春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

補聴器購入の決断

2015-06-26 14:41:24 | ブログ

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

補聴器を購入する決断は

人によって様々ですが

つい最近、

両極端の事例があったので

ご紹介します。

 

 

一人目の方は、

61歳の男性の方。

まだ、現役で仕事をされています。

今回のご相談内容は、

先日放送されたNHKの情報番組

「ためしてガッテン!」を見られ、

8年間「耳鳴り」に悩まされており

「補聴器で何とかなるのでは?」

というものでした。

 

 

正直、「耳鳴り」だけなら

補聴器屋さんでどうこうしようはないのですが、

耳の状態を調べてみると

若干の「難聴」がありました。

平均聴力は、

 右:30.0dB   左:27.5dB

高音域に難聴はでていますが、

「補聴器をするにはちょっと早いかな?」

と思われる状態でした。

難聴について自覚症状があるか尋ねると

奥様より、

 ・テレビの音量が少々大きい点

 ・会話の途中での聞き返しが多少ある点

を言われました。

 

 

1週間のお試しを希望され、

「耳鳴り」に悩まされている

左耳に補聴器をセッティングすると

補聴器を付けた途端

「耳鳴りが緩和している!」と

補聴効果よりも

耳鳴りの軽減を実感されていました。

 

 

1週間後再来店され、

経過と効果をお聞きすると、

ご本人より

「耳鳴りの軽減は実感し、テレビの音量も小さくなりました。」

と補聴器の効果がうまく出ていました。

しかし、

仕事先でも同僚の方で

補聴器をしているような方はおられず、

自身が「補聴器を使う」ということに

かなり抵抗を感じるとのことで

結果、今回の補聴器装用は見送りとなりました。

 

 

 

二人目の方は、

58歳の女性。

こちらの方も現役で仕事をされていました。

耳鼻科で耳の状態を診察してもらったところ、

先生からは、まだ補聴器はいいでしょうと

言われたそうですが、

仕事上、聞き返しを何度もできないため

補聴器を試してみたいと希望されました。

平均聴力は、

 右:18.75dB   左:18.75dB

やはり、高音域に若干の難聴がありますが、

聴力自体は一人目の方よりも良く、

平均聴力だけを見ると

十分健聴者。

普通なら補聴器の適用はないでしょう。

補聴器をセッティングすると

初期設定の段階では

案の定、

全く、利得が出ていません。

補聴器の効果がわかるよう

高音域中心に

通常設定の2割増しくらいで設定しました。

こちらも1週間のお試し。

ご本人の希望で

両耳での貸出しとなりました。

 

 

1週間後、再来店され、

状況をお聞きしたところ

2割増しで設定していたにもかかわらず、

大きな補聴効果を実感しないとのことでした。

補聴している設定が、

高音域中心だったので

音量感がない分

実感が乏しかったのでしょう。

そこで、低音域の利得をさらに加え、

使用しているイヤチップをクローズタイプに変更し、

4日間延長して使っていただきました。

 

 

4日後、再々来店されると、

この方は、

 「もう少し、はっきりとした補聴効果を

  実感して購入したいところですが、

  いずれにしても、補聴器は必要です。」

と購入を決断されました。

 

 

 

この二つの事例は、

たまたま同じ時期、

同じくらいの年齢で

同様に仕事をしているという

お客様でした。

 

 

男性と女性という違いはありましたが、

一方(男性)は補聴効果がはっきりしていても

購入されず、

もう一方(女性)は、補聴効果が

大きく出ていなかったにもかかわらず

両耳での補聴器購入を決断されました。

決断は、女性の方が男らしかったです。(笑)

 

 

私の17年間の補聴器屋さん経験で思うに

女性の方が決断が早い傾向のようです。

補聴器の購入は、『結婚』のようなものかもしれません。

女性は、『結婚』に関して現実的。

相手に対して、経済力(甲斐性)や社会的地位を

求めることがあるかもしれません。(違ってたらごめんなさい。)

『補聴器』に対して求めるのは、

 ・役に立つか?

 ・効果があるか?

といったところで

決断は、『織田信長的』です。

※鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス

 

 

男性の場合、『結婚』に対して消極的。

いつまでも『ぬるま湯』に浸かっていたいのでしょう。

『補聴器』に対しても

 ・できれば使いたくない

 ・必要な時だけ

といった感じです。

決断は、『徳川家康的』なのかもしれません。

※鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス。

 

 

興味深い事例でしたので

ご紹介いたしました。

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

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PHONAK社 本社工場見学

2015-06-08 16:36:41 | ブログ

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

 

突然ですが、当店の副店長をご紹介します。(笑)

年齢は、7ヶ月。

補聴器技能は、まだまだですが、

お客様と信頼関係を作るのは

とてつもなくうまいです。

気まぐれな出勤なので

常駐ではありません。

本人は、

お客様に可愛がられる

補聴器技能者になりたいと申しております。

皆様、よろしくお願いいたします。

 

 

 

さて、先週は2日間臨時休業させていただきました。

東京に出張し、初日は

スイスの補聴器メーカー、

フォナック(PHONAK)社の本社工場を見学。

2日目は、浜松町で開催された

『JAPAN補聴器フォーラム2015』を

見に行ってきました。

今回は、PHONAK本社工場のレポートです。

 

 

 

 

事前に当店担当の営業さんに

本社工場の見学と研修を打診していたので

当日は、製造部のマネージャー、鬼塚さんにアテンドしていただきました。

 

 

私もメーカー出身で、

以前の会社に入社した際、

3ヶ月間、工場での研修をしましたが、

17年前のことなので

ものづくりのプロセスも大きく変化しています。

特にオーダーメード補聴器は、

CG(コンピューターグラフィック)上でデザインをしていきます。

 

CGでデザインするメリットは、

素早くデザインすることが可能であることと

実際の組立の前に、

CG上で、アンプやマイク、レジーバーの位置などを

シミュレーションして

いかに小さく作っていくかを

確認することが可能です。

ベテランのデザイナーさんになると

1つの補聴器デザインを

数分で行うそうです。(驚)

 

作成されたデザインデータは、

上の写真にある機械で

シェル(オーダーメード補聴器のケース)を成形します。

樹脂にレーザー光線を照射し、

1時間半ほどで30個ほどのシェルができるそうです。

PHONAK本社には樹脂の色に応じて

3台の機械がありました。

 

 

工場は、都心のビルの中

1フロアを各セクションごとに作業をしておられ、

効率よく補聴器の製作や修理を行っておられます。

「工場」というより「ラボ」という感じですね。

 

 

 

また、鬼塚さんより

トレーニングルームにて

現場店舗でできる

テグス付け、シェルの研磨・肉盛り等の

レクチャーを受けました。

 

補聴器の装着時、

「こもり」や「ひびき」があった際、

シェルのどの部分を削ると効果があるかなど

とても有益な情報を得られました。

実際の現場で実践していきたいと思います。

 

 

 

最後に、補聴器フォーラム2015で公演されるため

来日されたアンナ・ビギンズさんと

記念撮影させていただきました。

 

 

アンナ・ビギンズさんは、

本国スイス本社のオージオロジーマネージャーで

オージオロジストでもあります。

つまり、補聴器と聴覚学のプロフェッショナルです。

美人で気さくな方でしたよ~。(嬉)

 

 

 

今回の訪問は、

補聴器フォーラム前日で多忙な中、

本社スタッフの方々には

本当に貴重な研修をありがとうございます!

特に、

フォナック・ジャパンの遠藤社長には

帰り際のエレベーターまでお見送りしていただき、

大変恐縮でした!

末永くお付き合いをお願いいたします!

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

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