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webオンラインソフト(その3)
ANOVA君 と js-STARについて.
新春にあたり「医学と統計」をよろしくお願い申し上げます.
さて、
昨年に引き続き「ANOVA君 と js-STAR」の作者に敬意を持って前回の例題について考えてみたいと思います.
前号では情報統計研究所の「やさしい医学統計手法」から引用した例題を少し改変して使用しました.そして、
「ANOVA君 と js-STAR」の結果は時系列 ( t0 ~ t4 ) の血中コレステロール値に有意差がみられず、脱コレステロール剤の効果が見られない様な結果となりました.それは、
要因(A)と要因(B) を「対応なし」としていましたが、ここでの血中コレステロール値は同一被験者について時系列で観察 ( 測定 ) している訳ですから、時系列データは 「 対応あり 」 とすべきではないでしょうか.
そこで、
二元配置分散分析では 「 対応なし 」 と 「 対応あり 」 の混合タイプ ( AsB ) として「ANOVA君 と js-STAR」で分析してみましょう.早速やってみますが、既に分析環境は整っているものとします(前号・前々号参照).
ANOVA君のデータフォームは表1 の通りです。
表1 ANOVA君のデータフォーム(AsB)
ANOVA君の分析結果は表2 の通りです.
表2 ANOVA君の出力結果(AsB)
表2 の出力結果では、時系列 ( 要因B ) に有意差があると判断されました.すなわち、脱コレステロール剤の効果があったと判断された訳です.次に、
js-STAR でのデータフォーム ( AsB ) は表3 であり、その分析結果は表4 の通りです.
表3 js-STAR でのデータフォーム ( AsB )
さて、
SPSS では Mauchly's test が出力されますが、ちなみに、本例題での Mauchly's test の結果は、
W=0.0314 ( p=0.6014 )
でした.
SPSS では 「 球面性の仮定 」 ( Sphericity assumption ) として、チョット難しそうな名前の検定結果が載っています.簡単に言えばバランスのとれたデータかどうかの検定とでも言うものでしょうか.ここでは SPSS については述べませんが、 「ANOVA君 と js-STAR」の結果と一致しています.
次回の話題は未だ決めていませんが、今年もコーヒブレイクに浮かんだものをご紹介したいと思っています.