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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(HEDWIG AND THE ANGRY INCH)
2001
ジョン・キャメロン・ミッチェル(John Cameron Mitchell)


コレは好き。
友人のうち2人が「オレの心の映画」とプッシュしてくれたということで鑑賞。
下記でグダグダ言いますが、結局のところ面白い。


愛することと生きることと死ぬこととについての映画。
グラムロックのドラッグクイーンのドタバタ映画という訳ではありません。
ほとんど、ミュージカルかという程の本編中の殆どが歌。
正直言って、映画と言うよりもこの歌の力。
「愛する」ことへのメンタルな願いが歌に込められまくっています。
所謂ゲイムービーとは違い直接的な性的な映像を殆ど使っていません。全てメタファー。ここは映像として素晴らしい。
愛という無形なものを描くために、その行動を追えばフィルムに撮れると思ってるバカな奴らとは全く違います。その周辺、もしくはコアを成す考えを並べることで直接的ではなく、あくまで考えさせる。これは好き。

映像としても結構実験的なことをバンバンやってたりして飽きさせません。
この映画の一番優れていた部分は、実はアニメーションの部分だったのかもしれません。
二つに分かれたことで愛を知った人間を唄った歌のアニメーションは絶品。これだけがPVとして一人歩きしててもおかしくないくらい。
以下の動画はそれ。

Hedwig and The Angry Inch-The Origin of Love



惜しいのは、やっぱりピンポイントで歌の力が勝りすぎ。
しかし、観客にはそんなこと関係なし。グッとくればそれでヨシ。
結果として何かを伝えるためであれば映画であろうが歌であろうが関係ないとは思うのですが、ここまで良い素材があるんだから「ドラマ」としてのスペシャルをもっと出して欲しかった。
これでは売れた原作の忠実な映画化とあまり変わりない気がします。

グラムロックというビジュアルであるための非日常感を、ラストだけではなく全編に散らしてみるとか。かといって「ベルベット・ゴールドマイン」まで行って欲しくない。監督で言えばポール・トーマス・アンダーソン監督のテイストが欲しかった。上で言ってることと矛盾しますが、ある一つのテーマを描くために2つの方法を採っていて、本作の場合が「音楽」と「人生」なんですが、その「人生」のドキュメントがちょっと残念。ここでは「DIG!」に通じる音楽業界のどうでも良いエコノミックアニマルさへのバッシングなんてどうでも良いんです。その要素のおかげでずっぽりいけなかった。

とは言っても確実に「残る」映画です。
未見の方は是非。
濃い作品です。
映画と言うよりも作品。
いいじゃないか、残るんだから。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (なすの)
2008-07-02 14:39:03
あーこれあたいも好き。
渋谷のどっか小さい劇場でやってて、
スタッフがヘドウィグのアタマ飾りつけてたの覚えてる。
トレーラーがパカッて開いて舞台になってるシーンが好き
 
 
 
Unknown (juraky)
2008-07-03 19:49:29
山本耕史でミュージカルやってたみたいね。
少したつといろいろ思い出す作品。
 
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