2015年6月14日(日)~15日(月)の一泊、福島県南会津町の湯ノ花温泉に宿泊しました。 14日(土)は尾瀬沼を歩き、15日(日)は田代山に登りました。 桧枝岐村まで行かずとも、早朝から山に登ろうと思えば舘岩のあたりでも自宅から直接現地に着くのはかなり難しく感じます。 何か他の行事と絡めて一泊できればこんなにうれしいことはありません。
もちろん、行事がなくてもこの時期の南会津は一泊できれば行きたい放題です。w
今年は田代山を猿倉登山口から登りたかったので、宿泊地候補第一位はもちろん湯ノ花温泉。 ただ、一人で泊めてくれるのかどうか。 けれど最近気付きました。 山登りや釣りなどが盛んな山間部の宿は案外一人でも泊めてもらえるものだな、と。 ただ、いきなり電話で問い合わせをする勇気はなく、なるべくネットで宿の写真や料金を公開しているお宿を探して。。。
たどり着いたのが
「紅葉館」さん。 一番興味があったのが宿専用の露天風呂。 そしておかみさんのブログ
「めぐみ日記」を拝見すると、お宿のこと、地域のこと、農作業のことなどが書かれており、大変好感をもちました。
15日のお天気を見ていて、ようやく13日(土)の午前中に晴れマーク、登山指数Aがついたので、「いやっほ~いっ!」と宿に予約のお電話すると、「うち、お風呂ないんですよ。地震の時からお湯が出なくなって。」と。 けれど私の頭の中には紅葉館さんに泊まることしかなかったので、「一人でも迷惑でなければ泊めてください。」と言うと、「本当に宿泊者一人ですよ。ww」と。
そんな話も聞いていたので、尾瀬沼でやまとそばさんから「車中泊する」と聞いた時には是非巻き添えに!、と思ったのです。w 「お客が来ないようなひどい宿なのかもしれない。 一人じゃ不安。」っていうのもあったかも。w
ところが宿の夕食の時間になるとどうでしょう。 テーブルいっぱいに並べられたお料理。 どれも地域の季節の物ばかり。 本当においしい!
これにイワナの塩焼きやそばがきの田楽、そばがきのお汁などが出てくると、美味しい、珍しいの玉手箱や~!\(^O^)/
イワナは2時間炭でじっくり焼いたそうで、頭からかぶりついても骨ごと食べられて、柔らかくてお~いしぃ~! そばがきの田楽は揚げたそばがきにエゴマのたれがかかっていて、これもほんとおいしいっ!
お汁にもそばがきが入っていて、緑の葉ものはアイコ(イラクサ)、シドキ、ワラビだそうです。 想像つかないでしょ? これもおいしかったよ~!!
そして野草のてんぷら。 内容は季節によって変わりますよ~。 その時に採れるものだけ! 〆のおそばはもちろん、おかみさんが打った会津の裁ちそば! おそばがまた細くてしなやかで。 たっぷり盛っていただきました!
朝食がまた豪華でねぇ。 お風呂は無いけど、なにしろここは湯ノ花温泉ですからモーマンタイ! 宿泊料がこれでなんと 7,560円(税込)! お風呂は2日間利用券300円を購入しますので、合計 7,860円ですのよ、奥さん!
「ほんとに良い宿でしたよ~。」と言うと、おかみさん「そうですかぁ~。湯の花温泉はみんなこんなですよ!」と。 恐るべし湯ノ花温泉!
で、その湯ノ花温泉の入浴所ですが。 湯ノ花地区には4つの共同浴場があります。 入浴券を買うと4つのお風呂どこでも入り放題です。
R121を岩舘郵便局前で350号線に入り、舘岩小学校を越えてさらにまっすぐ行くと右手に「星酒店」という お店があります。 その向かいに湯ノ花地区の案内看板がありますので、まずはそこで4つの入浴所のチェックをしましょう!
(紅葉館さんのサイト「アクセス」でも見られますよ。)
というか、星酒店すぐ隣が上の左写真、「天神の湯」です。 右写真は少し歩いた川沿いにある「石湯」です。 この大岩が本当に入浴所の建物にめり込んでいるというか、岩のある所にわざわざ建てたのか。。。なぞ。w
以前ふぃふぁさんの所で見たと思うのですが、この石湯は木賊温泉にあると思っていたのに、ここにあってビックリ! ここに来るまでの小道とか橋などがまた風情があって良いのです。
で、上の二つは混浴です。 地元の方が入ってゆくのを見ましたよ~。
上左写真が「湯端の湯」です。 ここが一番源泉に近く、温度が一番高いのだそうです。 建物後方の山腹には神社が祀られています。 こちらの温泉は男性、女性、地区の人用、の三つに分かれています。 中は覗きませんでしたが、たぶんシャワーはないのです。
で、右の入浴所が「弘法の湯」で星酒店の目の前にあります。 入浴券は星酒店で買えることは確かですが、閉まっていたらどうするのだろ? どこかお宿にでも問い合わせてみてください。
この弘法の湯が観光客には一番使いやすいでしょう。
広々とした休憩所のようなスペースにはコインロッカーもあり、お風呂にはシャワーもついています。 外にはトイレもあります。
お湯の温度もここが一番低い、と言っていました。 私は熱湯が好きですが、ちょうど良かった。
さて。 お風呂上がりに左上の説明板を読むと。。。そうそう。 なぜそもそも「弘法の湯」なのか。 なぜ田代山の山頂には弘法太子さまが祀られているのか。 そんなことが書いてありました。
温泉や鉱山などは偉人が発見した、動物が傷を癒していた、などの逸話が数多く着いて回るようです。 それには実際仏教には温泉に入ることによって身体を治す、ということが取り入れられていたり、修行で山に入るだけでなく、鉱山などの発見により、人々に富をもたらすことが良い行いであった、と言う事もあったようです。 そんなわけで、高僧が温泉や山に現れることは実際あったようなのですが。。。
湯ノ花温泉には空海(弘法大師)の「入定留身の秘影」言い伝えが残っているそうです。 良く判りませんが(^o^; 、「入定」とは死してなお魂が生き続ける状態になることだそうで、空海は入定後肉体すら生き続けている、と言われているのですね。
その修業を田代山で行ったらしい、ということでしょうか。 そんないわれがもとで1912年7月30日にまだ登山道もない田代山に高野山からの二人の高僧と湯ノ花温泉の神主が、弘法大師の座像一体を運びあげ、現在の避難小屋に大師堂を作って祀った。 もう一体を弘法の湯に納め、人々から厚く信仰された、ということらしいです。
その際にこの2体の弘法大師さまの座像を運んだかごが今でも残され、この弘法の湯の天上に保管されている、と書かれているのですが。。。「えぇっ!」と仰ぎ見れば、あれでしょうか。(右写真)
ところがこの弘法の湯にあった大師の座像は数年前に盗難されてしまったのだそうです。 なんてことでしょう。
さて、田代山登山の後、入浴中に鳴っていた雷もおさまり、陽も射してきたので、時間も少しあるし散歩をして帰ろう、と紅葉館の裏手にある川を見に行くと、そこは「大滝・小滝」という美しい滝でした。
橋を渡ってゆくと「大嵐山登山口」と。 「おおあれ山」と読むそうですが、5月24日には山開きをしたそうで、湯ノ花温泉のおかみさんたちがイラクサ入りのすいとんを登山者にふるまった、と紅葉館おかみさんブログに書いてありました。 楽しそうだなぁ。
そして、わたしが撮りたかったのはもちろん田んぼ。
田代山の猿倉登山口に向かう際、気になっていた田んぼの建物は「バッタリ小屋」でした!
前沢集落では見ていましたが、ここにもあるとは。
水を送るとい?が壊れており、使われてはいないようです。 昔からここにあるのか、観光のため再現したのかもわかりませんが、道路上の田んぼの水を、道路下の田んぼに流す際にバッタリ小屋を通して粉を引く、などの作業に使われたのだろうな、と思います。 水の流れを無駄にせず、良くできていると思います。
山登りのほかにも美味しい物をいただき、温泉や田んぼなども拝見して、楽しい旅となりました。 うん。 本当に楽しかった。 また行こう。