HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

カイヅカイブキ(貝塚伊吹)

2020-11-30 | 秋 樹木 果実・葉

属名のビャクシンは、漢字で「柏槙」と書かれている。
葉がヒノキのような鱗状になるものと、スギのように針(刺)状になるものがあるのは
育つ場所や樹齢などの要素が入り混じって複雑に異なる。
古寺の境内などに多く見られるから高木に育つ。
成長の落ち着いた樹の葉は鱗状だが、樹齢を重ねた老木の下枝や徒長枝は針状になる事が多い。

ネズミサシとは、ネズ(杜松  Juniperus rigida)のこと。
固い針のような葉を、昔は鼠よけに使った事に由来。
カイヅカイブキの先祖返りした針のような葉は、まさに「鼠刺し」である。
ここでは刈り込みされた場所に僅かに刺状の葉が見える。
























カイヅカイブキ(貝塚伊吹) ヒノキ科ネズミサシ(ビャクシン)属 Juniperus chinensis 'Kaizuka'
(2020.11.26 新明町)

針状の硬い葉は針葉(はりば)または針形葉(しんけいよう)
通常の葉を紐葉(ひもば)または鱗形葉(りんけいよう)
実生では若い葉は全て針形葉だが、生長するに従って鱗形葉になる。
挿し木増殖のカイズカイブキは生長した鱗形葉を普通に植栽するのだが
樹の性質を無視して形を整えようと枝を強く剪定すると
徒長枝として育つ葉は全て『先祖返り』して幼苗の頃の針形葉になる。
生長した樹に針形葉が出た場合は、鱗茎葉にはならないから注意しないといけない。
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今年の春 カイヅカイブキ(貝塚伊吹) アメリカハイネズ 



4 コメント

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針形葉と鱗形葉。 (こいも)
2020-12-08 16:31:50
林の子さん
このトゲトゲの葉は「針形葉」
通常の葉を「鱗形葉」と言うのですね。
「はりば」と言ったり「ひもば」と言ったりするのですね。
形を整えようと枝を強く剪定するとトゲトゲに・・・徒長枝として育つ葉は全て先祖返りして幼苗の頃の針形葉(はりば)になってしまうのですね。
ちょっとわかったように思います。
面白いですね~でもこの「はりば」には触ることを忘れていました。
次は触ってみたいと思います。ありがとうございました。
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校庭の目隠し。 (林の子)
2020-12-08 20:28:45
私の卒業した小学校では、カイズカイブキを道路との境に目隠しとしてずらりと植えられていました。
それでもどんどん伸びてゆくので何度も剪定されて
その都度、針形葉が伸び出しても何度も痛い目に遭いました。
ハリエンジュ(ニセアカシア)も植えられていたのですが、こちらは名前通り冬芽には痛い刺が出ます。
もう何十年も昔に、何れもが伐採されて無くなりました。
痛い思いをしないといけないのだとは思うのですが
今ではそんな危険な?樹は植えなくなってしまったようです。
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Unknown (かめあはらや)
2024-03-29 14:49:50
カイヅカイブキが全部とげになったら杉と同じになってしまいますね。
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古木 (林の子)
2024-03-29 18:49:08
植えられてから年月が経ったものは、どうしても樹形を整えるために刈り込まれるようですが
刈り込みすぎて「先祖返り」してしまうと元には戻れないので大変でしょうね。
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