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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

ベランダの防水施工その4

2015年12月08日 00時00分01秒 | マニュアル

 古くから屋外の作業をいう言葉に、「○○殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も降ればよい」。このところの小春日よりは晴天に恵まれ、防水施工の3回目の中塗りが終わった。確かにアスファルト防水塗料は骨材が入っているため、細骨用のローラーを使った方が抵抗が少ないかも知れない。ローラーの運行は、W字にローラーを動かすが、塗料を配り、ならして仕上げるの3工程が一般的である。ローラーに含む塗料は、粘度が左右する。

 

 塗料(粘性流体)の性質にチクソトロピー(thixotropy)がある。ゲルのような塑性固体とゾルのような非ニュートン液体の中間的な物質が示す特性で、粘度が時間経過とともに変化する。具体的には剪断応力を受け続けると粘度が次第に低下し、液状になる。静止すると粘度が次第に上昇し、固体状になる。地震による液状化を例に出す場合があるが、これはチクソトロピックではなく、単に砂と液体が分離するという説明がなされている。

 

 塗料の多くはこの性質を適度に持っているため、力を入れてローラーを動かさなくてもスムーズに塗り広げることが出来る。これとは異なる性質にダイラタンシー(dilatancy)があり、片栗粉を水で溶いたときに、箸でかき回すと抵抗が大きくなりうまく溶かすことが出来ない。力を加えると粒子が凝集し隙間が無くなり固体化する性質である。

 

 作業をしながら粘性流動について思い出してみたが、この世界も複雑で結構難しい世界であったことを思い出した。ご興味のある方はレオロジー、粘性流体、チクソトロピー等で検索してみると良い。

 

 中塗り塗料の塗り重ねによって乾燥時間はほぼ倍増する。アスファルトの膜が出来るため、水分は下方部へは浸透しなくなり、表面層は空気に触れて水分が蒸発し、塗膜が固化するするため、内部に残留する水分の逃げ場が無くなるからかも知れない。3回塗りをしたが、一昼夜は乾燥時間を取った方がよさそうだ。

 

 上塗りは、ブロック塀に利用した弾性アクリル樹脂エマルションの残りがあるのでこの塗料を2回上塗りに使う予定である。希釈剤は水であるが、乾燥するとアクリルの被膜が出来るため、耐水性がある。防水といっても各種あり、その選択は用途や室内外、ベランダや屋上屋根等によって使い分けるのが一般的である。今回は簡易型といって良いであろう。