照る日曇る日 第2086回
歳を取ってだんだん先が短くなってくると、あまり難しい本は遠ざけて、幼児用の絵本や童話を読みたくなってくる。
「エルマーのぼうけん」は有名な3部作のはじまりの1冊であるが、冒険少年ならではの次々に押し寄せる大冒険を、こんどはどう乗り切るのだろうとハラハラさせながら、ひとつひとつクリアーしていく物語のつくりの手作業に感動させられてしまう。
ついこないだ亡くなってしまった原作者の周到なプロットは、あくまでアマチュア創作家の手仕事で、いくらAIが学習しようとしてもアマチュアすぎて無理だろう。
しかしエルマーのお母さんて、嫌な女だ。実際にガネットの母親ってそんな人だったんだろうね。
餞暑尽詩集の残は九部なり 蝶人