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海外展開の夢と現実(カンボジア雑感)

2016-03-08 00:36:21 | 15期生のブログリレー

15期の小林です。

前回に続き、海外の話題をひとつ。

2月の14日、カンボジア プノンペンにて、
今年で4回目となるイベント、
「Cambodia×Japan Entrepreneur Festival2016」を、事務局長として開催してまいりました。

 今年も350名を超える、現地の意欲ある若者にご参加を頂き、
起業や会社経営にかかわる講演や、ワークショップショップ、パネルディスカッションなど、
を実施してまいりました。

日本からの参加者は、ほとんどが企業経営者や役員。
皆様それぞれの、業種・業態における得意分野で、カンボジアの若者にレクチャーい頂きました。


プノンペンにはここ5年間毎年訪ねていますが、プノンペンの街や、人々も、急速に進歩していいます。
 
カンボジアでは、資金をもっている外資を呼び込みたいという政府の政策もあり、
他のアジア諸国と比較しても、進出がしやすい環境を国が提供しようとしています。

例えば、
外国人でも個人事業で創業ができたり、
小売業や飲食・サービス業でも出資規制がなかったり、
加えて、流通している通貨も米ドルで、送金に対する規制も緩いとこなど、
創業に比較的有利な条件が多くあります。

また、そもそもカンボジアが注目される理由としては、
豊富で、比較的安価な若年労働力が多く存在すること、
人口構成が、若年層が広い、ピラミッドの形をしていうことから、
マーケットとしても、20代~30代の人々の耐久消費財をはじめとした旺盛な消費需要がみこめるマーケットとして、
魅力を秘めていると考えられているからです。

しかし、
これまで実際に、進出した中小企業は、半年から1年で、多くの企業が撤退を余儀なくされています。
昨年にオープンしたイオン プノンペンの飲食関連の10数店舗の企業も、3店舗を残し撤退。

現地で、土産物店をやっと軌道に乗せた、店舗の社長に話を聞くと、
撤退していく多くの企業が助成金を活用して、海外展開いるそうです。
そんな撤退をされていく企業を見て、その社長は、
国にお墨付きをもらった計画で、何故そう簡単に撤退していくのだと、
疑問を呈しえおられました。

この話を聞いて、私が感じたのは、これは、他人事ではない話だ、ということです。
おそらく、撤退した多くの企業の進出時には、助成金の獲得や、進出アドバイス等で、
私たちと同じ、中小企業診断士や、専門コンサルタントがかかわっていたに違いないからです。

そうしたアドバイザーは、
進出の動機、目的や進出時の調査、計画など、どのようなアドバイスがなされたのでしょうか?

カンボジアが成長していて有望だから、親日だから、日本は技術やおもてなしの精神があるから、
といった、何か日本に優位性があると錯覚をして、現地に乗り込んだ企業は、失敗をしているように思います。

もちろん、ある部分の技術やノウハウについて優位性があるのも事実です。
しかし、それをいかに現地に合わせたカタチで変化させ、粘り強く適応してゆくか。
そこが、できない企業は撤退をしていっているように思います。

それをやりとげるには、経済原理だけでなく、
現地のために役にたちたい、
持っている技術やノウハウはどうやったら現地で役に立てることができるのか、
といった現地に対する思いのようなものが必要だと感じています。


プノンペンには、9月にはANAの直行便も就航する予定で、
カンボジアは今後もますます注目を集めることと思います。

私たちコンサルタントも、真のアドバイスができるよう日々しっかりと修練すると同時に、
気持ちを引き締めて業務にあたっていきたいと思います。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
事務局 (佐野)
2016-03-10 09:22:09
小林さん、海外でのご活躍拝見させていただきました。カンボジアがこれから注目の市場であることや、現地の人々に寄り添う経営の大切さを学ばせていただきました。カンボジアでのイベントは成功されたようですが、是非その高い手腕を育成塾の次期事務局において発揮いただくよう願っております。
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熱気が伝わってきます (田本)
2016-03-10 17:08:33
カンボジアの若いエネルギーと小林さんの熱い心が伝わってきます。その地域で成功する=その地域に貢献する、そのための真摯な取り組みが必要とおっしゃる、かなり汎用的な、でもなかなかできない成功要因なのですね。私も海外進出に関して何らかの支援をしていけたらと思っています。
返信する
プノンペン (鴨志田)
2016-03-18 18:01:20
プノンペン、数年前に行きました。ニョニュムを発行している山崎幸恵さんの会社のスタッフマネジメントのお手伝いを少しだけいたしました。
その前は、平成18年、日本センターの開所式に参加しています。
私の印象は、目から輝いている若者が多いということです。
進出も、海外での講義も、お客様である現地市場に合わせるという点は共通ですね。
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