una buona osteria.

美味しいこと、楽しいこと、好きなこと、いろいろ書きます♪

三種の祝肴

2014年12月21日 | お茶のこと
2ヶ月半離れていた茶道に復帰すべく選んだ最初のお稽古は、茶懐石料理教室、テーマは初釜の点心です。
午後から雨の予報のさむーい日、茶道会館の門をくぐると、灰色の空にもかかわらず紅葉は美しく、寒かったこともすっかり忘れてしまいました。

紅葉



初釜の点心では、縁高に口取を盛りつけます。
みなさんには後ほど縁高に口取等を盛りつけて頂きます、と、先生。

縁高



てっきり先生のお手本を見ながら同じように盛りつけるのかと思っていたら・・・わたしは何も言いませんので、みなさんのセンスで盛りつけて見て下さいと、別室に口取や祝肴、縁高、扇型の木地の板をご用意下さっていました。

盛りつけ


わたし・・・イメージがまったく浮かばず、わたしたちのテーブルでは木地の板の外にも並べて、難しいですねーとわいわいしていたら、先生、斬新ですね・・・と半笑い。

先生の盛りつけの見本はこちら。

先生の盛りつけ


わぁ~~すべて木地に乗せるのですね・・・笑
高い物を奧に、中心にはメインのものを、それ以外は特に決まりはありません、と先生。
ただし、三種の祝肴(この日はたたきごぼう、数の子、田作り)は、八寸の盛りつけと同様、右上に山のもの、左下に海のもの、そしてその間にもう一種を並べて置くといいですね、とのこと。
すべての口取を縁高から出して、先生の真似をして盛りつけし直しました♪

おせちと言えば、三種の祝肴ですが、もちろんそれぞれ意味があります。
まずは、歯ごたえがあることが重要で、それは歯を丈夫にという願いからなのだそうです。
田作りは五穀豊穣を願い、ん?ごまめって片口鰯の赤ちゃんで海のものなのにどうして?昔は沢山獲れた鰯を、畑の肥料として使っていたんですって。田を作るから、田作り・・・ちゃんと考えたことなかった・・・。
ごまめは、じっくり煎ってから甘辛の味を付けますが、左がじっくり煎ったごまめ、右が煎る前のごまめ
見た目ではわかりませんが、食べ比べをしてみたら全然違う。こんなにさくさくに煎れるかなぁ~。

ごまめ


たたきごぼうは男の子が生まれるようにとの願い・・・今こんなこと言ったら叱られちゃいますね。
しかも、ごぼうが男の子って?!と思ったら、ごぼうから出ている根が、男の人の足を彷彿させるからなんですって。

たたきごぼう


かずのこはご存じの通り、子孫繁栄を願って、ですね。

かずのこ



この日のおやつは、クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、生クリームのクリームに、林檎のコンポートをのせて、くず粉でとろみをつけたコンポートのシロップをかけたもの。

林檎のコンポート



外は冷たい本降りの雨。
広間に通して頂き、本日もみなさんとご一緒に試食をさせて頂きます。
先生のお手本を真似したのがこちら♪

半月盆に縁高


向付は、鯛生寿司、あしらいにはめずらしい岩茸と、防風

鯛の生寿司


椀は蛤雑煮
大根おろしを蒸したもの、蛤を、焼いた餅の上に乗せて、薄葛仕立てのお雑煮です。

蛤雑煮


熱々の蒸し寿司の器には、香の物の載った木地の蓋、

香の物


蓋を開けると、たっぷりの錦糸卵と穴子の乗った蒸し寿司

蒸し寿司



試食の後は、先生のお道具のお話しを伺いながら、熱々の薯蕷饅頭とお薄を戴くというこの上ない贅沢。
お正客のお茶碗は暦絵の志野茶碗、待合の抱一画の新巻鮭といい、歳末ですねぇ~。

じょうよまんじゅう


あぁぁ~茶道ってやっぱり素敵です。
注文していた丹波の黒豆と、ごまめを受け取って外に出ると、雨に濡れた落ち葉もまた美しく、

落ち葉


雨にもかかわらず、足取り軽く駅までお散歩しました。