春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

動物の可聴域

2013-03-30 15:45:47 | きこえについて

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ。

 

 

今日もいい天気です。

この週末が桜のピークでしょうから、店の前の春日公園がたくさんの人で賑わうことでしょう。

桜を楽しむのはいいのですが、店舗の共同駐車場に無断駐車して公園に行く人もいるので、ちょっと困りものです。

共同店舗の中にはデイケアサービスもあり、足の不自由なお年寄りを車で送迎されているので、駐車場がいっぱいだとデイケアのスタッフさんも困っておられます。

マナーを守って、桜を楽しんでほしいですね。

 

 

さて、今日はいろいろな動物の聴覚について取り上げましょう。

 

 

人間の聴覚は、低い周波数から高い周波数までどのくらい聞こえているかご存知でしょうか?

聞き取れる帯域のことを『可聴域』といいます。

人間の可聴域は、20Hz~20,000Hzと言われています。

但し、お年を召してくると高い周波数が聞こえにくくなってくるので、子音の聞き違いが出てきます。

 

 

身近な動物で、犬や猫はどうかというと

犬:15Hz~60,000Hz

猫:45Hz~64,000Hz

人間よりはるかに高い音域を聞き取ることができます。

人間には聞き取ることができない『犬笛』で犬が反応できるのはご存知の方も多いでしょう。

 

 

人間に聞き取ることができない低音域を「超低周波音」、逆に聞き取ることができない高音を「超音波」といいます。

超音波を発し、その反響を感知して物体を識別することで有名な動物は、イルカやコウモリです。

ちなみに可聴域は、

イルカ:20Hz~150,000Hz

コウモリ:1,200Hz~400,000Hz

コウモリはすごいですね。暗闇で目が見えなくても飛び回れる訳ですね。(驚)

 

 

 

 

ところで、高い音と低い音ではどちらが遠くの距離まで届くかご存知でしょうか?

お祭りを連想していただくとわかるとおもいますが、遠くから聞こえてくるのはまず、太鼓の音、そこからさらに近づくと笛や鈴の音が聞こえてきます。

つまり、低い音の方がより遠くまで届くということです。

 

 

低い音を聞き取れる動物としては象がいます。

5Hz前後の音を100dB以上の音圧で発して、数km離れた仲間と交信しあうそうです。

2004年に起こったスマトラ沖地震では、地震前に起こる低周波をいち早く聞き取って、本能的に高台へ逃げたみたいです。

 

 

ここで、補聴器に話を変えますが、補聴器で出せる音は、125Hz~8,000Hzです。

言葉の成分がこの範囲に含まれるため、この範囲以外の音をあえて出さないように設計されていると思われます。

しかし、環境音や音楽にはこれ以上の音も含まれており、最近のデジタル補聴器の中には、12,000Hzまで出せる機種もあります。

 

 

会話をスムーズにするための補聴器ですが、音楽が好きな方には、こうした高い音色を出せる補聴器の方がより音楽を楽しめるかもしれませんね。

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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こども用の補聴器

2013-03-29 17:47:33 | 補聴器

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昨日は、無事4歳のお子さん(女の子)に補聴器のお渡しができました。

うちの息子と同じ年なので、お渡し前に息子の耳にて装着具合を確かめ、できるだけお子さんが固くならないよう心がけました。

 

 

初めて来店されたときは、ご両親だけでしたので、ご本人と会うのは昨日が初めてです。

小学校高学年のお姉さんとご家族4人でいらっしゃいました。

 

 

聴力測定は、このような時のため、2畳タイプの大型のものを設置しているので、中にお母さんと一緒に入ってもらい、緊張をほぐします。

補聴器は、シーメンス社のF201。

もともとExplorer500Pという機種で、海外では小児用の補聴器として展開していた補聴器です。

 

 

シーメンス社では、補聴器にスモールイヤフックを同梱しており、わざわざ別売りで購入しなくても対応可能です。

プログラムボタンの下にはLEDランプが点灯するので、ご両親が「ちゃんとスイッチが入っているか?」、「電池が切れていないか?」が目で見て確認できます。

 

 

なにぶん、小さなお子様なので、今後の成長を考えると耳穴型のオーダーメードでは、型直しの再作が必須となりますので、耳かけ型の補聴器でよかったと思います。

将来は、イケメンのお父さん、べっぴんさんのお母さんに似た美人さんになると思います。

今後、長いお付き合いができたらいいなぁと思います。

 

 

子供さんの補聴器フィッティングは、正直、難しいです。

特に小さなお子さんは、きこえの状態を詳しく表現することはできません。

できるだけ、こちら側からいろいろな言葉をかけてわかりやすく聞き出すことが必要になります。

特に、初めてのおじさんに対しては、恥ずかしがってなんでも言えるわけではありません。

 

 

メーカー在籍時代、四国の聴覚支援学校(昔の聾学校)に製品説明で訪問した際、聴能の先生に、「この補聴器は丈夫ですか?」と質問されたことがあります。

「パワーがありますか?」とか「汗に強いですか?」という質問を想定していただけに意外な質問です。

理由をうかがうと、子供さんの中には、聞こえにくいことや装用感が悪いことに対して癇癪(かんしゃく)を起こし、壁に補聴器を投げつけて壊してしまうことがあるそうです。

さすがに壁に投げつければ壊れてしまいます。

大人でも、前向きに補聴器を付けることを嫌がられるのに、子供さんであればなおさらです。

 

 

子供さんに補聴器を付けることを楽しんでもらえるよう、補聴器メーカーさんやイヤモールド(専用耳栓)を製作する会社がいろいろな工夫をしています。

 

例えば、補聴器のボディケースがカラフルになったり、中にはスケルトンといって透明の着色したボディケースなどもあります。

あるいは、キャラクターシールや装飾材を貼り付けて「デコ補聴器」にしたりすることもあります。

 

 

 

イヤモールドもカラフルにしたり、ラメを入れたり、中には小さなキャラクターフィギュアを入れて製作するところもあります。

 

 

大人の場合は、「できるだけ目立たないように」ですが、子供さんの場合は、「自分だけの補聴器」という特別感が必要なこともあります。

 

 

中高生くらいになると、音楽を聞いたり、ミュージックプレーヤーを楽しんだりもされます。

健聴者では当たり前でも、小児難聴、特に重度の難聴になれば普通にイヤホンで聴くことはできません。

そういう場合は、ブルートゥース機能を持ち合わせた補聴器で、音楽を楽しんだりすることもできるようになりました。

お年寄りには難しい使い方ですが、携帯電話同様、子供さんはなんなく使いこなされます。(笑)

 

 

こういった情報も、通常、店頭ではなかなかお知らせできることではないので、ご紹介しておきます。

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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小児難聴

2013-03-27 12:39:24 | 耳の病気

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昨晩から福岡は雨模様です。

桜がピークなのですが、この雨の影響は大きいでしょう。

週末までもつでしょうかね~?

 

 

さて、今日は小児難聴について取り上げましょう。

明日、4歳のお子さんが補聴器を取りに来られます。

自治体の検診で、中等度の難聴と診断されたようです。

小さなお子さんなので、補聴器をするのはかわいそうですが、今後の言語学習の上で補聴器が役に立ってくれるといいですね。

 

 

現在、新生児が誕生すると産婦人科では、「新生児聴覚スクリーニング」というものが行われます。

新生児の段階で小児難聴がないかを検査します。

検査方法は、眠っている赤ちゃんに35dBの小さな音を聞かせ、その刺激に反応して起こる変化をコンピューターが判断し、音に対して正常な反応があるかないかを調べます。

 

 

しかし、自治体や産婦人科によって、スクリーニング実施率はまちまちで、実施率は全国で60%程度のようです。

産婦人科でも、この検査を出産費用に含んで行うところもあれば、希望者に数千円の費用で行うところもあるみたいです。

 

 

この検査では、「小児難聴」と診断されません。

検査結果は、パス(通過)とリファー(要検査)に判定されるだけで、要は、「異常なし」か「所見あり、再検査して下さい。」のどちらかです。

 

 

再検査が必要になると、専門の医療機関に行って精密検査をする必要がでてきます。

 

 

小児難聴は、早期発見が重要です。

お子さんが成長する過程で、「なかなか『ママ』と言ってくれない」とか、「言葉を発するのが遅い」となれば、赤ちゃんの耳が聞こえていない可能性があります。

言葉を学習していく大切な時期なので、きちんとした処置が必要です。

 

 

私が一側性難聴(片耳がきこえない)であることを親が気付いたのは、私が幼稚園に行っていた時でした。

テレビを見る時、聞こえる右側の方を傾けて見ているのを不審に思った両親が、時計の針の音を聞かせて、「この子は左耳が聞こえていない。」と気付きました。

たまたま、右耳は正常であったので、言葉の覚えや発音に支障を来たすことはありませんでした。

しかし、音感がずれているのか?カラオケでは音痴です。

 

 

聞こえていることが「当たり前」の健聴者からすると、頭でわかっていても気付かないことがよくあります。

ハンディキャップを持っているということは、一見、不幸なのかもしれませんが、それを「個性」と考えることができれば、前向きになれるかもしれません。

 

 

私は、自分の一側性難聴は、ハンディキャップとは思っていません。

難聴の方の気持ちがわかることができる、補聴器屋さんとしての「強み」であると考えています。

一人でも多くの方が、補聴器を通じてきこえの人生が明るくなるといいなぁと思っています。

 

 

 

 

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テレビを聞く方法

2013-03-26 18:18:34 | 補聴器をうまく使う

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小学校3年生の娘が春休みになって、家にいる時間が多いため、部屋の片付けを言いつけているのですが、4歳の弟と遊んでばかりでなかなかきれいにならないです。

そろそろお姉ちゃんらしく整理整頓を心掛けてほしいのですが・・・。(嘆)

 

 

さて、今日は、「テレビを聞く方法」について取り上げたいと思います。

 

 

難聴の方の困ることの中の上位に、「テレビが聞き取りにくい」というものがあります。

聞こえにくいので、ついついテレビのボリュームを上げてしまい、家族の方から注意されることが多くなります。

 

 

補聴器をすると会話やテレビが聞こえやすくなると思われがちですが、残念ながらテレビを聞こえるようにすることは少々難しいです。

 

 

デジタル補聴器では、通常の使用で雑音抑制や指向性マイクを働かせて言葉の聞き取りの向上を目指します。

テレビには人の言葉だけでなく、BGMや効果音など言葉を邪魔するものも音声と一緒に流れてきます。

補聴器の調整上で、「プログラム」機能を使い、テレビモードの設定(雑音処理を解除したり、指向性機能をオフにする)を作ります。

使用者の方は、テレビを見る際、補聴器の設定を切り替えて使っていただくと、聞こえやすくなります。

 

 

しかし、補聴器の有効範囲が、せいぜい2~3mであることを考えると、キッチンのテーブルからリビングのテレビまでの距離は、いかにテレビ設定でも難しくなります。

 

 

耳かけ型補聴器でテレコイル装備のものであれば、ループシステムを使うことでテレビの音声が直接、補聴器から聞こえてくるようになります。

 

 

国産メーカーのリオン社のホームページには詳しく紹介しています。こちら

 

 

また、最近では補聴器にブルートゥースというワイヤレス技術を使って、テレビを聞きやすくする手段もあります。

これは、テレビの音声出力端子に送信機を取り付け、補聴器もしくは、補聴器専用の高機能リモコンを通じてテレビの音声を受信します。

やはり、テレビの音声が直接、補聴器に入ってくるので、周囲の会話や環境音に邪魔されず聞き取ることが可能になります。

 

 

 

また、「テレビを聞く」という点に限定すると、家電量販店にて販売している赤外線のワイヤレスヘッドホンがもっとも安く済ませる方法となります。

 

 

本体の送信機をテレビの音声出力に接続して使うため、テレビのボリュームを触らずに、ヘッドホンのボリュームでご自身に合わせます。

充電タイプなので、使わないときは本体にセットしておけばよいです。

量販店であれば数千円でしょう。

 

 

これらの方法でテレビを聞いていても、テレビは番組によって聞き取りやすかったり、聞き取りにくかったりしますのでご注意ください。

 

 

 

 

本日は以上です。

 

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オープンタイプ補聴器

2013-03-25 14:12:22 | 補聴器

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昨日は、お店を早めに切り上げて、息子・娘と3人で正面の春日公園に行ってみました。

桜のピークということもあり、お花見の人がたくさんいました。

公園の遊技場など遊具類が順番待ち状態。

これだけ、人が遊びに出ていたら、どうりで店が暇なわけですね。(笑)

 

 

以前、補聴器を使う上でこもり感(耳閉感)について取り上げましたが、今日は、このこもり感に有効な「オープンタイプ補聴器」について取り上げます。

 

 

補聴器業界で、一番最初に「オープン」専用の補聴器を出したのは、GN Resound(GNリサウンド:デンマーク)社で「リサウンド・エアー」という小型の耳かけ型補聴器です。

 

今から10年近く前になります。

この補聴器は、補聴器業界で画期的な補聴器でした。

これ以前まで日本の補聴器マーケットは、オーダーメード(耳あな型)補聴器が主流で、『(目立たない補聴器)=(オーダーメード補聴器)』という人気ぶりでした。

しかし、耳あな型補聴器の短所として、外耳道(耳あな)を塞いでしまうことから、こもり感が最大の弱点でした。

 

 

デジタル補聴器の技術で、ハウリング抑制機能が大幅に改善され、特に、逆位相という技術が導入されたことによって、こうしたオープン(外耳道開放)型の補聴器が登場したのです。

更に、「リサウンド・エアー」という商品は、小型で目立ちにくく、何より補聴器のボディカラーが様々で、補聴器を「カラーコーディネートする」という補聴器販売のスタイルも変えてしまいました。

耳かけ型補聴器というと、「肌色(ベージュ)」が当たり前で、とても地味なものでした。

一方、「リサウンド・エアー」は、髪の色に合わせたり、両耳の場合は左右で色を変えてわかりやすくするなどの新しい補聴器提案ができるようになりました。

 

 

当時のGN Resound社の精力的な活動もあり、補聴器業界が一変しました。

この影響で、ほかの補聴器メーカーもオープンタイプの補聴器開発に注力しだします。

 

 

SIEMENS(シーメンス:ドイツ)社では、更にリモコン対応式の「アキュリス・ライフ」という補聴器を出しました。

この補聴器は、「リサウンド・エアー」の低音域を調整できないという弱点をカバーし、オープン専用のチューブを通常の耳かけ型補聴器のフックに変えれば、一般の補聴器としても活用できる優れものでした。

 

 

Oticon(オーティコン:デンマーク)社は、「デルタ」という今では耳かけ型補聴器の主流になりつつあるRIC(レシーバー分離型)タイプの補聴器を出しました。

「デルタ」は、スタイリッシュなデザインで、補聴器のカラーがさらに増えました。

何より、レシーバーを補聴器本体から分離し、耳栓部分に採用するという革新的な補聴器でした。

 

 

以降、各補聴器メーカーは、RICタイプの補聴器開発に力を注ぎ、今では、新製品と言えば、「どんな新機能が付いたRIC?」というくらいです。

 

 

最近のRICタイプの補聴器は、本来の「オープンタイプ補聴器」という仕様から外れてしまっている感があります。

しかし、これらの補聴器開発は、補聴器ユーザーが「こもり感で補聴器が使えない。」部分を少しでも解消していこうとする補聴器メーカーさんの開発努力から生まれたものだと思います。

 

 

 

 

本日は以上です。

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