春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

補聴器と電池

2020-10-17 14:40:29 | 補聴器を上手に買う

補聴器を日々使っていくうえで

電池は必要不可欠な問題

 

最近の補聴器には

「充電式」のものも登場しています。

各メーカーさんの充電式補聴器を見ても

新型タイプの補聴器に採用されており

価格面ではまだまだ高額。

 

 

補聴器用電池の購入を

ランニングコストで考えてみると

(補聴器に1週間で1粒の電池を使用するとして)

片耳の場合、7~8年

両耳の場合、3~4年

でようやくトントンとなるところです。

 

これは、1パックの補聴器用電池を

700円程度でザックリ計算したものなので

ネット通販などで安く購入した場合、

さらにコストペイするには

長い時間を要します。

 

※電池コストの面だけの問題で

充電式補聴器には、エコの面と

電池交換の手間ではよい面もあります。

 

 

補聴器は、「空気亜鉛電池」を使います。

タイプは、PR41、PR48、PR44、PR536の4種類。

 

 

たまに、LRタイプやSRタイプのものを

間違って使用される方がおられます。

・LR⇒アルカリボタン電池(1.5V)

・SR⇒酸化銀電池(1.55V)

 

サイズが同じなので

使えないことはありませんが

電圧と放電特性が異なります。

 

空気電池の場合、

1.4Vの電圧を電池がなくなるまで

安定的に放電するので

補聴器の精密な動きを維持できます。

 

特に、補聴器にとって重要な「音質」は、

安定した電圧を維持しないと保てません。

 

電池の種類を間違ったために

必要な利得(音の大きさ)が得られなかったり

音質が劣化してききとりに影響しては

「補聴」の役目が果たせません。

 

 

 

ここまで空気亜鉛電池を説明すると

すごく万能で高品質の電池のように思えますが

この電池にも弱点はあります。

 

電池のプラス極面(平べったい面)の

空気穴が結露やシールの粘着剤でふさがれてしまうと

十分な空気が得られず発電しません。

 

また、乾燥状態や二酸化炭素濃度が高いと

電池内の電解質が蒸発したり劣化したりして

やはり発電や寿命に影響してしまいます。

 

補聴器トラブルの何割かは

電池の使用状態で発生しているので

「補聴器がおかしい!」と

慌てる前に

まず、電池を確認してみましょう。


補聴器が本当に必要な人とは?

2020-10-16 13:10:48 | 耳の危険

補聴器が本当に必要な人とは

一体、どんな人でしょう?

 

「難聴者」に決まっているでしょ!

という返答が当たり前かもしれません。

 

しかし、ある意味

本当に必要なのは

その「難聴者」の周囲にいる人たちかもしれません。

 

身近なところでは旦那さんや奥さんだったり

兄弟姉妹、子供さん、お孫さん、お友だち

 

デイケアサービスを利用されている高齢者の場合、

スタッフの方だったりします。

 

 

 

難聴の方は、意外にも

聞き取りに関して

それほど苦痛に思っておられない場合があります。

 

「私は、少々耳がとおいから…」

・2、3回繰り返してもらえば、聞き取れる

・多少、大きな声で話しかけてもらえば、話はわかる

・テレビは、ボリュームを大きくすれば問題ない

 

など、

 

 

しかし、きこえの不自由な方のまわりは

ご本人の思いはよそに

とても苦労や苦痛が伴うことがあります。

 

身近なご家族であれば

「何度も同じことを言わなければならない」

「大きな声で話すのは疲れる」

「会話をしてると、だんだんイライラしてくる」

「テレビを大音量にされて近所迷惑だ」

と大きなストレスを感じられていることでしょう。

 

高齢者のご夫婦で

一方が難聴を抱えていると

その難聴が原因になり

日常生活で喧嘩が絶えないということもあります。

 

当店に来店されるお客様の半分は

ご家族と同伴です。

そのうち、2割程度の方は

ご本人よりもご家族の方が

「補聴器をしてもらわないと困る!」

と言われます。

 

 

 

ある程度の年齢になって

新しいことにチャレンジするのは

面倒だったり苦痛だったりします。

 

それが、「補聴器」という

前向きに取り組むのが難しいものなら

なおさらです。

 

ききとりが十分にできていないと

いろんな意味で「損(そん)」をしてしまいます。

 

あるお笑い芸人ユニットの十八番に

「聞いてないよ~」

というのがありますが、

日常生活やお仕事の中で

「聞いてないよ~」は、

必ずしも笑いで済まされるとは限りません。

 

 

 

人の五感のなかで最も長く使われているのは

「聴覚」です。

胎児は、母親のおなかの中でも

外界の「音」や「声」は聴いています。

また、医学会の論文や記事でも

人は死の瞬間まで「きこえている」という研究があるくらいです。

 

 

 

きこえに不自由を感じ、

周囲の方に気を使ったり使われたりしているなら

少しだけ勇気を振り絞って

補聴器屋さんに相談してみませんか?