HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

コノテガシワ(側柏 児手柏)

2022-10-09 | 秋 樹木 果実・葉

幾つかの園芸種があるコノテガシワ。
ヒノキそのものにも幾つもの種類があるそうだから
姿かたちだけでこれは何々…と言いきる為の前提知識は心許ない限りだ。
ヒノキとサワラの区別が何とか付けられる、そう思い込んでいるのだけれど
それぞれに幾つもの園芸種が登場してくるとそれさえも心許ない。
大樹に育ったものだと区別出来ても、狭い場所に植栽する為に切り詰められた?ものは
似たような剪定が繰り返されて大元の樹名もわからなくなるる






















(2022.04.11 大道町)


















コノテガシワ(側柏 児手柏)
ヒノキ科コノテガシワ(←クロベ)属
Platycladus orientalis (=Biota orientalis  =Thuja orientails)
自然に育つと10m近くに育つから、Compacta、Elegantissima、Rosedalis 等、高木にならない園芸種が多く出ている。
コノテガシワの剪定は年に1度、3月頃(新葉が展開する前)が好適、枝先に葉が無いと枯れてしまう。
(2022.10.08 西新町)

  
▲ コノテガシワの雌花 完熟の果実 種子は4個 ▲
 
コノテガシワ「千手(センジュ)」に見る謎の樹液?が疑問の一つだった。
雌花に出ているのは何だったのだろう。
「めしべに水滴」、蜜が出ている?、おしべの花粉を確実に貰う為のもの?
これはおしべの花粉を受けて受精するときの胚珠への進入口で珠孔(しゅこう)と名付けられている。
そこから花粉を確実に受けるための受粉滴(珠孔液)が出ている。

【もう一つの疑問】
謎の樹液?が解決した頃に、もう一つ長年悩まされていた?疑問も解決したくなった。
「ヒノキ(常緑樹・針葉)の仲間なのに、どうしてカシワ(落葉樹・広葉)の名前がついたか」
中国ではヒノキ科のことを「柏科」と表記していることを教わったことがありコノテガシワ(児の手柏)も
正しい使い方をしているのだと聞かされたことを思い出している。
日本で「柏」を今はカシワと呼んでいるのだけれど、本来は「かへ」、ヒノキなどの針葉樹を正しく指していた。
カシワは炊し葉、漢字で書く柏のほかに朴(ホオノキ)や菝葜(サルトリイバラ)の葉も同じように「炊し葉(かしは)」だったから
今でも地域によっては「柏餅」は、朴や菝葜の葉で包んでいる…と言う解説で疑問は解けた。
そう言うことなのだ。
中国伝来のものが渡来した日本で幾つもの誤謬?の果てに本来の意味とは違って使われている…のだ。
もう一つの蛇足、サルトリイバラ(在来種)をサンキライ(山帰来 中国からの渡来)と呼ぶ人も時々いる。
サンキライの蔓にはトゲがないが、サルトリイバラにはトゲがあるので違いを見たうえで話さないといけない。

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冬のコノテガシワ コノテガシワ「千手」 



2 コメント

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コノテガシワ。 (こいも)
2023-01-24 01:17:07
林の子さん
コノテガシワ・・・色々見させていただきました。
とても美しいし、果実も面白いし、何だか楽しくなります。
雌花も、完熟の果実も、種子も、よ~くわかりました。
雌花の謎の液体こと。
そして、もう一つの疑問・・・。
(○'。'○)ん?柏餅の秘密・・・。
色々なことをありがとうございます。
とっても楽しくなりました。
たくさん教えていただきましたので、
きっと、またコノテガシワの所で眺めている自分を想像しています。
話のついで。 (林の子)
2023-01-24 16:24:58
花の名前だけを覚えるのはたやすいのかも知れないのですが
仲間内で話すときには、幾つかのエピソードの方が面白いので
話のついでに覚えるようにしています。
そうすると、花の名前だけを覚えようとする時よりも案外頭に残るものだ…と思ったことでした。
「コノテガシワ」にどうしてカシワの名前がついているのか…を紐解くと
幾つもの関連した話が出て来るので
なじみ深い名前になる気がしています。

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