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映画【ナイスの森】

2006-12-24 02:14:09 | 映画
ナイスの森 The First Contact
2005
石井克人 / 三木俊一郎 / ANIKI



序盤、これは映画じゃない、と思いつつも見続けているとなんだか妙なハイになり、いつの間にか見終えてしまう、不思議な映画でした。
何本かのオムニバスみたいな感じ。それが暴力的に入り交じる。

多分、監督「既製映画のマネっこをやるつもりなんか全然無い」というのがビシバシ伝わります。
しかし、それに慣れるまでに時間がかかりました。最初の1時間はぼーっと洗濯をしながら見て、その後に引き込まれていく。
最終的にも所謂映画としては成立していないのですし、1本の作品としても多分成立していません。
でも見てしまう。
その理由は女の子が可愛いからに他なりません。
女の子雑誌系のモデル(ハーフ側)をふんだんに配置し、随所で主張してくる。全然役者じゃないから演技なんてできてもいない、けれども可愛いから観てしまう。オッサンです。
流石、元アイドルを嫁に貰う石井監督です。ここまで自分の趣味を反映させることのできる監督は凄いです。女と映画の関係はゴダールみたいですね。

ラスト付近の The Volumeという件だけが異常にに映像的で、これは言い訳なのか、コレがやりたかったための一連の作品なのかを是非とも聞いてみたいところです。多分、このカットはどなたか監督自身がファインダー覗いているはず。じゃなかったらそれまでのアングルとの区別の理由が分かりません。

この映画は、映画としてではなくて、以前やっていたGrasshoppa!というビデオマガジンシリーズの延長を短編作品としてではなく、あるトーンを決めての自由演技でまとめてみました、というものではないでしょうか。
だったら、映画館でやる必要もなかったと思います。正解は分かりませんが、多分こうじゃない。
雑誌(BrutusとかCutとかのカルチャー系)と連携しまくってオマケDVDを相当数な雑誌に付ける。1クール全部乗っ取るとかやっても良かったかも知れません。雑誌別DVD連載オマケ(全部集めると合体して巨大ロボに!)。

ところで石井監督関連作品で「映画」だったのは鮫肌男と桃尻女だけだと思います。他のはテレビでも映画でもない。
なんてことを言っていると頭の固いオッサンかとも思われますが、できれば適材適所が好ましいかと。
この金のかけ方と劇場公開を成してしまったのはネームバリューとプロデューサーの力ですね。採算採れたんでしょうか。

こういう作品があると、新しい方法(メディア)が発見できそうな気もします。