電池は必要不可欠な問題
最近の補聴器には
「充電式」のものも登場しています。
各メーカーさんの充電式補聴器を見ても
新型タイプの補聴器に採用されており
価格面ではまだまだ高額。
補聴器用電池の購入を
ランニングコストで考えてみると
(補聴器に1週間で1粒の電池を使用するとして)
片耳の場合、7~8年
両耳の場合、3~4年
でようやくトントンとなるところです。
これは、1パックの補聴器用電池を
700円程度でザックリ計算したものなので
ネット通販などで安く購入した場合、
さらにコストペイするには
長い時間を要します。
※電池コストの面だけの問題で
充電式補聴器には、エコの面と
電池交換の手間ではよい面もあります。
補聴器は、「空気亜鉛電池」を使います。
タイプは、PR41、PR48、PR44、PR536の4種類。
たまに、LRタイプやSRタイプのものを
間違って使用される方がおられます。
・LR⇒アルカリボタン電池(1.5V)
・SR⇒酸化銀電池(1.55V)
サイズが同じなので
使えないことはありませんが
電圧と放電特性が異なります。
空気電池の場合、
1.4Vの電圧を電池がなくなるまで
安定的に放電するので
補聴器の精密な動きを維持できます。
特に、補聴器にとって重要な「音質」は、
安定した電圧を維持しないと保てません。
電池の種類を間違ったために
必要な利得(音の大きさ)が得られなかったり
音質が劣化してききとりに影響しては
「補聴」の役目が果たせません。
ここまで空気亜鉛電池を説明すると
すごく万能で高品質の電池のように思えますが
この電池にも弱点はあります。
電池のプラス極面(平べったい面)の
空気穴が結露やシールの粘着剤でふさがれてしまうと
十分な空気が得られず発電しません。
また、乾燥状態や二酸化炭素濃度が高いと
電池内の電解質が蒸発したり劣化したりして
やはり発電や寿命に影響してしまいます。
補聴器トラブルの何割かは
電池の使用状態で発生しているので
「補聴器がおかしい!」と
慌てる前に
まず、電池を確認してみましょう。