■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

■7月月例ネット句会/入賞発表

2022-07-11 10:10:08 | 日記
■7月月例ネット句会/入賞発表
■2022年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年7月11日

【金賞】
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子
合歓の花の背景として青を湛える島なみが絵画的な風景を見せてくれている。瀬戸内海の夏の夏の景色があくまでも優しく詠まれている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
20.生まれたて影を連れてる子のメダカ/祝 恵子
生まれたばかりなのに、影を連れて泳いでいる。実態が確かであればあるほど、影も確かであると思われるが、生まれて早やも影がある存在の確かさをさりげなく詠んで涼しそうだ。(髙橋正子)

36.桃ゼリー匙の冷たさ一瞬に/髙橋句美子
桃ゼリーを匙に載せたとき、ゼリーの冷たさが匙に伝わり、それが舌に伝わったときに驚くような一瞬の冷たさ。桃ゼリーと匙の取り合せに涼感がある。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔/小口泰與
山女を釣るのは難しいと思われるが、それを釣りあげた子ども誇らしげな笑顔が健康的で素晴らしい。(髙橋正子)

13.日傘さし遊覧船で堀巡り/高橋秀之
堀を巡る遊覧船でゆっくりすごす日傘の人。湖や川ではなく堀というのも庶民的。日傘と水のある風景が目に眩しい。(髙橋正子)

28.ジャガイモの葉へ夏蝶の風に流れて/吉田晃
ジャガイモの葉も収穫前となり青さえ闌けた色になっている。そこへ夏蝶が風に流されてやって来る。風も蝶もジャガイモの葉もみんな季節の出会いのなかにある。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子
合歓の花が咲くのは梅雨明けから盛夏のころ。独特の花の形と色合い、香りです。その花の姿の彼方に見えるのは青い瀬戸内海、景色の大きな広がりを感じます。 (多田有花)

20.生まれたて影を連れてる子のメダカ/祝 恵子
メダカの子が自らの影を伴って、水槽か池を泳いでいる姿が微笑ましい。作者の子供が成長する姿を重ねながら詠んでいるようで、想像もふくらみます。 (弓削和人)


25.ピーマンとトマトと水に浮き動く/髙橋正子
ピーマンとトマトの色彩もよく、冷水にぷかぷか浮いている様子は、涼しげで、何もかも水に浮かべて冷やしていた懐かしい夏の光景を思い出します。 (柳原美知子)

04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔/小口泰與
13.日傘さし遊覧船で堀巡り/高橋秀之
28.ジャガイモの葉へ夏蝶の風に流れて/吉田晃
36.桃ゼリー匙の冷たさ一瞬に/髙橋句美子

【髙橋正子特選/7句】
01.初蝉の少し鳴いてはそれつきり/桑本栄太郎
今は、一匹が鳴き始めると大合唱ですが、毎年、初蝉はまさにこの句のとおりです。いよいよ暑い夏が来るぞ、の心の準備期間なのでしょうか。(高橋秀之)
すぐ鳴きやむ様を「それっきり」という言葉で見事に表現していると思いました。状況や光景が自然と浮かびました。 (西村友宏)

11.皿ケ嶺ブナの葉陰に清水放ち/柳原美知子
一読して涼しさが溢れてくる句です。四国山脈の仰ぎ見る高さ、そのひとつ皿ヶ嶺から流れ出る清水、ブナの中を吹き渡る涼風が肌に感じられます。 (多田有花)

34.日が沈む七夕祭りのアーケード/髙橋句美子
七夕祭りをしている商店街の向こうに日が沈むのでしょうか。日が沈みお祭りはこれから本番という切り替わり時が感じられます。 (高橋秀之)

04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔/小口泰與
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子
13.日傘さし遊覧船で堀巡り/高橋秀之
20.生まれたて影を連れてる子のメダカ/祝恵子

【入選/17句】
02.雨雲の嶺より峡へ戻り梅雨/桑本栄太郎
梅雨明けが非常に早かったためか、その後またぐずついたお天気が何日かありました。梅雨明け宣言もなかなか難しい判断です。雨雲が漂う山々の様子を広くとらえられています。 (多田有花)

03.夕暮れの川に水輪や宵涼し/桑本栄太郎
 夏は暑い季節であるから、ひとしお涼気が意識される。夕暮の川の瀞に水輪が生まれ、瀞の静かな流れに夏の暑さを忘れる事が出来ますね。 (小口泰與)

05.幼子の頬っぺに紅や夏祭/小口泰與
久しぶりの夏祭りに、幼子もお化粧してもらって、これからいよいよ出番です。笑顔あふれる真夏の宵が想像されます。 (柳原美知子)

07.逝く蝉の瞳は天を仰ぎたり/弓削和人
ころんと仰向けになっている蝉の亡骸をよくみかけますが、こんなふうに考えたことはなかったので、その発想に惹かれます。短い命の尊さが思われます。(柳原美知子)

10ズッキーニやっと雄花が咲き受粉/柳原美知子
同じように苦瓜に受粉した経験があり、やっとに実感がわかります。 (祝恵子)

16.東雲の空灼熱の予感あり/多田有花
早く梅雨明けとなったかと思えば、又戻り梅雨などもありながら日毎に暑くなり、6月中より全国至るところに於いて最高気温の猛暑日です。朝戸外の東の空を眺めれば、うっすらと霞みが差し今日も灼熱の暑さの予感です。 (桑本栄太郎)

17.女子のさす日傘男子もためらわず/多田有花
先日、親娘ほど歳の違う女子の日傘に入れてもらいました。これだけ暑い日差しを受けると、まさにためらわず、です。 (高橋秀之)

24.曲がり角占めて咲きたり鉄砲百合/廣田洋一
群集している鉄砲百合の存在感が感じられる句です。 (髙橋句美子)

31.風鈴の音に佇む駄菓子店/西村友宏
風鈴も騒音問題があって最近ではあまり見られなくなりました。風鈴の音を響かせる駄菓子店に出会い、ふと子どもの頃を思い出されたのでしょうか。 (多田有花)

33.あたらしい日傘が光る日曜日/西村友宏
男性も日傘をさす昨今。新しい日傘をご自身でさされたのかあるいは奥様との相合傘でしょうか。傘に透ける日差しの中で、少し照れくさいような楽しい日曜日です。 (柳原美知子)

06.山にまだ日の有るうちやビャーホール/小口泰與
09.高き日や野露は峰の雲となり/弓削和人
14.友と行く夏の立山空青し/高橋秀之
21.降り初む植田に雨のはじく粒/祝 恵子
23.夜店の灯鳥の飛び立つ飴細工/廣田洋一
30.甲羅干す子らは河原に夏蓬/吉田晃
35.夏氷ガラスにカランと塊を/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
37.扇風機となりの妻も風を受け
会員の俳句を整理しておられるのだろうか。松山の先生宅で、私がいつも見ていた光景だ。時々言葉を交わし、また机に視線を戻す。水煙創刊以来ずっと続いて来たお二人の姿なのだろう。(吉田晃)

39.西瓜食う妻も隣に座り来て
西瓜を切って、ご主人のいる卓に奥様も座って、一緒に食べた。さりげない日常の景色を上手く詠まれた。 (廣田洋一)

38.西瓜食う三角小さく切り分けて

■選者詠/髙橋正子
25.ピーマンとトマトと水に浮き動く
ピーマンとトマトの色彩もよく、冷水にぷかぷか浮いている様子は、涼しげで、何もかも水に浮かべて冷やしていた懐かしい夏の光景を思い出します。 (柳原美知子)

26.メロン二艘真白き皿の上に浮き
27.昼顔はいつしか好きな花であり

■互選高点句
●最高点(5点)
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子

集計:髙橋正子
コメント (11)
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