電子情報技術産業協会(JEITA)が10日発表した6月の国内携帯電話出荷台数(含むPHS)は、前年同月比5.4%減の375万1000台だった。3カ月ぶりのマイナス。
6月は、夏商戦向けの新機種投入で販売台数が最も伸びるが、今年は景気悪化に伴う買い控えが続いている模様。
●本格回復至らず
携帯電話のみの出荷台数は、5.2%減の366万9000台だった。携帯電話の単月実績では2カ月連続で300万台を上回る水準を維持したものの、世界同時不況前の2008年6月の実績を約3割下回る。
JEITAは「携帯電話市場は若干の回復傾向がみられるものの、足元の景気動向は不安定な状況が続いており、本格的な市場回復には至っていない」と分析している。
現在、国内携帯電話市場はスマートフォンの販売が伸びている。JEITAの統計は、米アップルのiPhoneなど海外メーカー製の出荷台数が含まれていない。
そのため、「スマートフォンで出遅れた日本メーカーが、市場回復の恩恵を受けられていない実態を表している」との見方も出ている。
一方、PHSのみの国内出荷台数は、14.5%減の8万2000台と3カ月ぶりのマイナスだった。
なお、電気通信事業者協会(TCA)によると、6月の携帯電話・PHSの契約数は、当月純増数が46万6300台、累計が1億1759万9200台。
そのうち携帯電話は当月純増数が52万6900台、累計が1億1371万6400台だった。携帯電話・PHSの人口普及率は92.0%となっている。
【記事引用】 「フジサンケイビジネスアイ/2010年8月11日(水)」
「電波新聞/2010年8月12日(木)/2面」