相撲史に関心・興味のある方どうぞ

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楽観できない角界の前途

2024-03-21 21:35:32 | 日記
 久しぶり古雑誌『大相撲』(読売新聞社刊)の
彦山光三論文を抜萃してみたい。昭和三六年
五月号「弟子づくりの七名人」より。

〔前略〕ある会社がもし十人の新社員を必要とする
ばあい、何らかの方法で募集しさえすれば、立ちど
ころに何百・何千の自弁による大学卒業の応募者が
殺到するにきまっている。会社は試験によって好き
勝手に所要の十人を選ぶことができる。 ところが
大相撲界はそうはいかない。この社会では新弟子を
集めて食べさせて着せて小づかいをやって、いわば
幼稚園から小学校・中学校・高校・大学まですべて
を経営しながら、その弟子たちを修行させなければ
ならない。
 つまり五十人の幕内力士をそろえるためには、年
がら年中千人前後の修行者を養成しつづけなければ
ならない。それが大相撲協会であり、その協会の仕
事を各部屋─年寄たちはそれぞれ独立の立場から分
担しているわけあい。〔後略〕

 現代日本は「人口減少」社会であり、角界は新弟
子難に陥っている。そのため弟子のスカウトは専ら
大学相撲部等々のアマ相撲界から有望力士を発掘す
る方が手っ取り早い━大抵の親方衆の念頭にあるの
は昔とは隔世の感を禁じ得ない。兎に角、力士総数
だって数年後には500人を割込みそうだ。
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1 コメント

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前途暗雲 (jingoyama)
2024-03-22 14:44:32
よく書いてくれました。私はいずれ力士が400人と予想する。そうなると年寄ばかりが多くて、やっていけなくなるだろう。年寄削減の大ナタを振り下ろす時がくるであろろう。大相撲だけは全く未経験者がプロとなれるが、各年寄は数合わせでそれに手を出さないでほしい。そんなに甘い世界ではない。とにかく結婚しない時代になってしまった。恐ろしいのは、いずれ日本も徴兵制でないとやっていけなくなるのは、理の当然である。その時になってあわてても遅い。

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