気を感じるために旅をしてきたのだから、今の生活と切り離して
しまってはいけないな、と静かに再確認する読書だった。ようするに考えることをあきらめたら
私は世界を見捨てることになるし、それは世界が私を見捨てることになる、ということ。

種を蒔く人。
私の手はまだまだ使い道がありそうだ。

さて、お迎え。いっそがしい夕方がやってくる。そのあとに訪れる静寂の夜をイメージしながら
静かに、落ち着いて、怒鳴らずに、ドタバタせずに、さあ!やってみよう。よーいどん。

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