あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

「夢は第2の人世である」あるいは「夢は五臓六腑の疲れである」第120回

2022-12-07 13:07:07 | Weblog

 

 

西暦2022年葉月蝶人酔生夢死幾百夜

 

私はいつのまにか有名アーチストになってしまったので、マイクを突き付けられて逆上してこんな風に喋ったみたい。「死らなハこう。八郎は尤もため戦争をまなつに也な力ささて死にかいな」 8/1

 

さて君は、ここで選ばねばならぬ。3万円払ってビダル・サスーンのヘアカットへ行くか、それとも2700円のコバヤシ散髪屋へ行くか。を。8/2

 

私は旅に出る度に、何かを失くす。今度の旅は日帰り旅行だったのに、なにかとても大事な物を、どこかへ忘れてしまったのだが、それが何であったかすら、忘れている始末だ。8/3

 

モザールのおらっちは、「フィガロの結婚」を上演中に、ヨーゼフ2世が居眠りを始めたので、しばらくタクトを止めて、聴衆と共に待機し、彼が目覚めてから、おもむろに演奏を再開したのよ。8/4

 

モザールのおらっちは今日も「フィガロの結婚」を上演していたが、またしてもヨーゼフ2世が居眠りを始めたので、いきなりハイドンの驚愕を演奏したら、びっくらっこいて目を覚ましたずら。8/5

 

マージャンなんかやったこともないのに、配牌をひらいてみたら、「テンホーで役満!」と言われたずら。8/6

 

「もしこの美味なる物に喰い残しあらばおらっち自身を喰い尽くすべし」てふ1首を巡って、全歌壇関係者による喧々囂々の大議論が始まったずら。8/6

 

ひょっとしたら、と思いついて、神田鎌倉河岸にある5階建てのビルを尋ねたら、相変わらずハセガワ氏は「ヌルヌルの蛇があ!」と叫び、ヒロセさんは「それじゃあ良いお年を」と挨拶し、ハシモト&イマナカ両氏は「ナチュラルグロオー」とハモッテいた。8/7

 

うちらのよおなシュガイシャ向けのウエアは、探せばいろいろあるようだが、おらっちは何をするのも億劫なので、ただただ芋虫のように寝転がっていたのよ。8/7

 

おらっちは、なぜか世界的に有名なアーチストに成り上がっていたので、仕事などは全然しないで、毎日遊んで暮らすことができました。8/8

 

商品企画室のマーチャンダイザーでありながら、結局マテリアルにしかかかわらないので、ドタマに来たおらっちは、イデっちのネクタイを、ググウつと締めあげてやったんだ。8/9

 

何百年もに亘って継続蓄積されてきた欧州映画の歴史的作品のフィルムが、この度の戦役で灰燼に帰すことが分かったので、おらっちは、さる貴族の別荘に長期にわたって逗留し、来る日も来る日もモノクロフイルムの銘品を鑑賞し続けた。8/10

 

私は久し振りに無限電池を取り出して、いろんな電子機器に取り付けた。これで私が死んでも、彼らは、永遠の生命を獲得した生物のように、作動することだろう。8/11

 

ともかくみる夢みる夢2日後に死ぬとか、3日後に死ぬとかの、予告限定付きの夢なので、おらっちは、「これっておそらく死目前の妹の影響なのだろう」と思いながら、夢を見続けていた。8/12

 

映画「心の旅」でハリソン・フォードがスーツを焼き捨てたと思い込んで、その旨映画感想文を書いたら、編集者が「そんなシーンはありませんでした」というてきたので、撤回したが、たしかにそんな光景を見たはずだ。もしかすると別の俳優が出る別の映画だったか?8/13

 

このせつは、各局のコメンテーターがコメントする代わりに、思い思いの祝詞をあげるので、問題になっている。例えばこれは、スシローとかいう男のばやいだが、「スーシー、スーシー、アベスガキシダ、スシスシ、クイネー」としか言わないんである。8/14

 

テロリストのリンゴ・スターが粛清される、というので、マスコミは色めき立ったが、それは完全なフェイクニュースで、小物のコソ泥2、3人が粛清されたのみ。8/15

 

与謝蕪村であるおらっちは、若い頃、百日間ヌミュアヒクソンちに居続けたことを、懐かしく思い出しながら、夏の朝の光の下で、息絶えていた。8/16

 

先住民たちが病気になったり、死が近づくと、Odds Peopleという地区で暮らすことになっていたが、8月9日からコロナに罹り、陽性になっていたおらっちも、そこで暮していたのよ。8/17

 

ネコ嫌いのおらっちが貸してやったスペースに、大量のネコどもが、勝手に勢ぞろいして、気勢を上げている。みんなクロネコだ。8/18

 

オネチャンは、「俺に殺されるか、それとも俺の手下になっていうことを聞くか、どっちを選ぶ?」と、ナイフを突きつけながら迫ったので、おらっちは、すぐさま後者を選んだのよ。8/19

 

超右翼のファシストチャンネルが、パソコンの起点に繰り返し出て来るので、そいつを、なんとか消去しようとするのだが、消しても消しても、また現れるのだ。8/20

 

モザールだけでは、ちと物足らないので、たまにはハイドンを振ってみるのだが、やはりなんとなくものたらないのは、なんでだろう?8/21

 

おらっちは、今まではすべての商品特徴について、テッテ的にあまさずPRしようとしていたのだが、このたびコロナ患者になってからは、万事についてたいがいにするようになった。変わった。すっかり変わった。8/22

 

一瞬の吸い取り團に、雇われ心中するところまでいったのは、おらっちが自分がコロナ患者であることを忘れていたからだった。ゴホゴホとせき込むおらっちの哀れな姿をみた父母は、天上から舞い降りてきて、心配そうにおらっちの顔を覗きこむのだった。8/23

 

ちょうどその頃、私のSNSは誰かに乗っ取られてしまったので、私は途方に暮れてしまい、どうしたらよいのか分からなかった。8/24

 

高名なる大作家が、新人のひどい作品を手放しで激賞しているので、おらっちはいたく失望してしまった。8/25

 

インドネシアからウミウシに跨ってやってきたヨモタ長者を讃えて、年が年中苦労しながら地底でハコ作りをしているハコ野郎たちは、声を揃えてウミウシ音頭を大合唱したのだった。8/26

 

短い休憩時間を利用して、死刑囚たちは、たった一人の女性の囚人のところへ、押し寄せてくるのだった。8/27

 

いい夢と、悪い夢とを、それぞれに溜めておく、2つの壺があることに、はじめて気がついたのは、今日が74歳でみまかった妹の、葬儀の日であるからかもしれない。8/22

 

地上からは、1本の水道管しか見えないが、あの下には、大量の天然ガスに包まれた、希少金属の塊が、眠っていることを、私だけが、知っていた。8/23

 

そもそも、その時点では、協会は連日大売り出しを開催していたのだから、それを知らないで、勝手に集客を図っていた彼奴等が、莫迦なのだ。8/24

 

ゴミ出しの比重が、いつのまにやら、AからBに逆転していることに、市民はとっくの昔に気づいているのに、、市長と当局は、いつまでたっても知らんぷりだ。8/24

 

戦争していると、勝っている間も、負けている間も、どんどん死傷者が増えていくのだが、どうしようもない。戦争に勝つためには、デジタルラボの操作に慣れておかないと駄目だな、と誰かに言われるまでもなく、自分で思うのだが、ではどうしたらいいのか、てんで分からないずら。8/25

 

どこで飯を喰うても旨くないので、目の前にあったなんたら食堂の520円のなんたらランチを食べたら、意外にも旨かったのだが、これって、コロナ感染の副産物で、味覚変動が起こったせいなのだろうか?8/26

 

英雄たちがギリシアの神殿に出入りしている間、その犬は外出を禁じられ、みずからが見聞したことだけを記録するように、ゼウスから命じられていたが、この記録犬の記録が、ギリシア神話の伝承の基本となったのだ。8/27

 

高校野球で仙台育英が優勝し、これからはやっぱ東北だ、というので、おらっち、アキヤマミチオとかオノ・ヨーコとかと一緒に、オープンカーに乗って、キャンペーンしているようだ。8/28

 

「もう一枚お願いします」と言われたので、振り向いて撮られたが、コロナで息をするのも苦しくて、自画像の製作協力どころの騒ぎではなかった。8/29

 

死んだおらっちの全身を、青いシートで覆うようだったが、4枚では足らないので、「おいおい、5枚目が入り用だぜ」と呟いてみた。8/30

 

独逸兵の飢餓戦争の陣営に残っている野菜や果物を捜したが、なにひとつ残ってはいなかった。8/29

 

ミッキーマウスとピンクドラゴンの商標を持っていたのに、イデっちが自分の娘の色香を使い倒して、おらっちを籠絡したもんだから、結局全部を失う羽目になったのよ。8/30

 

脱いだ半袖のシャツなんかを、畳の上に無造作に重ねていたら、どれがどれだか、時系列も汗経歴も、てんで分からなくなってしまったずら。8/31

 

 根性で蹴ればゴールに入るとでも 冷静にやれば負けなかった 蝶人

 

 

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