
19世紀前半のフランス、貴族階級はひたすら享楽に走り、新聞は体制派とアンチに真っ二つ、中小の新聞社は合併と分割の繰り返しの中で、利益の追求のみに躍起である。文壇は一線を画して独自路線にあるかと思えば、貴族階級に阿る輩も存在している。
無秩序と謀略の西洋時代劇。地方の庶民の出の主人公は、パリで一旗挙げようとすれど、スタート時のボタンの掛け違いが、限りなく周囲を巻き込みながら、破たんの道を進んで行くのだ。
僕の中で近年の名作に挙げられる
『アマンダと僕』(2019年)で繊細な主人公を演じたバンサン・ラコストが、新聞社の狡猾な編集者を演じている。10代から何本もの監督作を世に出しているグザヴィエ・ドランがパイプでハッシッシを吸う文壇の寵児を演じる。
149分の長編、寝なかった。