みなさん、こんにちは。稼プロ!18期の杉山 佳正です。
1年間続いた稼プロ!ブログ。私の回も今回で最終回になりました。前回のブログが最終講義前夜の出来事を書きましたので、今回は、当日の話を書きます。最終講義も、「さすが、稼プロ!は奥が深いなあ」と感心する内容でした。
最後の講義は、「聴く」の講義の2回目。“経営相談ロールプレイ”が行われました。“売上拡大”や“創業”、“事業承継”といったテーマを設定し、塾生同士が、相談をする人(企業の社長や、創業を目指す個人事業主など)と相談を受ける人(専門家)のそれぞれに役割を分担し、経営相談を模擬体験します。
専門家になって話を聞くといっても、解決策の提案よりは、まずは確実に相談者の状況を聴き、相談者が安心する対応を目指すことが、この経営ロールプレイの趣旨です。
私が専門家を務めた回は、“売上拡大”に悩むお客様の相談に乗るというものでした。お客様役の塾生は事前に資料(相談者のシナリオ)を渡されていて、それを元に専門家の質問に答えるのですが、このシナリオが非常によく出来ていて、実は裏テーマが隠されているのです。つまり、売上拡大に悩んでいますとやってきたお客様に対して、専門家として確認すべき事柄を丁寧に質問していくと、お客様が取り組まなければならない本当の課題が浮き彫りになってくるというシカケ。
私のお客様は、“売上拡大”という営業面で悩んでいるはずだったのです。しかし、よくよく聞いてみると、売上を伸ばすより、“経費”や“仕入原価”の見直しが優先的な課題と明らかになるシナリオでした。
確かに、実際の経営相談の現場でも、お客様ご自身が“真の課題”に気付いてやってくることはまれなのではなかろうか、と思います。丁寧に「聴く」を心掛けることで、顧客の課題を浮き彫りにする。浮き彫りになった課題について、改めて一緒に解決策を考えていく(もちろん、専門家なのですからお客様をある程度リードしていくべきでしょうが…)
「お客様に寄り添い助言・指導ができるコンサルタントを育成する」という稼プロ!の目的にふさわしい、本当に良く出来た内容だなあと最終講義にして改めて思いました。
講義のまとめでは、鴨志田塾長が、「聴く」スキルを使ってちょっと困惑する状況を乗り切ったという体験談をお話されました。塾長が講師を務めたロシアでのセミナーで、「なぜ、あなたの会社の売上が伸びないのか」と、受講者に尋ねたところ、受講者からは、「私の給料が低いからです」という回答。給料が低いから売上が伸びない……、日本人の感覚では、なかなか結び付かない回答ですが、丁寧に繰り返し聴くことで、受講者の回答の真意に迫っていき、そして受講者に気づきを与えるべくセミナーを進めたそうです。
振り返ってみると、私の仕事でも似たような経験がありました。ある会社の設備投資案件でのこと。企業規模に対して明らかに大きい投資額に対し、私が見直しを提案したところ、社長の回答は、「それなら金額をもっと増やせばよい」。投資額を増やした方が回収できるとは、いったいどんなカラクリが……。その時の私は、自分の主張を繰り返してしまったのですが、最終講義での学びから考えると、むやみに社長の考えを否定するようなことをせず、ひたすら聞き役に徹していれば、もっとスムーズに社長の真意に迫れたのかもしれません。
口で言うのは簡単ですが、ことさら「お客様に寄り添うこと」は容易ではないなあと、改めて思いました。
しかし、今の自分には1年間にわたって学んだ稼プロ!の教えがあります。「診る」「書く」「話す」「聞く」の基本スキルと、「三意」を胸に、自分に関わった方々を幸せにできるコンサルタントを目指して精進していくことがこれからの目標です。
鴨志田塾長、事務局・講師・OB・OGの皆様、1年間本当にありがとうございました。そして何よりも一緒に学んだ18期同期の皆様に大、大、大感謝です。本当にお疲れ様でした。これからも切磋琢磨し、末長いお付き合いを願えたらと思います。
最後にブログの読者の皆様、1年間、拙いブログにお付き合いいただきありがとうございました。