■5月月例ネット句清記
2019年5月12日
12名35句
01.毛の国の馬総立ちす日雷
02.夏川をジープ疾走蒼き空
03.渓谷の空あおあおと苔清水
04.麦秋の車窓となりぬ近江富士
05.見晴るかす車窓一望麦の秋
06.煽らるる白き葉裏や若葉寒
07.夏の大空の下カッター漕ぐ
08.一斉に変わる夏服中学生
09.新緑をより鮮やかに陽の光
10.天道虫見つけ嬉しや朝歩き
11.初夏や苗並べ配置決めてゆく
12.手伝いの孫の背高しトマト苗
13.赤々とレッドロビンの若葉萌ゆ
14.新緑のなかに佇みオーベルジュ
15.翌日は姿の消えし牡丹かな
16.葭切の騒ぎしあとの池静か
17.牧水の歌碑校庭に五月来る
18.ランナーが逆さに走る池若葉
19.球児らの声高鳴りて夏近し
21.駅出れば旧知の友と初夏の風
22.牡丹咲く上野の山の晴れ渡り
23.ユリノキの花黄色き袴着て咲きぬ
24.母偲び風炉の茶を立て供へけり
25.夕空の青く高かり風の薔薇
26.路筋に薔薇のあふるる三丁目
27.裏町の花屋も母の日カーネーション
28.今日がありまた明日あると花蜜柑
29.夏朝日たしかな朝のよころびに
30.くしゃみすることもわが夏の生活
31.藤の花見上げて歩くピクニック
32.初蛙声する方に大きな沼
33.東京眼下へ鶯の歌ひびき
34.麦熟れつつけぶる令和の雨後の空
35.窓若葉素焼きのカップに絵付けの黄
36.熟れ麦の香と水音へ一歩ずつ
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。
13)☆赤々とレッドロビンの若葉萌ゆ
レッドロビンとは、ベニカナメモチとオオカナメモチの交配された園芸種である。真っ赤な燃えるような若葉が特徴であり、如何にも活力を覚える。近年生垣用として重宝され、遠くから見ればその真紅は何の花か?と思う程鮮やかである。
25夕空の青く高かり風の薔薇
濃艶な花の姿を愛賞され、春秋に咲くもの、四季とともに咲くもの、色も形も多種多様で青空に映え、風によって甘い芳香も愛される素晴らしい花ですね。
06.煽らるる白き葉裏や若葉寒
初夏になり、若葉が街を明るくしている。そんな時に少し気温が下がり風も強く若葉が葉裏を見せている。若葉風の季語が効いている。
35.窓若葉素焼きのカップに絵付けの黄
一心に絵付けをしているところに、若葉風がそっと通り過ぎていきます。
25.夕空の青く高かり風の薔薇
風があってやや寒い日という印象を受けます。
日が最も長い時期に入り、青空が長く残ります。
その夕空の中に美しく咲いた薔薇の高貴な美しさが光ります。
28.今日がありまた明日あると花蜜柑
花蜜柑の清々しい香りと可憐な白い花に出会い、初夏の明るい季節の喜びが感じられます。やがて青い実をつけ、蜜柑色のみのり、瀬戸内の海も想像される花蜜柑です。
10.天道虫見つけ嬉しや朝歩き
朝の散歩で見つけた天道虫。ただそれだけで嬉しい。日常のひとこまに生きる喜びを感じます。
11.初夏や苗並べ配置決めてゆく
野菜の苗を植える時、苗は等間隔に植えてゆく。間隔が狭すぎて広すぎてもうまく育たない。
02.夏川をジープ疾走蒼き空
夏らしくて躍動感を感じる句です。蒼き空が清々しいです。