絵話塾だより

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2020年1月17日(金)文章たっぷりコース第5回目の授業内容(高科正信先生)

2020-01-21 22:01:38 | 文章たっぷりコース
文章たっぷりコース、今年最初の授業は、ちょうど1月17日ということもあって
高科先生が25年前どうされていたかという話から始まりました。
当時毎日釣りに行っておられた先生は、
前日の夜ボラの大群が海をぴょんぴょん跳びながら、帯になって西へ泳いで行くのを見たそうです。
頭上ではカラスの群れがカァカァと鳴きながらぐるぐる回っていたとか。
動物たちには地震が来るのが分かっていたのですね。

まず、前回提出した課題を返していただきました。
全員の文章を3回ずつ読んで、送り仮名や原稿用紙の使い方の間違いを正したうえで
感想やアドバイスを書いてくださっています。これはとてもありがたいです。
そして、前回出ていた課題「もしも命があと3日しかなかったら」を提出しました。

授業は子どもの書いた文章の紹介から始まりました。
灰谷健次郎さんが編纂した『せんせいけらいになれ』から
3年生の女の子が万引きをしてしまった時のことを書いた
「チューインガム一つ」という詩を朗読してくださいました。



いろいろ考えさせられる内容でしたが、こういう子どもたちが、
大人になって必ずしも素晴らしい人になれるという訳ではないけれども
幼いながらもこのように心を打つ文章を書くことができるのだということを知りました。

他にも、同じ灰谷さんの『マコチン』や『マコチンとマコタン』という作品を紹介してくださいました。
こちらは実在する子どもの行動を元にして、お話にしたものだそうです。



遠藤豊吉さんが子どもの作文を紹介した本の中から
4年生の男の子が書いた「国語辞典とふんどし」を朗読してくださり
子どもの文章の面白さを知りました。

次はいつものテキストから、スティーブ・ジョブズのプレゼン(講演)について学びました。



プレゼンですから、ジョブズの場合は当然話し言葉です。
話し言葉が聴衆に届くためには、準備をして、組立てて、その人たちに届くようにしなければなりません。
その作業は、基本的に書くことと同じだというのです。
文章を書くことの中には、文章表現だけなはない重要なことがあるのです。



ある作家の言葉に、1時間喋るためには準備に2〜3日必要で
30分なら1週間、10分なら一月はかかる、というのがあるそうです。
実際の時間が短いものほど、準備に費やす時間がいっぱいかかるという例えです。
自分の考えを頭の中で組み立てるのは難しいけれど
話し言葉であっても、ジョブズのプレゼンは優れた文章であるということが分かりました。

休憩をはさんで、今日のワークショップは
ひらがなとカタカナだけで子ども向けの文章を書くというものでした。
5〜6歳くらいの、ひらがなの読み書きができるようになった子どものための作品です。
書き始めが「ぼくはタコです」から始まって、最後までですます調を崩さず書くのですが
その前に、長新太さんの『ぼくはイスです』を読み聞かせてくださいました。



こんな風に、読んだあとで「ああ、おもしろかった」という感想が出るような
へんてこな話を、20分ほどでみんな頭をひねって書きました。



書いた後にそれぞれ自分の作品を朗読して、今日は終わりです。
皆さん書き始めが同じでも、その後の展開は全く違っており、楽しめました。

最後に、次回までに今日書いたものを1200字にふくらませて仕上げてくる、という課題が出ました。
1200字というのは、ひらがなの読み書きができるようになった子どもが
自分で読んだり、読み聞かせをしてもらう時に理解できる最多文字数なのだそうです。
そのために、子どもに飽きさせないための、思わぬ展開や最後のオチも必要になってきます。
1200字ちょうど。それより多くても少なくてもいけません。
難しい! でも、アタマを使うのも楽しそうです。

それでは、頑張って書いてきてください。

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