春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

補聴器のメンテナンス(耳かけ形編)

2013-07-30 16:03:35 | 補聴器をうまく使う

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

先ほど、10分程度雨が降ってきました。

山口・島根ではとんでもないことになっています。

瞬間的に大雨が降ると、都心部ではアスファルトが多いため排水キャパを超えて水があふれてしまいます。

十数年前、博多駅が冠水したとき、博多駅前の大通りが川のようになっていました。

こう、ゲリラ豪雨が多いと温暖化の影響が深刻に心配されてしまいます。

私の自宅近くは、福岡~鳥栖の山間で局地的に大雨や雪が降ったりするので、家を空けるときは窓のチェックが重要です。

 

 

さて、本日は、「補聴器のメンテナンス(耳かけ形編)」について取り上げます。

 

 

先日も、あるお客様から、「補聴器の寿命って、どれくらいなの?」というご質問を受けました。

大抵の補聴器屋さんやメガネチェーン店さんでは、口を揃えたように、『5年です。』という答えが返ってきます。

確かに5年を経過した補聴器は、故障しやすくなったり、きこえが悪くなったりします。

しかし、聴力の低下が補聴器で対応できる範囲で、ご自身で大切に補聴器を管理していれば、10年使うことも可能です。

私が対応したお客様で最長は、17年間一つの補聴器を使い続けたという猛者がおられます。(笑)

 

 

最近の補聴器はメーカーさんの開発努力で、部品の改良などで故障しにくい設計になってきました。

ダイヤル式のボリュームが減って、レバー式やシーソー式のボリュームに変化してきたのもその一つです。

 

ボリュームの隙間から水分(汗)の侵入があり、内部の劣化(サビなど)が起こりやすい。

 

 

ボリュームやスイッチの形状が改良され、極力隙間をなくしたデザイン。

 

 

耳かけ形の補聴器が急に音が出なくなってしまったとき、原因がいくつか考えられます。

 ① 補聴器の電池が無くなった

 ② 耳垢づまり

 ③ チューブ内の結露

 ④ 補聴器の故障

①は、初歩的なことなので、新しい電池に替えましょう。

但し、新しい電池に交換して間もない場合は、補聴器の不具合も考えられます。

 

 

意外に②や③の場合、ご自身で気付かないことがあります。

③の結露の場合、チューブ内に水滴が詰まっているので、補聴器からの音が遮断されてしまいます。

特に最近の小型耳かけ形補聴器に採用されている極細チューブなどは、径が極小なので、微量の水ですぐに詰まってしまいます。

 

 

補聴器屋さんでメンテナンスしてもらえば、チューブに「糸」を入れて水が溜まりにくくしてもらうことができます。

 

 

近年、メーカーさんによっては補聴器のボディに「ナノコーティング」という撥水コーティングが施されてきており、汗対策が強化されています。

注意していただきたいのは、コーティングは半永久的ではないということです。

数年たてば、コーティング効果がなくなってきます。

補聴器を使用しないときは、必ず「乾燥ケース」で保管しましょう。

 

 

乾燥ケースでの保管が、補聴器の寿命を延ばす最大のポイントです。

忘れないで欲しいのが、ケース内の乾燥剤(シリカゲル)を定期的に交換すること。

乾燥剤のツブの色が変わった時が交換時期です。

 

 

夏場の湿度が高いこの時期は、すぐに色が変わりますのでご注意ください。

それでも心配な方は、補聴器屋さんに行くと、「真空乾燥機」で強制乾燥してくれます。

1~2か月に一度くらいの頻度でメンテナンスに行くことをお奨めします。

 

 

補聴器の寿命を倍に伸ばして、10年間使うことを目標にしましょう!

 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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「永く」続く補聴器屋さん

2013-07-25 17:33:52 | ブログ

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昨日は、店が終わった後に春日市商工会議所にて行われた講習会に参加してきました。

講習会の内容は、『厳しい時代環境を生き抜く商業経営の原則』という内容。

商売(小売り業)を行う上で、基本となることを改めて学んできました。

 

 

講師の麻生祥三郎氏(オフィス未来代表)は、地元九州の企業を対象に経営のコンサルティングを行われています。

とても印象に残ったのは、

「お店(会社)の売上高は、誰が決めているのか?」というもの。

普通は、「経営者」とか「社長」という答えが返ってくるでしょうが…。

決めるのは、「お客様」という答えをズバリ言われました。

 

 

お客様から支持されない会社はどんなに大きくても簡単につぶれてしまいます。

「会社は、業績を伸ばして大きくすることよりも、『永く』経営していくことが崇高で難しいこと。」と言われていました。

「永く」商売しているということは、それだけお客様からの期待を維持し、応え続けているということで、どんなに小さな個人店であっても素晴らしいこと。

我々、商工会に属する小さな小売店にとってはとても心強い言葉でした。

 

 

商品やサービスはお客様にとって、「予想外価値」あるいは「期待以上価値」を提供しないと認められないと言われました。

私が取り扱っている「補聴器」は、まさにこの通りだと思います。

補聴器専門店、メガネチェーン店、電気店、デパートと様々なお店で補聴器は取り扱われています。

言い換えると、どこで買っても物は同じということです。

しかし、補聴器ほど取り扱う店や担当者によって効果が豹変するものはなかなかないかもしれません。

 

 

難聴者のきこえの状態を細かく把握し、適用する補聴器の性能(機能)を理解し、うまくフィッティングしなければ、どんなに高価な補聴器でも使う方の満足を得ることはできません。

「高い補聴器を買ったけど、全く使っていない。」

と言われる方をたくさん見てきました。

 

 

人はそれぞれ「価値観」を持っています。

価格が15万円の補聴器がカタログにあったとすると、その補聴器を試聴して15万円に値するものであれば購入されるでしょう。

しかし、5~6万円の補聴器と変わりがなかったら購入されるはずがありません。

 

 

補聴器は調整内容で、価値が大きく変化します。

我々がこれでいいと思った調整でも、難聴者の方が日常で使っていると、大小不具合が出てきます。

小さなところでは、新聞を読むときのページをめくる音であったり、スリッパで廊下を歩く時の音であったり、トイレの水を流す時の音であったり…。

微調整を何度か繰り返して、その方の補聴器を作りこんでいきます。

 

 

一人一人のお客さんが、「補聴器を付けて良かった!」と思っていただけるよう、お渡しした後のアフターを一層心掛けていきたいと思います!

そして10年、20年と「永く」補聴器屋さんをやっていけるよう、難聴者の方々の期待に応えていきます!

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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補聴器のQ&A

2013-07-19 17:16:13 | 補聴器を上手に買う

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ゲリラ豪雨、あなどれません!

昨日、瞬間的に自宅付近で夕方見舞われました。

書斎(というほどのものではありませんが…)と寝室の窓を網戸にしていたため、あっという間に水浸し…。

最後に家を出た私の責任で、家内からしこたま怒られました。(笑)

今朝のニュースのトピックでも、今年の夏のゲリラ豪雨は例年の3.5倍とか…。

外出するときは注意しましょう!

 

 

さて、本日は「補聴器のQ&A」について取り上げます。

 

 

補聴器を初めて購入することを検討されている方は、補聴器に関する情報が乏しいものです。

価格、機能、使用方法、注意点などなど。

インターネットをたしなむ方は、ネット上で補聴器に関する情報を得ることができます。

しかし、ネットだけでは補聴器に関する部分的な情報を得ることはできても、全般的な情報を一括で得ることは難しいかもしれません。

 

 

家電製品を購入する際、電気屋さんに行ってカタログやパンフレットをもらってきて、家で熟読される方がおられますよね。

自分が欲しい製品にどんな機能があるのか?

どういう使い方ができるのか?

ほかの製品と比較して納得できる性能なのか?

しっかり検討した上で購入に際し、失敗しないようにされているかと思います。

 

 

補聴器屋さんに行くとそこの店で取り扱いをしているメーカーさんのカタログをもらえます。

メーカーさんのカタログには、様々な補聴器の価格や性能が事細かに紹介されています。

ここで、目に留まるのはほとんど、「補聴器って高いんだなぁ。」という価格面でしょう。

カタログは、製品を選ぶには最適なものですが、補聴器に関して言えば、それだけでは不十分。

メーカーさんが配布している、「補聴器のQ&A」のような補聴器ガイドも合わせてもらうようにしましょう。

 

 

メーカーさんのカタログには、正直、良いことしか書いてありません。

「この製品は、最新のデジタルチップ搭載しています。」

「言葉が明瞭で自然な聞こえです。」

「雑音が少なく、ピーピー嫌な音漏れがありません。」

などなどです。

 

 

この「補聴器のQ&A」は、補聴器の種類や特徴は勿論のこと、補聴器を使う上で注意しないといけないことがわかりやすく書かれています。

また、「きこえ」に関することや老人性の難聴についての説明なども簡単に書かれているので十分理解できるでしょう。

薄い小冊子ですが、補聴器を購入する前に是非知っておいていただきたいことが網羅されてます。

この1冊の小冊子を読めば、補聴器やきこえに対する思い込みや誤解が解決されます。

 

 

できれば、補聴器の購入を考えているご本人様だけでなく、家族の方もお読みになることをお奨めします。

きこえの不自由な方との接し方、話し方が改めてお分かりになれます。

 

 

いきなり補聴器屋さんに行って補聴器を買う前に、事前に情報を得ることが肝心。

補聴器購入に失敗しないためにも、補聴器屋さんにご足労いただいて、カタログとQ&Aをゲットしておきましょう!

 

 

 

 

 

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国内出荷台数

2013-07-12 17:24:13 | 補聴器業界

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今日は、調整のお客様が何名かいらっしゃいました。

みなさんお店の近くの方なので、中には自転車で来られた方も・・・。

この猛暑の中、わざわざ来ていただいてうれしい限りです。

冷たいお茶で渇きを癒してもらい、飴ちゃんをつまんでいただきました。

関西生活が長かったので、『飴ちゃん』を接客テーブルには常備しています。

店の中は、今週からエアコンを付けてますが、温度設定は冷えすぎないよう27~28℃。

先日導入した除湿機が大活躍しており、室内の湿度は40%と快適な状態です。

 

 

さて、本日は2013年4月~6月までの第2四半期の「補聴器国内出荷台数」が発表されたのでお伝えします。

 

 

全体的には、前年対比で101.6%と『微増』しています。

しかし、本当に補聴器が支持されてユーザーに購入されているかは、甚だ疑問です。

細かく内訳をご紹介しましょう。

 

もっとも伸び率が高いのは、デジタルポケット(箱型)⇒207.4%でした。

しかし、アナログポケットが前年比68.7%で、ポケット型全体では98.9%

これは、昨年SIEMENS社がデジタルポケットを発売しだしたので、ポケット型の販売がアナログからデジタルに移行したとみるべきでしょう。

 

 

SIEMENS社ほどの大きなメーカーさんが1機種を変更すると業界全体の数字に反映するので大きな影響力です。

次に、312電池タイプのRICタイプ補聴器⇒128.3%

相変わらず販売の中心になっているようで、販売されている補聴器の15%はこのタイプになっています。

メガネチェーン店さんを中心に今後もすごい勢いで増えると思われます。

 

 

小型で目立たないことに、分離レシーバーを交換するとパワーアップし、重度難聴まで対応できることが人気の理由です。

 

 

耳かけ型補聴器全体では、102.6%

RICタイプは好調ですが、従来タイプの補聴器(13電池タイプ、675電池タイプ)が軒並み前年を割っているので、大きな伸びを示していません。

 

 

一方、オーダーメード補聴器は、CICタイプ、カナルタイプ、フルサイズタイプいずれも前年比96~99%と『微減』しており、全体では97.2%

 

 

耳穴タイプで特筆すべきは、『その他耳あな型(デジタルタイプ)』のカテゴリーが、189.7%と大幅に増えていることです。

これは既製品の耳穴タイプです。

アナログタイプの既成耳穴タイプと合わせて全体でも141.6%の伸び。

このカテゴリーと312RICタイプの大幅アップが、この3ヶ月の出荷台数を牽引しています。

 

 

以前にも触れましたが、オーダーメード補聴器はユーザーの耳型を採取して製作しますので、『(メーカー出荷台数)=(補聴器購入者の数)』となります。

既製品の耳かけ型補聴器や既製品の耳あな型補聴器が大幅に増加していても、補聴器屋さんの在庫棚に陳列されている可能性があるので、本当の意味で補聴器マーケットが拡大しているとは言えません。

今回の既成耳穴型の大幅増加では、補聴器が支持されて購入者が増えていると考えるのは難しいですね。

「どこかの大手メーカーさんが在庫を入れちゃったかな?」と業界関係者は見ているでしょうね。

 

 

とにもかくにも、最前線の補聴器現場に従事する我々補聴器屋さんにできることは、一人一人の難聴者に対し、技術と経験を駆使して「きこえの満足」を提供していくことでしょう。

この積み重ねが補聴器マーケットの拡大につながっていくと信じます!

 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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風雑音(風切り音)

2013-07-09 17:23:35 | 補聴器の性能

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今日も真夏日です。

梅雨明けと同時に、夏本番ですね。

昨日のニュースでは、全国で熱中症で病院に搬送された方が900人を超えたそうです。

大半がお年寄りのようですので補聴器を使う老齢者の方は注意が必要です。

節電対策で、冷房の設定温度を高くしたり、使わないで我慢しているような方もおられるようですが、我慢はほどほどに…。

 

 

さて、ここ数日は風が強かったので、補聴器での『風雑音(風切り音)』について取り上げましょう。

 

 

野外で補聴器を使用する際、屋内と違って様々な雑音(環境音)が入ってきます。

車やバイクの走行音、踏切の警笛、工事現場の重機の音、そして風雑音…。

 

 

どれも会話音声を邪魔する雑音ですが、特に風雑音については少々性質が異なります。

 

 

風雑音は、補聴器のマイクに直接、風が当たり空気の巻き込み音がそのまま増幅されて発生します。

 

 

 

特に指向性マイク(ツインマイク)が搭載されているタイプの補聴器では、2つのマイクの風雑音が足し合わされて余計に雑音が大きくなってしまいます。

補聴器メーカーさんによっては、風雑音に特化した機能(システム)を搭載している補聴器があります。

 

【SIEMENS】:eウインドスクリーン

風雑音を感知すると低音域の利得を下げ、マイクシステムを『無指向性』に切り替える。(全自動)

風速が速くなるにしたがい、低域の減衰量を増加させる。

 

【PHONAK社】:『風の中でのことば』プログラム

両耳装用によって、風雑音を感知。左右の聴取環境を補聴器が判断して、風雑音の影響が少ない側の音声信号を、聞き取りにくい側の補聴器に伝送。

 

 

また、補聴器のタイプで言うと、耳かけ型よりも耳あな型のタイプの方が風雑音の影響は少なく、とりわけ『CICタイプ』と言われる極小タイプがもっとも風雑音に対して抑制効果があります。

耳穴の奥に補聴器が設置され、マイクが直接外部の風に当たらないことが風雑音の抑制に貢献します。

 

 

 

 

更にご紹介すると、NJH社のBeltoneモデルにTouchシリーズというマイク分離型の特殊な補聴器があります。

本体から分離されたマイクが、シンバ(耳の上部のくぼみ部分)に収まるため、風が直接当たることを回避し、風雑音抑制に大きな効果を生みます。

 

 

 

 

このようにいろいろなメーカーさんで、風雑音に対する対策をとっておられます。

風が強い日、自転車に乗るときなどにも安心して補聴器を使えるのはうれしいことですね。

 

 

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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