あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

夢は第2の人世である 第138回

2024-08-17 08:37:07 | Weblog

 

西暦2024年卯月蝶人酔生夢死夢百夜

 

ランバダを踊りながら、彼女は、「こんなの単なるビジネスよ」というたので、おらっちもあらえっさっさあーと福知山音頭を唄い踊りながら、「そうだよ、これも単なるビジネスさ」と答えたのよ。4/1

 

今日の午後、大学の授業に出るために田舎から出てきたのだが、終わって帰宅しようと思ったら、もう深夜になっていて、東京駅から出る電車もバスも、終わってしまっている。はてさて、どうしたものか。4/2

 

リーズ音楽祭の最終日の夜に、ディスカウとブレンデルの顔合わせで、おらっちの「バックミンスター・フラー博士と鈴木エドワード」が演奏されたのだが、会心の出来栄えで、満場拍手喝采だった。4/3

 

社主が亡くなり、その形見分けが行われたが、その机や椅子、照明器具やソファー、文房具、身の回り品、小道具の一つひとつが、まことに適切な贈り物になっていて、彼がいかにきめこまかく部下の仕事場を観察していたかが伺われ、みな舌を巻いたのよ。4/4

 

2025年の新企画として、早くも物凄いのが出来ているので、我々オマンタ倶楽部は、5人組のチンドン屋になってオマンタ音頭を唄い、踊りながら5街道の目抜き通りを練り歩き、世界の民草に世界平和を訴え続けていますが、どうです、貴方も参加しませんか?4/5

 

誰かが教えたものかどうかは、分からないが、学生が1階と2階を自由に移動できる秘密の裏階段があって、「これは便利だ」と、盛んに利用されているようだった。4/6

 

女性歌手が「いつか」を唄っていると、男性歌手が「かなた」を唄って、夢のハーモニーが実現したのよ。4/7

 

第3次世界大戦がやっと終了したあとの世の中は、もはや回復不可能なほど傷つき、疲弊していたが、それまでの2度の大戦では実現しなかった、武装放棄を義務付けた平和憲法がどの国でも施行されたことが、唯一の、しかし貴重な収穫だった。4/8

 

第一次世界大戦の塹壕戦で、機関銃の代わりにオリベッティのタイプライターを敵陣めがけて、ダダダと撃ちかけたのだが、左隅に「ささきまこと」の「さ」を打とうとしたが、打てないので、仕方なく「し」を打とうとしたのだが打てないので、仕方なく「き」を打とうとしたのだが、打てないので、仕方なく 4/9

 

この節は監視カメラに音声AIがついているので、おらっちが町中を歩きながら、「ジャジャジャジャーン」と呟くと、周りの監視カメラも、連れションみたく「ジャジャジャジャーン!」と大音響で吠えまくるので、煩くて仕方がないずら。4/10

 

その子の本名は、「単5予為Ⅿs呂有ベオウルフ」という変わった名前だったので、同時通訳者は、完全にお手上げだったのよ。4/11

 

その夏のキャンプでは、それこそ1ミリも泳げなかった子供たちが、全員ノシやカッパ泳ぎが出来るようになったのが、一大収穫だったが、それにも増して最後の夜のキャンプファイヤーで、おねいさんが敢行した信仰告白が感動的だった。4/12

 

ポスト・コロナの最新型の感染症が流行し始めたが、私はいち早くそのワクチンの開発に成功したので、早速自分で飲んで試してみたのだが、その物凄い副反応で、あやうく死ぬところだった。4/13

 

世界マージャン選手権の王者決定戦が始まったのだが、おらっちは、立て続けに白牌を3枚もつもってきたので、チョー驚く。そういえばこの試合は、自動配牌ではなく、人力配牌方式だったのに、誰も真面目に混ぜなかったからかも知れない。4/14

 

今日もまた、灰色の大きなイボガエルを捕まえた。「止めろよ、早く離してくれよ」とブツブツ文句をいうておるのが、不気味だ。そういえば、先週も、同じ灰色のイボガエルを捕まえて、引き出しの中に入れておいたが、あれはどうなっているだろう。4/15

 

大阪支店へ行ったら、全員が自分勝手に仕事しているので、驚いた。出先から帰社した課長は、非常に大事にしているカメラが壊れているので、「誰が壊したんだ?名乗り出ろ!」と大声で喚いている。三十六計逃げるにしかずと、トンずらしたのよ。4/16

 

急になにもかもが嫌になってきたとみえて、料理長は、デザートの土佐文旦の皮を剥かないで、ナイフで細かく切り刻みはじめた。4/17

 

ロックポートの在庫見切り品を、9割オフで売っていたので、「三足まとめて買う」というたら、「本社までご足労願いたい」というので、川崎本社まで行ったら、社長がアジ演説していたので、帰ろうとしたら、「隣に平凡出版という本屋があるから、そこで新入社員の激励応演説をしてくれ」という。4/18

 

仕方なくマイクを握って、かの偉大なる百科事典を褒めたたえていたら、「それはわが社とは何の関係もない平凡社の出版物だ」と苦情が出たので、「片桐社長、ライバルの平凡社に負けない、世界一の百科事典を世に贈ってくらさい」と、とってつけて逃げ出したのよ。4/18

 

神田鎌倉河岸の汀のR社の受付に、ゼンちゃんがやって来たので、5階から降りて「久しぶりだから、2人して千代田ホテルで昼飯でも食おうか」と、桜満開の表通りに出た。4/19

 

ワシは労働組合の書紀をしているんだが、給料の1割カットの計算が出来ないので、困ってる。4/20

 

随分長くアマチュアオケの指導をしているんだが、格段の進歩を遂げている。昔の演奏をビデオで見ると、金管楽器などは、メチャクチャに音を外して、音符についていくだけで精一杯なんだね。4/21

 

家の近所に、いつでも清冽な清水がふつふつと湧いている小さな泉があるので、私は詩を書こうと思うときには、いつもその泉に行って、両手で清水を掬うと、直ちに1篇の詩が誕生するのだった。4/22

 

ピーターは、なんで自分がこんな田舎の支局に飛ばされたのか、さっぱり分からず、元の上司に何度も電話してそのわけを聞こうとしていたが果たせず、何年間も腐っていたが、ある日おらっちが上司の上司からそのわけを尋ねると「実は別の奴を飛ばせと指示したのに、人事が間違ってピーターを飛ばしたんだ」というのだった。4/23

 

巴里の下町を友人たちとぶらついていたら、突然ナベショーが出てきて、偉そうにもっともらしい長広舌を振い始めたので、嫌になったおらっちは、横丁を抜けて大通りで1フランタクを拾い、ホテルまで戻ったのよ。4/24

 

所謂「蘇る近江会長事件」にずるずる巻き込まれた彼は、華やかなキャリアを忽ち失い、歴史の薄暗い暗闇の底に沈んだきり、二度と浮かび上がってはこなかった。4/25

 

馬車曳や郵便夫多数を人質に取ったおらっちは、空撃ち返す刀で大勢の人々をこの手にかけたが、まっこと愉快じゃった。4/26

 

会期が迫ったパリコレに出す服のデザインを必死で考えているおらっち。そのコンセプトのひとつは「踊る服」で、もう一つは「考える服」だったが、そもそもおらっちは、物を考えたことなど皆無なので、後の作品はてんで出来ないのだった。4/27

 

こないだ神田鎌倉河岸の会社で、はじめてPCを使って作画してみたら、セイさんやイマナカさんやムラクモタロウまでも、よってたかって「なかなかいじゃんか」というてくれたので、鼻高々になったのよ。4/28

 

いつも上等の青い背広姿のナガタさんは、いったいどーゆうキャリアのⅯDなのか知らなったので、おらっちは、一度尋ねてみたいと思ったのだった。4/29

 

朝、咽喉がムズムズするので、ケタクソ悪いなあと思っていたら、突然見慣れない小人が飛び上がって、まるで誕生したばかりのお釈迦様のように、両手を高く掲げてテーブルの上に着地したので、えらく驚いたよ。4/30

 

どーゆう風の吹き回しか、カワバタ副社長は、オレのことを偏愛するようになり、いきなり頭を抱えこんでは、ぽかぽか殴りだすので、大島椿でべったり状態になるのだった。4/30

 

「こんなにも物価の安い国はない」外人だけが喜ぶ日本 蝶人

 


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