怪人クンのムフフ日記

ムフフ、ムフフ、時々オヨヨの〝怪人クンワールド〟炸裂!
あの大物も、この人も。愉快な仲間続々登場!

世界に一つの、ネオン街“二人芝居”

2005年07月12日 | Weblog
クラブのホステスもキャバクラ嬢も“女優”である。人気商売である以上、嬢である彼女たちにもランクが存在する。そこには闘いがあるのだ。主役を張れる“人気女優”と脇役に甘んじてしまう“女優”。前者は指名客を多数持つ嬢のこと。後者は主にフリー客を相手にする嬢を指す。いわゆるヘルプというやつだ。舞台や映画の世界で言うとエキストラということにもなる。
彼女たちが素の自分から源氏名に“変身”して店という舞台に上がる。そんな彼女たちと時間を過ごすお客は、この世に一つしかない“作品”の“共演者”だ。

“人気女優”にはあちこちの“共演者”からのラブ・コール、出演依頼が殺到する。指名のことである。同伴もしかりだ。同日、あるいは同時期ににいくつもの“作品”に出演しなければならない。“作品”は常に同時進行なのだ。これも“人気女優”の宿命だ。体力的にはかなりハードだが、高額なギャラが舞い込んでくる。彼女たちにしてみれば嬉しい悲鳴である。
オファーがくれば“女優”はプロとしての仕事をこなさなければならない。「こんな“作品”に出たくなんかないわ!」「こんな“共演者”なんかと芝居はいやよ!」
わがままなどは言ってられない。人気があるがゆえに“出演作品”が重なることは日常茶飯事となる。客Aとは『a』という作品を、別の客Bとは『b』という作品の“二人芝居”をこなさなかればならない。

“作品”にも指名客と回を重ねる「連続モノ」とフリー客との「単発モノ」とがある。“人気女優”も時には一見さんと言われるフリー客との“単発ドラマ”(1話完結)を共演することもあるのだ。彼女たちはプロである。そんな時は何とか“連続ドラマ”になるよう“共演者”を振り向かせようとがんばる。舞台で言うなら観客動員増加を、TVで言うなら視聴率を上げることに相当する。“人気女優”の腕の見せ所だ。

“共演者”である男たちは夢を見る。“恋人役”を演じた時間が現実なら何て素晴らしいことだろうか…と。しかしである。時間は止まってはくれないのだ。60分後、あるいは90分後、いったんカチンコが鳴り「ハイ、OK!」の声がかかればその“二人芝居”は終わるのだ。“女優”たちは実にあっけらかんと「お疲れさまでしたぁ~」と何もなかったかのような顔で消えていくのだ。『“共演者”はあなただけじゃないのよ…』。彼女たちにはすぐそこに“次の舞台”が待っているからだ。
恋におちる“共演者”も少なくない。こうなるとなかなか面倒なことも起こるのだが…。一度この“舞台”を踏んでしまったら“共演者”はとりつかれるのだ。また上がりたくなってしまうのだ。そんな時はどうすればいいのか?道は一つ。上がりたければそこに行くしかないのである。そこからはどうあがこうと逃れることはできないのだ。

これはあくまで怪人クンのネオン街“二人芝居”論である。こんな理屈は笑い飛ばしてもらって構わない。遊び方もスタイルも人それぞれに違うのだから。
今、ネオン街で“連続ドラマ”進行中の人も、もうすぐ一つの“ドラマ”が完結を迎える人も“世界にたった一つの二人芝居”を作ってもらいたいものである。


※月曜日の22時過ぎ、『報道ステーション』(テレビ朝日)でキャスターの古舘伊知郎氏がプロレスラー橋本真也さんの死についてコメントしてましたね。古舘氏は“殉職”という言葉で橋本さんの死を締めくくっていました。古舘氏らしい言葉でした。“破壊王”橋本真也さんのご冥福をお祈り申し上げます。
※橋本さんの死について怪人クンにも数本のメールが友人から届きました。イタリアの猪木塾に参加した“漬け物くん”からもありました。
※“もう一つのコロッセオ”。ポンペイにある2万人収容の競技場(写真)。