ふくのすけが保育園から帰ってくるなり、机の上に「あいうえおひょう」を
バーンと広げて、真剣な表情でサンタに手紙を書き始めた。
何も言わず、触れず、夕食の支度をする私。
暗号のように見えるが、どうやらふくは「らじこん」が欲しいらしい。
書き終わるとベランダの窓にへばりついて「サンタさんから見えるかな?」と
長い間手紙を持って空を見上げていた。
我が家は基本的に“ノー行事”である。
誕生日に好きなケーキを好き勝手作って、食べるくらいである。
誕生日に父が旅にでてたり、母が飲みに行ったりしてるくらい無頓着。
それに私たちはこの商業主義に踊らされまくっている日本のクリスマスが好きでない。
はっきりいって嫌いなのである。
サンタさんに罪はないが、クリスマス=サンタクロース=おもちゃ というのが
納得いかない。
ちびたちには「サンタさんはまずお腹がすいている子どものところにあたたかい
食べ物をもっていくよ。だからふくとあかりの家にくるのはうんと後だと思うよ。
だってふくとあかりはお腹すいてる?」「すいてなーい」「ほな、こないわ」
これでなんとか納得していたのも去年まで。今年はついに父ちゃん母ちゃんをあてに
するのではなく自分で何とかしようと手紙を書いてしまった。(これはこれでびっくりした)
悩むなあ・・・
そういうファンタジーは子どもにとって必要なものだし、むしろ経験させてあげたいことだから。
いつのまにクリスマスはこんなことになってしまったんだろう。
だからといって親の期待を込めた絵本とか、ためになる(何の?)おもちゃを贈るのも
まったく本末転倒だと思うし。こどもはそんなんいらんやろう。欲しいものが欲しいんだから。
今年の一番人気は“知育玩具”らしく、それってただの親のエゴやろとますます嫌気がさす。
ベランダに置いてあるこの手紙をみるたび、いろんな思いが複雑に交錯する。
ダンナ氏とも話したけれど、「よそはよそ、うちはうち、でいいんじゃないか」と。
うちにサンタが来ない理由。
それをしっかりと伝えることができるように、ブレずに生きていきたい。私が。私たちが。
ちびたちはそんな難しい話よりも、目先のおもちゃが欲しいだろうけれど・・
もうしばらくは、ふみとどまろうと思う。