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各専門分野の統計技術、方法、テクニックなどを気ままに分かり易く例題をもとに解説します。

医学と統計(28)

2008-11-05 11:05:56 | 日記・エッセイ・コラム

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情報統計研究所に寄せられる依頼や相談で多い分析にロジスティック回帰分析が有ります。幾度かこのブログでも書いてきましたがもう一度、この分析をご紹介しておきたいと思います。分析の対象が「Control 群(0)/Patient 群(1)」など2値データで与えられているとき2項分布を仮定したロジスティック回帰分析が医学分野で幅広く用いられています。回帰式 logit(p)=log(p/(1-p)=b0+b1x1+b2x2+・・・・, に当てはめて p<=0.5 なら Control 群 とか p>0.5 ならPatient 群とかに判別します。
pの値は Z=b0+b1x1+b2x2+・・・・ , のとき、p=1/(1+exp(-Z) で求めます。

医学分野で多用されるのは、単に回帰式による判別だけが目的ではなく、ここでの p/(1-p) はオッズを表しています。したがって、推定された回帰係数(b1 , b2) の exp(b1) , exp(b2) はオッズ比となります。医学分野では回帰係数の有意性から有意変数を推定すると同時にオッズ比を知る事が出来るので多用されているのかも知れません。オッズ比の95%信頼区間は exp(b1±1.96*SE) から求めます(SE=回帰係数の標準誤差)。統計ソフトによっては exp(b1*(max-min)±1.96*SE)で出力されるものも有ります。回帰式による判別は cutoff 値を 0.5 として Control 群か Patient 群かを判別します。目的(従属)変数と説明(独立)変数が「0 と 1」のダミー変数であれば名義尺度かどうかを気にせず量的変数として扱うことが出来ます。しかし、統計ソフトによってはオッズ比の「0 に対する 1」の対数を回帰係数としている場合が有りますので、回帰式の判別(Cutoff=0.5 による)に気をつけて下さい。