春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

国内出荷台数(2015年第2四半期)

2015-07-10 14:41:58 | 補聴器業界

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

今日は、久しぶりに

当店の副店長が出勤しています。

 

 

ご自慢の歩行器で

店の中を細かく見て回り

「いつまで同じポスターなんだ!」と

力づくで張替えを指示してきます。(笑)

 

 

 

さて、今月頭に

2015年第2四半期(4月~6月)の

補聴器国内出荷台数の実績が

日本補聴器工業会より発表されました。

 

 

 台数:139,171台、前年比109.7%

 金額:8,334(百万円)、前年比109.4%

第1四半期(1月~3月)が

4~5%の前年アップだったので、

この3か月間は

さらに補聴器需要が伸びたように見えます。

 

 

器種別には…

 【ポケット型】

   デジタル式…112.8%

   アナログ式…76.3%

   ※ポケット型全体では、100.7%

ほぼ、前年通り。

デジタル化は進んでいますが、

当店でも、ここ1年半くらい

ポケット型補聴器を購入されたお客様はいないので

自立支援(福祉)や

敬老の日のプレゼントとして以外では

ほとんど求める方は

いないのではないでしょうか?

 

 

 【耳かけ型】

   10A使用BTE(RICタイプ含む) …123.2%

   312仕様BTE(RICタイプ含む) …125.5%

   13仕様RIC …179.4%

   13仕様BTE …97.5%

   ※耳かけ型全体では、111.5%

13電池仕様のタイプが

急激にRICタイプにシフトしています。

おそらく、

10Aタイプや312タイプのRICが

実績があるものの

電池寿命を求める傾向が出てきているのかもしれません。

 

 

 【メガネ型】

   メガネ型(デジタル) …142.7%

これはもともと出荷されている台数が微量なので

補聴器全体に影響するような伸びとは言えません。

 

 

 【耳あな型】

   CICタイプ …102.1%

   カナルタイプ …99.1%

   フルサイズ …130.6%

注目は、フルサイズの増加です。

原因はわかりませんが、

たまたま買換えサイクルにあたったのか、

もしくは、

両耳化が増えたのかもしれません。

 

 【既成耳あな型】

   デジタル型 …108.3%

   アナログ型 …3,275.6%

明らかにありえない増加です。

大手メーカーさんが、

在庫の押し込みを行っています。

しかも

アナログタイプの既成耳あな型で…

第1四半期では、

やってなかったようですが

半年ぶりに

やっちゃいましたね~。

6月は、「補聴器の日」がありましたし、

東京では、

『JAPAN補聴器フォーラム2015』という

補聴器啓蒙イベントもありました。

相乗効果を期待したのでしょうか?

 

 

しかし、この異常な在庫導入の数字を差し引いても

6~7%くらいは伸びているので

補聴器業界は

回復基調なのだと思われます。

 

 

第3四半期は

猛暑との戦いですが

9月は「敬老の日」があります。

補聴器屋さん、メガネ店さんで

様々な企画を立てて

業界を盛り上げていくことが必要ですね。

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

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NJH(福岡)社、新製品セミナー

2015-07-06 17:51:11 | 新製品

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

先週の金曜日、

お店を臨時休業にして

NJHさんの新製品セミナーに参加しました。

補聴器メーカー出身の私にとって

メーカーさんの新製品発表セミナーは

とても楽しみなイベントです。

 

 

今回、発表されたのは

Beltone(ベルトーン)社のLegend(レジェンド)シリーズ。

 

 

オーダーメードタイプからRICを含むBTEタイプまで

グレード別にフルラインで登場してきます。

 

メーカーさんによっては、

販売戦略上

フラッグシップモデルの高額機種を

先行発売し、

半年~1年後に

普及版モデルを出すところもあります。

しかし、我々現場の販売店にとっては、

一括で全モデルを出してくれた方が

ありがたいもの…。

 

以前にもブログで言いましたが、

これだけの機種をすべて

薬事登録するのは

メーカー側にとって

とてもコストがかかります。

それだけNJHさんにとって

満を持した

新製品の市場投入だと言えます。

特に今回は、

NJHさんが創立40周年、

Beltone社が創立75周年の記念モデル。

力の入れようが違いました。

 

 

セミナーでの新製品プレゼンは

アメリカ本国から

Beltone社の副社長

Dr.ケン・ラフェールさん自らが

NJH社の徳永社長の同時通訳で行われました。

 

Beltone社、副社長 Dr.ケン・ラフェール氏

 

ラフェールさんによると

2014年の全米の補聴器出荷台数は、

3,132,355台

なかでもRICタイプを含んだBTE(耳かけ型)の構成比は

約77%という補聴器トレンドだそうです。

日本市場は、年間の出荷台数が

50万台程度なので

実に6倍の補聴器マーケットということになります。

 

 

肝心の新製品についてですが

補聴器自体のスペックが高いのはもちろんのこと

特筆すべきは

市場での普及が目覚ましい

スマートフォンと連携できる

補聴器だということです。

 

しかも、i-Phone(アップル)系のiOSと

Google系のAndroid両方に対応しています。

スマートフォンに無料の専用アプリをインストールすれば、

スマホが補聴器の専用リモコンとして機能します。

他メーカーもスマホ対応していますが、

中継器を必要とする場合もあるので

直接、スマホと連動するのは

補聴器ユーザーにとって

お財布にやさしいと言えます。

 

 

また、二人目のゲストスピーカーとして

Beltone社のスザンヌ・リンゼイ・ヘンダーソンさんが

アメリカでの補聴器専門店で行われている

「補聴器の引き渡しとフォローアップ」の現状ついて

詳細に講演されました。

 

スザンヌ・リンゼイ・ヘンダーソン氏

 

アメリカの補聴器屋さんが

どういう対応をされているかを知るいい機会でした。

 

 

午後からの長丁場でしたが、

最後に

NJH社の福岡工場を見学することもできました。

自社ビル3階のフロア全体で

オーダーメード補聴器の製造と

補聴器(ITE&BTE)の修理を行われています。

業界でもオーダーメード技術がピカイチのNJHさん。

その工場内を見学できたのは

当日のサプライズでした。

 

 

製造部の池間さんから

懇親会までの短い時間とはいえ

工場内を一通り説明していただきました。

特に感嘆したのは、

オーダーメード補聴器が

片耳での注文の際も

オージオグラム(聴力データ)は

両耳分明記してほしいというものでした。

通常、「片耳だけならその耳の聴力データだけで十分。」

と思われがちですが、

片耳のみの製作時であっても

反対耳の聴力に応じて

 ・ベント径(空気口)

 ・シェルの大きさ

 ・耳道部分の長さ

などを加味して製作されるということです。

 

そして、さらに驚いたのは、

ガラス張りの別室に

注文書の書庫があり、

28年分のオーダーメードの注文書が

きちんと整理・保管されていました!(驚)

これは、NJH社の福岡工場で製作したオーダーメード補聴器は、

どんなに古いものでも

注文(製作)時のデータが残っているということです。

 

私が以前いたメーカーでも

コンピューターで管理されている分のデータは

検索することができましたが

電子データ化される以前のものは

保管はされていても検索できるように

整理されてはいませんでした。

こういったところも

「オーダーメード技術が業界一」と言われる要因でしょう。

 

 

新製品情報、

全米の補聴器マーケットと販売店情報、

工場見学、

と限られた時間で

盛り沢山の補聴器セミナーでした!

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

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