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グーグル携帯、1日6万台出荷 スマートフォン分野で高まるグーグルの存在感

2010-02-20 | 市場動向/世界



 米検索大手グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)は16日、同社が開発したOS「アンドロイド」を搭載した端末が1日当たり6万台のペースで出荷されていることを明らかにした。

 今後、世界の端末メーカーがアンドロイドOS搭載スマートフォンの発売を予定しており、スマートフォンの分野でもグーグルは存在感を急速に高めることになりそうだ。


●出荷台数倍増

 シュミット氏は、スペインのバルセロナで開催されている世界最大規模の携帯電話の見本市「モバイルワールドコングレス(MWC)」の基調講演で、出荷台数について説明。

 現在、世界48カ国で26種類の携帯電話にアンドロイドが搭載されているとし、出荷台数は数カ月前と比べて倍増していると強調した。

 その上で「明らかに成長は加速しており、この勢いが長く続くことを願っている」と今後のシェア拡大に期待を込めた。

 アンドロイドOS搭載端末は、08年10月に登場。OSに加え、OS上で動く「ミドルウエア」と呼ばれるソフトが無償で公開され、端末メーカーが開発コストを抑えられるメリットがある。

 また、グーグルが提供するコンテンツの配信サービス「アンドロイドマーケット」を活用できる。

 このため、世界の端末メーカーがアンドロイド携帯の製品化を積極化。MWCでもソニー・エリクソンや韓国LG電子などが新型端末を発表し、「とても魅力的なOS」(LGの担当者)との期待が高まる。

 KDDIも17日、アンドロイドを搭載したスマートフォンを6月以降に発売することを発表した。


●モバイル・ファースト

 シュミット氏は「強調したいのは『モバイル・ファースト』(携帯端末を最優先する)ということだ」と指摘。

 ネットワークを通じてソフトウエアを利用する「クラウドコンピューティング」の技術を活用し、カメラ付きの携帯でレストランのメニューなどを撮影するだけで画像内の外国語を翻訳する機能を披露。

 「クラウドとの融合で魔法のようなことが可能になる」と述べ、クラウドを軸としたサービスを武器にスマートフォン事業を強化する考えを示した。

 だが、グーグルをめぐっては通信会社の反発も強まっている。

 1月に発売した自社ブランドのスマートフォン「Nexus One(ネクサスワン)」では通信会社を通さない直販方式を採用。2月上旬には超高速インターネット接続サービスを米国で展開する計画を発表した。

 講演後の質疑では「グーグルは通信会社の事業を阻害している」との声も上がった。

 このほかにも新聞・出版、広告業界などグーグルに事業を侵食される企業は増えており、グーグルは今後も躍進とともに多くの波紋を巻き起こしそう。





【記事引用】 「フジサンケイビジネスアイ/2010年2月18日(木)/2面


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