行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

2週間の隔離を終え、9か月ぶりに大学へ②

2020-10-22 10:12:23 | 昔のコラム(2015年10月~15年5月
新入生歓迎の諸行事に追われ、少し間が空いてしまったが、隔離生活前後の経緯を振り返ってみたい。

中国ではコロナの影響を受け、3月28日、外国人の入国を停止し、すでにあるビザも失効した。当時はすべての授業がオンラインだったので、入国制限に不都合はなかった。どこの国でも事情は同じである。

だが中国では5月末から、主として外資企業を中心に、地元政府の招請状があれば入国を認める政策を取り始め、7月10日には、日本航空が日系企業の駐在員ら160人を乗せてコロナ後初の旅客チャーター便を運航した。中国の経済をけん引する広東省が、正常化にかける意気込みを示す強いメッセージとなったが、大学関係は特段の措置がなかった。

いずれビザ停止も解除されるとたかをくくっていたが、春学期が終了し、夏休みに入っても新たな動きはなかった。9月14日が秋学期のスタートで、その時期に戻れる可能性はほぼなくなり、外事部門からは新学期もオンライン授業を準備するようにと指示を受けていた。



ところが、日本の中国大使館が8月22日、公式ホームページ(中国語)で、「日中双方の人的往来をさらに促進するため、すでに居留許可証を所有し、訪問の目的が居留許可の理由と合致している日本人は、9月1日以降、新たなビザ申請ができる」との通知を公表した。

大学の外事部門に当たる国際交流協力課の担当者が、すぐにその通知を見つけ、私に、学部と連絡を取りすみやかに大学に戻る手続きをするよう連絡をしてきた。当時持っていた居留許可証の期限が9月26日に迫っており、慌てて申請手続きを取った。

飛行機の便数も到着場所も限定されているので、航空チケットの確保も難題だった。上海便、広州便は10月まで満席だったが、幸い、大学に近い福建省福州着の便が見つかった。9月23日成田発で、ビザ取得に要する時間を考えればちょうどいい。9月1日予約した時点で、料金は1万元近くだったが、数日後には1万5000元に跳ね上がっていた。何事も先手を打つことが肝要であるると痛感した。



9月16日、有明のビザ申請センターで新たな就労ビザ(Z)を受け取った。旧ビザの有効期限内(あと10日!)ということで、本来かかる手続き費用8500円は免除された。




先立つ9月9日、中国大使館は航空便搭乗に関する新たな規定を発表し、9月25日以降、中国便の乗客は3日以内のPCR検査陰性証明の提出が義務付けられた。私の予約した便は9月23日で、新規定の適用外だったが、不測の事態も予想されるので、念のため中国大使館指定の病院で検査を受けた。結果は陰性でホッとしたが、何しろ料金が4万5000円と高額なのには驚いた。後で知ることになるが、中国では100元(1600円)前後が一般的だ。

大学に戻る経費はすべて自費なので、負担は軽くないが、相手の見えないオンライン授業はもううんざりだったし、教室で学生と向き合う楽しみ、重みを考えれば、十分割に合う出費なのだ。

(続)

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