かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

認知症で食べることを忘れる???

2013年08月24日 | 日本の病院での奮闘記

とってもご無沙汰してしまいました。

毎日があっという間で、更新をできずにここまで来て、

2013年2回目の書き込みになってしまいました・・・

でも、だからといって書かないのではなく、できる範囲で続けていこうと心に誓いました・・・

さて、先日病院勤務がようやく1年を超えました。日本に帰ってきてから1年ちょっとです。

臨床の現場でも日々40~50人の患者さんを任されるようになり、

先生に点滴の処方について改善の依頼をしてややバトルになったりと

相変わらず苦戦しています。

でも最近は「TPNの処方お願いします~!」という依頼も増えてきていてそのあたりはうれしい感じ。

でも信頼して依頼してくれたからにはしっかり最適なものを提案できるように

努力していきたいと思います。

 

さて、先日、認知症の老人が熱中症で私の病棟に入ってきました。

なんと、介護をしていた妻は同じ熱中症で搬送され、お亡くなりになったのです。

本人は点滴を2日したらとっても元気になり、認知症はあるものの、

食べられるはずなので食事が開始になりました。

・・・しかし、、、「なんでも食べるよ~」と言いながら全然食事に手を出さないのです。

お腹はすいているはずなのに・・・。

奥様がなくなったことについては認知症のため、全く理解ができず、

精神的には落ち込んでいる風でもなくにこにこしているのですが・・・。

何が食べたいか聞いてもまともな返事が返ってこないため、お箸やスプーンではなく、

手で持って食べる食事だったら口にもっていくのではないかということで

パンを試してみることになりました。

ロールパン一個とジャム&マーガリンと牛乳

ロールパンを手に持たせてみると・・・

おおお、食べた!

手でちぎって少量口に入れてもぐもぐ・・・

むしゃむしゃ・・・

パンばっかり食べるので牛乳を進めてみたらパンで喉が渇いたのか、

牛乳も飲みました!!!

パンと牛乳以外には手をつけませんでしたが、

どうやら食べる行為自体をしばらくしていなかったらしく、

しばらくはパンと牛乳を毎食出すことに。

その後このおじいちゃんは2割→4割→6割→8割・・・と摂食量を増やしていき。

最終的にはパンではなく、おかゆもおかずも食べるようになりました

食べる行為って、動物的なものなので忘れるってことはないと思っていましたが、

認知症で食べることを忘れてしまうこともあるのね・・・

介護する家族がいないのでまだしばらく私の病棟にいらっしゃいますが、

今では摂食100%の摂食優秀患者さんの一人です

 

奥様が亡くなられたことがわからないのって、悲しい気もしますが、

考えようによっては幸せなのかな・・・

認知症って、年をとって起こる悲しいことを感じられなくなるって点では

うまくできているのかもしれませんね。

私の祖母も認知症がどんどん進んでいるので

認知症についてはいろいろ考えさせられる今日この頃です


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