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殯の森(もがりのもり)
2007
河瀬直美


もの凄いハイテンション。と感じるの方は少ないかもしれませんが、中盤以降のほぼワンシチュエーションで緊張感をずっとラストまで引っ張る。恐るべき映画です。
下手なサスペンス映画よりも目が離せません。

脚本は50ページくらいしかないんじゃないでしょうか。台詞も恐るべき少なさ。
故に、フォーカスの絞られ方が尋常じゃありません。
痴呆症の老人しげきと新人ヘルパーの真千子の、お互いに亡くしてしまった大切な人への想いだけで生きている二人の映画です。

今回は割とキャラ解説らしきシーンも入っていて「なんじゃこりゃ?」という作りではありません。
確かに地味と言ってしまえば地味な映画ではありますが、演出でここまでの空気が作り出せるのか、と恐れ入りました。

「萌の朱雀」の田村正毅さんも素晴らしい映像でしたが、今回のキャメラは中野英世という方。ちょっと寄り画(ハンディ)と引き画のテンションの違いが気になりましたが、それでも素晴らしいキャメラ。


2007年カンヌ国際映画祭にて審査員特別大賞(グランプリ)を受賞した本作。
納得。これは凄い。
ちゃんと映画館行けば良かった。

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