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このたびは 幣も取りあへず 手向け山 紅葉の錦 神のまにまに
高校時代、万葉集にあるこの歌を覚えた頃は
今で言う駄洒落と、詩歌にある「掛詞」の境界をせせら笑ったものだった
『天神さん言うても、ただの駄洒落ばかり並べてこんなん作るねんなぁ~』
「このたびは」では、「今度」と「この旅」を掛け
「手向け山」では神に捧げ物を「手向ける」意味と
紅葉が綺麗だった「手向け山」が掛けられている
『おまけに、手土産持って来てない無いから
紅葉でも受け取って頂戴、なんてよう言うわなぁ~』
高校時代の二年後輩が、奈良女子大に入学した翌年
冷え込みの厳しい早春の奈良を訪れ
大仏殿を見下ろす、二月堂を訪れた折
近くにあった「手向山八幡神社」でこの菅家の歌を話したことも、随分遠い
そんな遠いとおい時間が、一瞬だけど蘇るのは
人恋しくなる秋の入り日色に似ているからだろうか
2005-11-29
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