詩編73編15節~28節には、邪悪な者たちは「突然の恐怖によって終わりを迎えた」ことが記されていました(詩編73:19)。アサフは、苦難、試練の中でも神エホバと共に歩み、その忠節な歩みを行うアサフの「右手をつかんで」、神エホバが「助言をもって」アサフを導かれたことも記されていました(詩編73:23,24)。アサフは神エホバを避難所とし、神エホバの「すべてのみ業」を告げ知らせることを決意し、信仰に堅く立っていました(詩編73:28)。今日紹介する詩編74編1節~12節には、敵は、いつまで神エホバのみ名を永久に不敬な仕方で扱うのですかことが記されています(詩編74:10)。アサフは邪悪な者の言動を明かにし、エルサレムの聖なる地の荒廃をエホバに訴え(詩編74:3~9)、そうした邪悪な者たちの中でアサフは、神エホバが「大いなる救いを施される方」であることを明らかにしています(詩編74:12)。
詩編74編1節~12節には次のように記されています。あなたはみ言葉の中からどのような宝を見いだされるでしょうか。
マスキル。アサフによる。
「神(エホバ)よ、あなたは永久にお捨てに
なったのですか。
なぜあなたの怒りはご自分の放牧地の
羊の群れに向かって
煙を上げつづけるのですか。
2 昔あなたが取得なさったあなたの集まりを、
あなたの相続物として受け戻された部族を、
あなたの住まわれたこのシオンの山を
思い出してください。
3 久しく荒廃した地へあなたの足を上げてください。
敵は聖なる場所ですべての物にたいして
ひどい扱いをしました。
4 あなたに敵意を示す者たちは、あなたの
会見の場所の真ん中でほえたけりました。
彼らは自分のしるしをそのしるしとして
置きました。
5 ある者が悪名をはせているのは、
木のやぶに斧を取り上げる者に
似ているからである。
6 そして、彼らは今やその彫り物をどれもこれも、
手おのと先に鉄の付いた
梁で打ちます。
7 彼らはあなたの聖なる所を火の中に
突き入れました。
あなたのみ名の幕屋をまさに
地にまで汚しました。
8 彼らは、その子孫までもが、心の中で
共に言いました。
「神のすべての会見の場所はこの地で
焼かれなければならない」と。
9 わたしたちはわたしたちのしるしを
見ませんでした。
預言者ももういません。
いつまでなのかを知っている者も、
わたしたちのもとにはいません。
10 神(エホバ)よ、いつまで敵対者たちは
そしり続けるのですか。
敵はあなたのみ名を永久に
不敬な仕方で扱うのですか。
11 あなたはなぜそのみ手を、その右の手を、
ご自分の懐から取り出したままにして、
わたしたちに終わりをもたらされるのですか。
12 それでも、神(エホバ)はわたしの王、
地のただ中で大いなる救いを
施される方なのです」(詩編74:1~12)。
上野の聖句に示されているアサフの、神エホバが邪悪な者によってそしられる辛い心境が記されています。邪悪な者たちの子孫までが、「神のすべての会見の場所はこの地で焼かれなければならない」と、心の中で言っているのです(詩編74:8)。ですから、アサフは「神(エホバ)よ、いつまで敵対者はそしりを続けるのですか、敵はあなたみ名を永久に不敬な仕方で扱うのですか」と、率直に、アサフの心の叫びを、神エホバに伝えて祈っています(詩編74:10)。アサフは辛い状況の中で、「神(エホバ)は昔からわたしの王、地のただ中で大いなる救いを施される方」と、堅い信仰に立っていることを表明しています(詩編74:12)。特に現在の社会は聖書に預言されていた通り、「対処しにくい危機の時代」に私たちは生活し、「邪悪な者とかたり(騙り)を働く者とはいよいよ悪を行う」時代です(テモテ第二3:1~5,13)。ですから、多くの試練が誰にも押し寄せて来ます。それでも、アサフの信仰に見倣いエホバ神に依り頼み、エホバ神が間もなく邪悪な者を断ち滅ぼし、義の宿る新しい社会の楽園を回復される神の王国の良いたよりの希望に堅く立ちたいものです(箴言2:21,22;3:5,6.マタイ24:14.ルカ4:43.ペテロ第二3:10~13)。
夕陽輝る 枝先一つ 残り柿 今日の一句
庭に咲いている昔ながらの「菊」