春日公園前の補聴器屋さん 『かすが補聴器専門店』のブログ

春日市・大野城市・太宰府市・那珂川町で唯一の補聴器専門店を開業しました。補聴器と聞こえに関する情報を取り上げていきます。

医療機器としての補聴器(その1)

2014-01-24 18:46:12 | 補聴器

春日公園前の補聴器屋さん(春日市、大野城市、太宰府市、筑紫野市、那珂川町中心)『かすが補聴器専門店』のブログへようこそ

 

 

最近、DVD映画鑑賞がマイブーム。

メーカー営業時代など、出張時は、地方の映画館でレイトショーに行ったものです。

あまりアルコールが得意な方でないので、出張時の楽しみは昔ながらの映画館で映画を見ることです。

平日のレイトショーなど、入場者が一人っきりのときなどもあり、貸切状態でなんとも贅沢な気分を味わえます。

福岡で一番好きな映画館は、中洲大洋。

 

 

九州一の繁華街、中洲にある歴史ある映画館です。

レトロ感満載で、ここには『昭和』が残っています!

なかなか見に行くことができませんが、時間を作って久しぶりに行ってみたいものです。

 

 

 

 

さて、本日は、「医療機器としての補聴器(その1)」について取り上げます。

 

 

よくお客様やそのご家族から補聴器と集音器との違いについてご質問を受けます。

「新聞広告や通販で売っている『補聴器』は安いけど、お店で売っている『補聴器』は高いよね?」

まず、価格についての違いを尋ねられます。

通販で販売されている集音器や補聴器の価格は、

数千円~5万円くらいでしょうか。

 

通販で扱われる耳かけ型集音器

 

通販で扱われる耳あな型集音器

 

一方、補聴器屋さんやメガネ店さんで販売している補聴器は、

片耳で4万円~45万円、

両耳で15万円~80万円オーバー。

実に10倍以上の価格差があります。

 

 

我々補聴器屋さんの立場からいうと、通販の集音器は『商売敵』みたいなもの…。

補聴器屋さんによっては、

「あんなもの使えませんよ!」と一喝される方もおられます。

しかし、消費者の立場からいうと、

価格的にもお求めやすく、

特に常時補聴器を必要としない軽度難聴の方からすると、

「ちょっと試してみる」にちょうどいいものと言えます。

 

 

最近では、補聴器メーカーが通販用モデルを出しているので、

意外と性能が良いものもあります。

通販モデルで性能・仕様で最もバランスが取れているのは、

オムロンのイヤメイト。

 

 

血圧計などを販売している会社ですが、

このイヤメイトを製造しているのは、日本の補聴器メーカー「リオン」です。

価格はだいたい¥19,800。

最近のモデルでは、デジタル化されているので、

従来のアナログタイプよりも性能面で向上しています。

 

 

いずれにしても、これら通販モデルの集音器・補聴器は、

難聴者の個々のきこえの状態(聴力)に応じて

細かくフィッティングできるものではありません。

基本的にはボリュームを操作して、

全体的に入力音を大きくするものです。

会話音声を大きくして聞きやすくしたいと思っていても、

同時に周囲の環境音も大きくしてしまいます。

 

 

老人性難聴の聴力は、基本的に高音漸傾(こうおんぜんけい)型。

 

一般的な高音漸傾型の聴力

 

高い音が聞き取りにくい状態になっています。

補聴器も集音器もこのきこえの状態に合わせるよう、

高音域の利得(ボリューム)が強調される音響特性になっています。

 

補聴器の高音域を強調した音響特性

 

 

この特性に合う難聴者であれば、通販モデルの集音器・補聴器であっても十分効果が期待されます。

 

 

私がメーカー営業時代、メガネ店さんで補聴器相談会の応援に出向いた時、来られたお客様の中には、

「通販で買った補聴器(集音器)だけど、もっと聞こえるように調整できますか?」と言われる方もいらっしゃいました。

ボリューム以外の調整ができないため、ほとんど手出しができなかったものです。

 

 

これら集音器・補聴器を試して、十分な効果を得られなかった軽度難聴者は、二通りに分かれます。

一つは、通販の簡易モデルではなく、補聴器屋さん(めがね屋さん)に行ってちゃんとした『補聴器』を作ろうという方。

もう一つは、「どうせ高い補聴器を買っても大して変わらないだろう…」という方。

後者の場合、ある調査では、聴力が低下して、補聴器屋さんに来るまで更に6~7年の時間がかかるそうです。

 

 

通販モデルの集音器・補聴器は、年間数万台求められています。

この要因は単に、価格が求めやすいというものだけではないと思います。

補聴器屋さんや眼鏡屋さんの広告の露出頻度に比べ、圧倒的に通販モデルの方が広告露出が多いためでしょう。

 

 

我々補聴器屋さんは、もっともっと消費者に対し補聴器の露出・啓蒙が必要なのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

 

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国内出荷台数

2014-01-20 17:22:35 | 補聴器業界

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毎日寒い日が続いています。

この1月は、当店の1周年キャンペーン。

来店されたお客様には全員に『エコカイロ』をプレゼントしています。

 

 

夏には『ひんやりタオル』をプレゼントしていましたが、

こんなアイデアグッズがお客様に喜ばれます。

わざわざご自身で買うまでに至らずとも、

もらえると「ちょこっと嬉しいな」と思っていただけるようです。

 

 

さて、本日は、「2013年第4四半期(10月~12月)の補聴器国内出荷台数」について取り上げます。

 

 

2013年最後の3ヶ月、各補聴器メーカーが出荷実績を発表しました。

第1四半期(1月~3月)…105.6%

第2四半期(4月~6月)…101.6%

第3四半期(7月~9月)…101.9%

といずれも『微増』状態でしたが、

第4四半期(10月~12月)は、出荷台数134,985台(前年比98.8%)と前年を割ってしまいました。

2013年の1年間トータルでは、出荷台数519,131台(前年比101.9%)とやはり『微増』といった状況です。

 

 

以前も述べましたが、少子高齢化が進み、老齢人口が加速度的に増えている状況では、難聴者の絶対数も増えていると思われます。

補聴器業界としては、最低でも5~8%くらいは前年の実績から増えていないといけません。

なかなか補聴器の普及・啓蒙が進んでいないのではないでしょうか?

 

 

細かく内訳を紹介します。

ポケット型…73.7%

前回が10%程度前年を割っていたので、更にポケット型の補聴器を求める方が減っているようです。

比較的安価で使いやすいタイプの補聴器なのですが、年々減少傾向。

当店でも昨年1年間で2台しか販売がありませんでした。

 

 

耳かけ型…104.6%

相変わらず、RICタイプの補聴器が業界を牽引しています。

 

RICタイプ(シーメンス社)

 

RIC(10A電池タイプ)…259.5%

RIC(312電池タイプ)…112.2%

312電池仕様通常耳かけ型…130.5%

この3タイプが唯一2ケタの伸び。

市場(補聴器ユーザー)の支持か、補聴器屋さんのトレンドなのかわかりませんが、小型耳かけ型が圧倒的に求められています。

当店で昨年1年間、小型耳かけ型タイプを購入されたお客様は、全体で31.0%、RICタイプの補聴器は、27.6%でした。

3人に1人は小型耳かけ型タイプを求められていますね。

業界のRIC率が18.7%なので、業界水準よりも高い割合です。(驚)

 

 

一方、耳あな型(オーダーメード)…94.8%

既成耳あな型…104.5%

と既成耳あな型が伸びていますが、絶対数が少ないために、耳あな型全体では、95.5%と前年割れを起こしています。

従来、『見かけ』を気にされる補聴器ユーザーは、耳あな型(オーダーメード)補聴器を求められていました。

耳閉感(こもり感)対策で手間を取られた経験を持つ補聴器屋さんが、積極的にRICタイプへとシフトしているのでしょう。

補聴器が初心者の方で、軽・中度の方にはいきなり耳あな型(オーダーメード)補聴器を薦めることは少なくなってきました。

 

 

出荷台数が『微減』しているのに対し、補聴器の平均単価(※工場出荷時)が4.7%アップしています。

金額で、2,600円(※工場出荷ベース)ですが、補聴器屋さんが「少しでも良いタイプを…」と補聴器を難聴者に提案しているのかもしれません。

アベノミクスで景気回復がメディアで強調されていますが、補聴器業界ではあまり影響が出ていないと言わざるを得ません。

 

 

2014年第1四半期(1月~3月)の実績は、4月に発表されます。

4月には消費税8%が実施されるので、駆け込み需要が色々な業界で期待されると思いますが、補聴器は『非課税』なのでほとんど影響を受けることがないでしょう。

しかし、4月以降は消費者の消費マインド減退が予想され、こちらには影響を受けるかもしれません。

 

 

今まで以上に、「きこえ」や「補聴器」に対する啓蒙活動が必要ですね。

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

 

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開業2年目スタート!

2014-01-07 16:40:22 | ブログ

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少々、遅いですが、新年あけましておめでとうございます!

仕事始めは、1/4からでしたが、年明け早々お客様の来店が続き、

嬉しい悲鳴でした。(笑)

昨年1/9に開業し、無事、1周年。

お客様、取引先様、仲間の補聴器屋さん、家族のお蔭です。

2年目は、飛躍の年にしたいと思います!

 

 

昨日、突然来店したお客様。

オーダーメードの補聴器をお持ちでしたが、

急に音が出なくなったということでご来店されました。

症状を確認すると…

電池蓋が破損し、電池が取り出せなくなっていました。

 

 

慎重にピンセットで電池を取り出し、動作確認をしました。

運悪く、中で断線しているのでしょうか?音が全く出ません。

当店で購入になったお客様ではなかったため、

購入してどのくらい経つのかお尋ねしたところ、

15年前とのこと…。(驚)

反対側にも補聴器をお持ちでしたが、

こちらも数か月前より音が出ないとか…。

 

 

両方のとも同じメーカーさんの補聴器なのですが、

購入したお店と時期はそれぞれ別だったそうです。

その場で、このメーカーさんのサービスセンターに問い合わせすると

どちらも修理が難しいとの返答。

理由は、

片方は、アナログタイプの補聴器で、

修理は可能なのですが、場合によっては高額な見積りが出てしまう可能性があるそうです。

こうなると補聴器を新調した方がいいかもしれません。

 

 

もう片方の補聴器は、廃版になって久しいため、

修理期間自体が終了してしまっているそうです。

私もメーカーに在籍していたので実情を言うと、

カタログ掲載から落ちてしまった製品は、

修理対応のため5~6年くらい

メーカーさんで修理部品をストックしています。

しかし、これ以上になると『修理期間満了』という連絡を

取扱いの補聴器屋さんに連絡して、

修理受付をストップします。

 

 

例えば、断線などの簡単な故障であっても、

補聴器の中を開けて修理する際、

『現状修復不可能』な場合、メーカーさんが責任を持てないので、

修理作業自体を引き受けないのです。

 「なんて不親切な!」と思うかもしれませんが、

責任を持てない場合、仕方ありません。

 

 

聴力測定を行うと、中等度難聴レベル。

補聴器がなくては、日常生活にかなり支障が出てしまいます。

お客様も今回思い切って補聴器を新調されることになりました。

ただし、15年前とは明らかにきこえの状態が異なります。

今回の製作では、

耳型採取を少々圧をかけて行い、

ハウリング対策と耳道内利得を稼げるよう、

深めに耳型を採っています。

 

 

再度メーカーさんの製造部に連絡を取り、

 ・使用中の補聴器(機種)

 ・現在のきこえの状態(聴力測定結果と弁別能)

 ・試聴した補聴器の機種・設定

 ・シェルのつくり(ベントの設定)

などを相談しました。

 

 

補聴器経験が長く、物持ちの良いお客様なので、

今回新調された補聴器もきっと大事にお使いになるでしょう。

納品までの間、全く補聴器が無いとご不自由なので、

仕様は異なりますが、

耳かけ型の補聴器をお貸出しいたしました。

 

 

納品までの1週間、楽しみに待っていただきます。

 

 

 

 

 

本日は、以上です。

 

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