春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町活動エリア)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ
現在、日本補聴器市場では、
補聴器全体の2割程度が
RICタイプの補聴器となっています。
耳かけ型補聴器とオーダーメード補聴器の
イイとこ取りした小型耳かけとして
ここ数年、販売台数が増加しています。
レシーバーを交換すれば、
重度の難聴まで対応できるため
今後の補聴器の主流になると言われています。
各メーカーにレシーバーの種類や
耳栓の種類が豊富なので
幅広く難聴の方にお薦めできるのが特徴。
面倒な耳型採取があまりないため
メガネ兼業店さんでは
特に販売注力されています。
メーカーも新製品開発時、
まずは、RICタイプを
ラインナップの主力にする現状です。
便利なタイプなのですが
落とし穴もあります。
当店に来店されたお客様の例を
ご紹介します。
先日、来店されたS様は、
近隣のメガネ店さんで、
SIEMENS社の
PURE101 XCEL(ピュア101エクセル)という
RICタイプの補聴器を
2年前に両耳購入されました。
当時の定価は、
片耳:¥160,000
両耳:¥288,000
多少の値引きはあったそうですが、
結構大きな買い物だったそうです。
何度調整しても
なかなかきこえに満足されず、
不運にも今年になって
左側の補聴器を
なくしてしまわれました。
両耳でもききとりが不十分だったのに
片耳になってしまっては
ますます、ききとれません。
S様の聴力は以下のとおり。
更に、弁別能は、
右:45%(100dB)
左:70%(90dB)
左の補聴器は紛失されているので
詳細はわかりませんが、
右の補聴器は、
Mレシーバー(80dBまで対応)を採用し、
耳栓は、直径8mmのオープンタイプ。
低音域の聴力が落ちているので
Mレシーバーを採用しているのは理解できますが、
「なぜ、オープン仕様の耳栓?」
これでは、低音が抜けてしまって、
聞こえた感じがしないでしょう。
仮に、2年間の間に聴力変化があったとしても
現在の状況でこの仕様は、ありえません。
しかも、弁別能が45%(100dB)であることを考慮すれば、
きちんと密閉して
鼓膜面まで補聴器が増幅した音を伝えなければなりません。
今回、期間は短かったのですが、
S様とその家族の方の希望で
「きこえる補聴器がほしい。」と
買い替えになりました。
当店で提案させていただいたのは、
カナルタイプのオーダーメード補聴器。
メーカーの製造部の方と製作上の相談をして
耳道部を長目に作ることにしました。
弁別能のスコアが芳しくないため、
少しでも鼓膜面の近くで
音を伝え、補聴効果を出すためです。
本日、納品させていただきましたが、
S様の反応は、上々。
1週間程度ご使用いただいた後、
最初のフィッティングを行い、
効果測定を実施する予定です。
きっと、良いスコアが期待できるでしょう。
RICタイプの補聴器は、
とても優れた補聴器ですが、
仕様を間違った状態では、
難聴者のきこえを満足させることはできません。
次回は、RICモールドについて
メーカー比較を検証したので、
お伝えします。
本日は、以上です。
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