春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

国民生活センターに寄せられる補聴器に関する苦情(その1)

2013-04-27 11:40:46 | 補聴器業界

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ。

 

 

さあ、GWが始まりましたね!

初日の今日は、福岡は快晴、絶好の行楽日和です!

かすが補聴器専門店は、前半はカレンダー通りのスケジュール。

後半の5日、6日は、営業いたします。

 

 

さて、今日は、昨年の10月にレポートされた、「国民生活センターに寄せられた補聴器に関する苦情・相談」分析を取り上げます。

 

 

周知のとおり、高齢者が増加すると補聴器適用者も増加します。

ここ10年、国民生活センターに寄せられる補聴器に関する苦情・相談件数は、約5倍に増加しています。

 

 

これは、あくまでも国民生活センターに寄せられた件数ですので、実際のトラブル件数はこの10倍、20倍はあるかもしれません。

 

 

相談の内容については、「補聴器の価格」や「業者の信用性」に関するものが多いようです。

補聴器の購入者は、ほとんどが高齢者になります。

「不当に高額な補聴器を購入させられた。」様な事例が増えると、健康食品や羽毛布団のマルチ商法のような商材と同様にみられてしまいます。

 

 

中には、購入者と販売者の信頼関係ができていなかったために、苦情に発展するケースもあります。

実は、私もメーカー営業時代、販売店さんとお客様とのトラブルで、そのお客様が消費者センターに相談されるまでに至りました。

私は、その地区のメーカー営業責任者として、販売店さんとお客様の間に立ち、相談センターの担当の方と相談しながら、調整役を行いました。

 

 

内容は、オーダーメード補聴器の形状の不具合からくるハウリングが長年お客様を悩ませ、精神的な苦痛を与えられたということです。

お客様の要望としては、6年前に購入した補聴器が、一度も満足のいくものではないので返品したいという希望です。

 

 

販売店さんは、何度か耳型の再採取を行い、数回のシェル再作(型直し)を行い、ハウリングが発生しないよう調整の努力も行われていました。

一方のお客様は、耳がシワ耳(年を取って肉にハリがなくなってたるみがでてくる状態)で非常に難しい状況でした。

私も立ち会いを行って、製作工場のスタッフ同席のもと最終的な型直しを行う段取りまで行っていました。

※普通、ここまでの処置を行うと、メーカーも販売店も販売上の利益はなくなってしまいますが、利益を度外視した対応です。

 

 

結果的には、お客様自身がこの最終的な対応をキャンセルされて相談センターに苦情報告されてしまいました。

最終的には、購入時の半額の金額で返品を受けることで、お客様はご納得されました。

 

 

この件に関しては、販売店側に(処置上の)不手際はなく、お客様の誤解によるものが大きかったと思われます。

しかし、(説明上の)不手際がなかったか?というと実際のところわかりません。

 

 

私が立ち会った時点では、すでに販売店とお客様との間に信頼関係はなかったように思います。

 

 

相談センターの担当の方も、補聴器に関する苦情は年々増えてきており、すべてが販売者側に問題があるケースばかりではないと言われてました。

 

 

そもそも、補聴器は購入してすぐに、大きな効果が出せないことと、購入者自身が即効性の効果を期待していることに問題があるのかもしれません。

また、「クーリングオフ」という消費者を守る制度(言葉)が独り歩きし、商品に納得いかなければ返品(キャンセル)がいかなる場合も可能であると思いこまれていることもあるかもしれません。

 

 

「クーリングオフ」は、訪問販売やキャッチセールスに適用される制度で、消費者自身が自ら販売店に出向いて購入した場合、適用されるものではありません。

ただし、補聴器の販売店側に、『いい加減な』販売がないかというと、これも否めないと思われます。

 

 

消費者、特に補聴器適用者は、10年、20年前に比べて成長してきており、安易な補聴器販売はできなくなってきています。

補聴器販売店は、補聴器を販売する『技術』、『設備』をきちんと整え、消費者に対して、補聴器の『効果』やきこえの『説明』をきちんと行わなければなりません。

 

 

私の同僚が、「補聴器はメガネのほど消費者に対し、『市民権』を得ていない!」と言っておりますが、まったくその通り。

高齢者が増えつつある今、メーカーや販売店などによる『補聴器の啓蒙活動』が一層必要でしょう。

 

 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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